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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【自然情報】 どこもかしこも冬支度

2013年12月02日
高松
毎日の最低気温が5℃前後と本当に寒くなってきましたね。
行き交う人の服装もダウンやマフラー、手袋とすっかり冬の服装に様変わりしました。
人の生活が冬仕様になれば、もちろん山の中も冬越し準備の真っ只中。
そんな秋の終わりを迎える様子が屋島と五色台で見つけられました。


【アキノキリンソウ】キク科アキノキリンソウ属

【ノコンギク】キク科シオン属

まだ花はきれいに咲いていましたが、秋を彩るこの花もそろそろ見納めとなりそうです。アキノキリンソウは主に休暇村駐車場下広場に、ノコンギクは休暇村~テニスコート~クラフトハウス間の遊歩道内で見られます。
もう少し秋を楽しみたい方はお早めに。

この時期になると樹上にあった紅葉が下に落ち、地面を赤く、絨毯のように染め上げ、風景を楽しむ目線も下へと移り変わります。
そうなると自然に目に入ってくるのは落ちてきた木の実。



【まだ栗が残っていました】

秋の味覚のひとつ、栗。美味しいですよねぇ。
栗ご飯に栗きんとん、モンブランケーキなどお店に並ぶものも栗一色になるほど秋の代表的な食べ物。
五色台にはたくさんの栗の木があり、散策しているとイガグリをたくさん見かけます。
ここのは主にシバグリという実は小ぶりながらも甘みのある美味しい栗です。
栗も全て落ち、イガグリに残っているのはごく稀。
というのも、落ちた栗のほとんどは人ではなくイノシシのお腹の中へ。
蹄や固い鼻を使って上手くイガを割り、栗を取り出して食べてしまいます。
だけど、栗の木がないところは何を食べているの?


【ドングリの食痕】

こちらは屋島に落ちていたドングリの殻。
先日捕獲されたイノシシの胃の中にはドングリがびっしり詰まっていたそうです。胃の中のドングリに殻は付いておらず、しかも人間でも取るのが面倒な渋皮まできれいに取って食べていたそうです。
なんとも器用なイノシシですが、最近では山に餌が少なくなったせいか人里まで下りてきては作物を荒らしたり、人への被害などが問題となり、有害鳥獣駆除の対象となっています。
イノシシをはじめとする野生生物は、人間が怖くて威嚇したり攻撃するのがほとんどです。イノシシと出会ってしまったら、声を上げず、ゆっくりとその場から離れるようにしましょう。

さて、ここからは苦手な方には苦手な生き物を。
落ち葉が増えてくると、それを食べる生き物やその下で越冬する生き物を見ることができます。


【ヤスデ】

ダンゴムシのように丸くなって少し窪んだ所にいました。
少し離れて見ると黄色と黒色の縞模様で、ヤスデだと思いませんでした。
ヤスデとムカデって固そうな外殻の節が連なり、足がたくさんあり見た目よく似てますよね。しかし、よーく見ると違いが分かります。

ムカデは節足動物・唇足(しんきゃく)網というグループになり、1節に足が1対(左右に1本ずつ)あります。
ヤスデは節足動物・倍脚(ばいきゃく)網というグループで、1節に足が2対(左右に2本ずつ)あります。
ヤスデの方がムカデよりも足が2倍ほど多いので動きが速い?と思うかもしれませんが逆なんです。ムカデの方が動きは断然速いです。
それには食性が関係しています。
ムカデは肉食性で生きた昆虫など捕食するため、素早く動かないと餌に有り付けません。
しかし、ヤスデは草食性で主に腐葉土、たまに動物の死体を食べますが、捕食対象物が動かないものなので襲って食べるという必要がないんですね。

休暇村のテニスコート下にある遊歩道上には、何やらうごめくものが・・・。
(本当に苦手な方はごめんなさい!)


【ケバエの幼虫】

野鳥観察会中に見つけたのですが、これには野鳥を守る会会員も釘付け。
拳くらいの大きさの塊が遊歩道上に6ヶ所くらいあって、どれを見てもウヨウヨと元気に動いていました。
調べてみると、幼虫は腐食質を食べるようで落ち葉や腐葉土上にいることが多く、種類によっては食糞のケバエもいるようです。
いわば分解の役割を持った生き物。
見た目気持ち悪いですが、これらがいることによってその土壌の栄養分がより豊かになり、植物が成長して、また他の生き物へ繋がる大事な役割を持っていることが分かりました。

今の時期だからこそ見つけられる生き物観察。
冬支度の方法は生き物によってさまざまです。
どんな生き物がどんな所でどんなふうに冬を過ごすのだろう?
そんな好奇心を満たしてくれるのは、意外と冬かもしれませんよ。