アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【屋島】 今年もこの時期がやって参りました
2014年05月21日
高松
ここ数年、この時期になるとこの話題です。
幼虫の溢れる晩春~初夏。
そう、チョウ・ガ類のベビーラッシュの時期がやって参りました。
今年はどんな具合かと巡視に行ってみると、少し様子が変わっていました。
一昨年、昨年とフィーバーしたのはこちらの2種類。
【屋島で一世風靡したぶら下がりケムシこと『マイマイガ』】
【五色台で多く見た『クワゴマダラヒトリ』】
ここ2年程はこの2種が主役でしたが、今年はこれらの大量発生周期が終わったのかほとんど見かけなくなり、替わって主役の座を射止めたのはコチラの幼虫たちでした。
【シャクトリムシとも言われる『ハスオビエダシャク』シャクガ科】
【同じくシャクガ科『ヒメノコメエダシャク』】
樹高の高い木に囲まれた樹林部では、この2種が糸を垂らしてぶーらぶらしていたり、そうかと思って油断していたら特殊部隊のようにサーッと下りてきたりと結構アクティブな幼虫たち。
南嶺~北嶺への遊歩道や北嶺内は樹林に囲まれているため、歩きながらこれら特殊部隊ともいえるエダシャク達を避けなければいけませんが、避けたかと思いきや目の前に別のエダシャクがいたりと、この予測不可能な動きによって、ただ歩くだけよりも動体視力、集中力が養えることに気付きました。(笑)
そして、このエダシャク達が出す糸は垂らすだけでなく、まるでクモの巣かと思うほど縦横無尽に張られていることにも気付きました。
【上を見上げると・・・】
先日、AR日記にも書いた毛虫にも見えるヤマナラシの花序や風で飛ばされた葉が糸にくっついて、まるで空中で浮いているかのように見えます。
これに加えてぶら下がっているハスオビエダシャクは見た目が枝のようなので、どれが幼虫なんだかパッと見ても分からなくなってきます。
そして、今年の幼虫たちはぶら下がってくるだけではありませんでした。
草地を見ると・・・
【シロヘリキリガ(ヤガ科)】
近づくとこんな面白い格好をしてくれました。
威嚇?ビックリしたから?
その辺はよく分かりませんが、これが実は1匹だけではなく・・・
【こんなにたくさんいました!】
そして、先に紹介したヒメノコメエダシャクによく似たこちらも。
【ヒロバトガリエダシャク(シャクガ科)】
ステキな模様をした可愛らしい顔が特徴のヒロバトガリエダシャクも、草地で尺取り虫のような動きをします。
可愛らしい顔をしていようが苦手な方からすると、
「気持ち悪いから殺虫剤でなんとかして!」とお思いの方もいるかと思いますが、全てが成虫になれる訳ではありませんし、ずーっといる訳でもありません。
ヒメノコメエダシャクは初夏には蛹となり、同年10~11月に羽化し成虫として見られますが、それ以外のエダシャク、シロヘリキリガは6月上旬頃には土中で蛹となり、そのまま越冬し、翌年春にやっと羽化します。
そして、その成長過程では・・・
【アリに狙われ・・・】
【ニホントカゲにもパクリとされ・・・】
さらには野鳥たちにもエサとして狙われたりと、さまざまな敵や障害によって死んでいくものがほとんどで、成虫になれるのはごく僅か。
また殺虫剤を散布すると、薬が食物連鎖を通して他の生き物たちに影響するかもしれません。
幼虫の姿で過ごすのは約2ヶ月程度なので、自然の摂理に任せて、今年も大きな気持ちで見逃していただきますよう、ご協力よろしくお願いします。
とは言っても苦手な方はどうしようもありませんので、下記のように幼虫が付かないよう工夫をして頂きますようお願いします。
・上から落ちてくるのを防ぐために傘を差す。
・滑るナイロン製パーカやつば付き帽子を被る。(日焼け予防にも効果的)
幼虫は平気!という方は、今の時期しか観察できませんので、この機会をお見逃しなく!
