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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 サザンカの花びら染め

2014年01月14日
高松
強い寒波の襲来となった年始めの3連休。
いつもはクラフトハウスで作業を行うのですが、五色台は標高400m近くにあるため市街地より3℃程寒く、暖房設備もないため急遽休暇村の一室をお借りしてある程度の工程を行いました。

今回で5回目を迎える人気の染め物教室。
講師はお馴染み、三豊市にあるあそ美工房の角田真理子さんです。
参加者の皆さんは受付後、自分が染めたい布選び。
布に余分なタンパク質や油分、汚れが付くと染め上がりに影響するため、手を洗ってから布を選んでもらいます。

今回はサザンカの花びらを使った染め物。
冬に咲くサザンカに似た花といえば・・・そう、ツバキ。
皆さんはこの違いが分かりますか?


【どちらがツバキでサザンカ?】

ツバキは花びらの根元が合着して筒状になっています。
サザンカは広がるように平たく咲き、ツバキのように花びらの根元が合着していないので、花びらを分解するとハラハラと取れるのが特徴。
どちらも同じツバキ科の樹木です。
参加者には知ってもらうために、実際にサザンカの花を少しだけ採りに行ってもらいました。



見頃を過ぎたもうすぐ花の落ちそうなものを選んで、また花の根元には蕾が付いていることもあるので花だけをそっと持って採ってもらいました。
今回染めるのに必要な花びらは、予め昨年インタープリターが地道に採って冷凍保存していたものを使います。
花びらは布1枚あたり150g位あれば十分のようです。
これだけの量が必要になるので、あえて見頃を過ぎた花を選んで欲しいんです。

室内に戻ったら、角田さんから模様付けのレクチャーを受けてから作業開始です。

【ビー玉やビーズ、輪ゴムや割り箸を使います】

【ここは染め残したいな】

【模様付け完成です】

模様付けできた布は染液が入るようにしっかりと水に浸しておきます。
次はいよいよ染料づくり。
まずは採ってきたサザンカは花びらだけに仕分けしていきます。


サザンカは蜜が多いため、仕分けていていると手に蜜が付いてきます。
チョウになったように、子ども達は手に付いた蜜を舐めながら仕分け作業。
冷凍保存していた花びらと合わせて、目の細かいネットに入れて水と酢を3:1にした中で揉んでいきます。
そうすると、どんどん泡が出てきます。


【みんなで揉んで色を出していきます】

オプションとしてフリージアの花びらも用意し、参加者に染料から作ってもらいましたが、泡が出るのはサザンカだけ。
なんだか要らなさそうなこの泡。
実は染めるにあたって重要な役割があります。
泡があると染める力(色が残っているということ)があって、染力がなくなると泡が消えていくのだそうです。
この泡が出る理由は角田さんも謎なのだそう。
揉み出しが終わったら、ザルとこし布を使って染料だけを鍋に移します。


【染料の完成です】

これを40℃になるまで火にかけて、みんなで一斉に布を入れます。
バラバラに布を入れてしまうと、先に入れた布が色を吸ってしまい、後から入れた布に色がきれいに入らないためです。



染めている間は布が均等に染まるよう菜箸で混ぜます。
この時、布を突かないよう、布が鍋の中で上下回るようにしてゆっくりと混ぜましょう。
素材によっては破れてしまうことがあるので注意してください。
約15分位染料に付ければ、色が十分布に入っています。
花びら染めの場合は草木染めのように色止めの媒染液はいらないため、染料から取り出したら水洗いして、干せば完成!


【フリージアの染め上がり】

【サザンカの染め上がり】

今回は十分な量の花びらがあったこともあり、昨年よりもサザンカの染め上がりが良いと角田さんも満足のようす。
角田さんから教わる染め物は、危険な化学薬品など使用せずスーパーで売っているもの、そのまま排水しても安全なものを使うため自宅でもできる染め物です。
大人の女性だけでなく、草木特有の柔らかい色合いが楽しめるのでお子さんにも楽しめる体験です。
またどの樹木からどんな色が出るのか分からないため、わくわくしながら試すことができるのも魅力のひとつ。
気軽にできる花びら染めにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

※花びらや草木を採る際は必ず土地所有者に許可を頂き、必要最低限だけにしましょう。

***************2月の体験教室***************
    『竹のバウムクーヘン&焼きリンゴ作り』
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詳細は五色台ビジターセンターへお問い合わせください。
TEL:0877-47-2479