中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【屋島】 まだまだ、そしてこれから見頃です

2013年12月11日
高松
私の住んでいる地域では初霜が下り、そして氷点下を迎える週初めの朝となりました。
霜が下りた日中は晴れることが多いため定点観測日より!と思い向かったのですが、あっという間に薄曇りに・・・。
そんな薄曇りとは対照的に屋島では色鮮やかな景色を見せてくれました。


【獅子の霊巌より(屋島南嶺)】

【観古亭前より(屋島南嶺)】

【魚見台東壁(屋島北嶺)】

獅子の霊巌は談古嶺(南嶺)、遊鶴亭(北嶺)と共に屋島三大展望地のひとつ。
ここからは北嶺西斜面~備讃瀬戸~高松市街地~讃岐山脈と広く眺められ、観光客の多くはここからの眺望に感嘆の声を挙げる展望スポットです。
この「獅子の霊巌」とは、下方の断崖に見える大きな岩が獅子の頭に似ていることからそう呼ばれています。

北嶺にある魚見台は、その名通り漁師が魚影を探し、沖の漁師に知らせた場所と云われています。
それより昔は瀬戸内海を行き来する船を監視する見張り台だったようです。
また日本書紀にも記されている通り、白村江の戦いに敗れたのをきっかけに唐(中国)や新羅(朝鮮)からの侵攻を懸念した大和朝廷が対馬~瀬戸内海沿岸に整備した防御用の城として屋島・古代山城が築かれました。
そのことから屋島は重要な要塞として位置づけられていたことが分かります。
魚見台で見張りをしていた人達は気を張りつつも、晩秋の頃には紅葉を眺めて気持ちを休めていたのでしょうかね。

目を楽しませてくれるのは遠景だけでなく近景にもありました。


【まだ色付きがきれいなハゼやイロハモミジ】

もう少し紅葉が楽しめそうな屋島。
根香寺や白峯寺のように極彩色に染まる紅葉ではないのですが、黄色やオレンジ、落葉の茶色が優しい色合いを出しています。
普段見る屋島は緑濃くどっしり構えたように見えますが、晩秋~初冬の時期はやわらかにお化粧したしとやかな屋島を眺められます。

さぁ、こちらは今から見頃を迎えます。


【屋島城址(屋島南嶺)】

【談古嶺周辺遊歩道(屋島南嶺)】



南嶺の園路を彩るのは白に薄紅色、濃紅色をしたサザンカやタチカンツバキ。
大ぶりの花が咲く樹木が少ない屋島の中で1番多く見られるのがこれらではないでしょうか。

屋島城址展望地のタチカンツバキも見応えは十分ですが、1番のお薦めポイントはケーブルカー山上駅への分岐から談古嶺へと続く南嶺東側の遊歩道です。
こちらでは花に囲まれた園路を歩き、東側には寿永4年(1185年)に起こった源平屋島合戦の舞台・檀ノ浦を望むことができます。
また屋島西対岸には、源氏が海上から攻めてくると予想し、平氏が軍船を隠していたとされる『船隠し』を眺められるので、冬の花を楽しみたい方だけでなく歴史に興味のある方にも楽しめるルートです。

まだまだ色付いている紅黄葉、そして見頃を迎える花を同時に楽しめるのは今だけです。
この時期をお見逃しなく☆