※ご紹介した幼虫はどれも毒はありませんので、ご安心ください。
幼虫の溢れる晩春~初夏。
そう、チョウ・ガ類のベビーラッシュの時期がやって参りました。
今年はどんな具合かと巡視に行ってみると、少し様子が変わっていました。
一昨年、昨年とフィーバーしたのはこちらの2種類。
【屋島で一世風靡したぶら下がりケムシこと『マイマイガ』】
【五色台で多く見た『クワゴマダラヒトリ』】
ここ2年程はこの2種が主役でしたが、今年はこれらの大量発生周期が終わったのかほとんど見かけなくなり、替わって主役の座を射止めたのはコチラの幼虫たちでした。
【シャクトリムシとも言われる『ハスオビエダシャク』シャクガ科】
【同じくシャクガ科『ヒメノコメエダシャク』】
樹高の高い木に囲まれた樹林部では、この2種が糸を垂らしてぶーらぶらしていたり、そうかと思って油断していたら特殊部隊のようにサーッと下りてきたりと結構アクティブな幼虫たち。
南嶺~北嶺への遊歩道や北嶺内は樹林に囲まれているため、歩きながらこれら特殊部隊ともいえるエダシャク達を避けなければいけませんが、避けたかと思いきや目の前に別のエダシャクがいたりと、この予測不可能な動きによって、ただ歩くだけよりも動体視力、集中力が養えることに気付きました。(笑)
そして、このエダシャク達が出す糸は垂らすだけでなく、まるでクモの巣かと思うほど縦横無尽に張られていることにも気付きました。
【上を見上げると・・・】
先日、AR日記にも書いた毛虫にも見えるヤマナラシの花序や風で飛ばされた葉が糸にくっついて、まるで空中で浮いているかのように見えます。
これに加えてぶら下がっているハスオビエダシャクは見た目が枝のようなので、どれが幼虫なんだかパッと見ても分からなくなってきます。
そして、今年の幼虫たちはぶら下がってくるだけではありませんでした。
草地を見ると・・・
【シロヘリキリガ(ヤガ科)】
近づくとこんな面白い格好をしてくれました。
威嚇?ビックリしたから?
その辺はよく分かりませんが、これが実は1匹だけではなく・・・
【こんなにたくさんいました!】
そして、先に紹介したヒメノコメエダシャクによく似たこちらも。
【ヒロバトガリエダシャク(シャクガ科)】
ステキな模様をした可愛らしい顔が特徴のヒロバトガリエダシャクも、草地で尺取り虫のような動きをします。
可愛らしい顔をしていようが苦手な方からすると、
「気持ち悪いから殺虫剤でなんとかして!」とお思いの方もいるかと思いますが、全てが成虫になれる訳ではありませんし、ずーっといる訳でもありません。
ヒメノコメエダシャクは初夏には蛹となり、同年10~11月に羽化し成虫として見られますが、それ以外のエダシャク、シロヘリキリガは6月上旬頃には土中で蛹となり、そのまま越冬し、翌年春にやっと羽化します。
そして、その成長過程では・・・
【アリに狙われ・・・】
【ニホントカゲにもパクリとされ・・・】
さらには野鳥たちにもエサとして狙われたりと、さまざまな敵や障害によって死んでいくものがほとんどで、成虫になれるのはごく僅か。
また殺虫剤を散布すると、薬が食物連鎖を通して他の生き物たちに影響するかもしれません。
幼虫の姿で過ごすのは約2ヶ月程度なので、自然の摂理に任せて、今年も大きな気持ちで見逃していただきますよう、ご協力よろしくお願いします。
とは言っても苦手な方はどうしようもありませんので、下記のように幼虫が付かないよう工夫をして頂きますようお願いします。
・上から落ちてくるのを防ぐために傘を差す。
・滑るナイロン製パーカやつば付き帽子を被る。(日焼け予防にも効果的)
幼虫は平気!という方は、今の時期しか観察できませんので、この機会をお見逃しなく!
※ご紹介した幼虫はどれも毒はありませんので、ご安心ください。