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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

秋から冬へ ~宍道湖渡り鳥飛来数調査~

2013年11月28日
松江
ここのところ松江は強い風の吹く日が多く、ボロの我が家はガタガタといっています。今日はそれに時折雪が加わり、吹雪といった荒れ模様になっています。今シーズン初めての天気です。
三瓶山では先週雪が積もりました。山陰の季節は秋から冬に移り変わりつつあります。
三瓶山の北麓にある三瓶自然館サヒメルでは、現在「アクティブ・レンジャー国立公園写真展」がおこなわれています。
これは中国四国地方の各事務所にいる7名のアクティブ・レンジャーが撮った、国立公園やラムサール条約登録地での写真を展示したものです。
期間は12月19日(木)まで。玄関ホールにて展示していますので、入場無料となっています。三瓶にお出かけの際は、ちょっとお立ち寄りください。なお毎週火曜日と12月2日~6日はサヒメルの休館日ですのでご注意ください。



さて今話にも出ましたラムサール条約登録地ですが、松江では宍道湖と中海がそれにあたります。
ここでは冬場月3回、渡り鳥の飛来数調査をおこなっており、私は宍道湖を担当しています。
一昨日11月下旬の調査に出かけました。宍道湖の向こうには島根半島の里山が赤く色づいていました。
この日は多少日差しがありましたが、強い西風が吹いていました。
湖は日本海のように荒れ、濁流のように茶色く濁っています。
観測場所は西側に開けた高台です。案の定正面から強烈な風が吹き付けていました。
風に飛ばされてはいけないと、書類を手提げ袋にしまって置いておいたところ、みごとに飛ばされ、慌てて追いかけたりなんてして・・・。
望遠鏡をのぞくと像は震えて見えます(いや、見えたものではありません)。それを押さえ着けて必死でにらみます。
「近くの係留所にいる鳥は何ガモだ?」震える映像と自分の今までの記憶の映像とをすりあわせて、種類を割り出さねばなりません。

【波は防波堤に砕け散り、次の瞬間防波堤を越えてシブキを飛ばしていました。】

前回11月中旬に見られたように沖合に大群はいるのか。はるか沖合に砂粒のようなカモの群が波に見え隠れしていないかと、ゆっくりと望遠鏡をスライドさせます。白波と像の震えで見落すことがないよう注意しながら。
前回は今季最大の三万羽を越えるカモが見られたのですが、今回は三千羽台しか見られませんでした。あれだけいた大群はどこに行ったのでしょう。
遠く湖上には無数の粒がチカチカと見えました。羽ばたいているカモの群です。この日は宍道湖を飛び立つ群が多かったように思えます。
宍道湖が荒れているから他のところに避難したのでしょうか。でもあれだけの数のカモたちが避難できる場所などあるのでしょうか。
それとも、どうせならと一気に南下して行ったのでしょうか。

宍道湖を巡回して湖の西岸に来ました。西風なので西岸側は波が穏やかで、水も青いです。それに湖岸の土手が風よけになっているのか、多くのカモたちがいました。

【様々な種類のカモたちが見えます。鳥たちの避難所となっているようでした。】

更に宍道湖周辺の田んぼを巡回しました。ここには毎年マガンの群がやって来ます。前回よりも数が増えて二千五百羽ほどいました。
このマガンと共にヒシクイも少数やってきます。区別がつきにくいですが、マガンのクチバシが桃橙色なのに対し、ヒシクイは御覧のような黒地に黄色の2色です。

【ヒシクイです。この日はマガンの群から離れていました】
宍道湖周辺にはコハクチョウたちもやって来ます。ハクチョウたちも倍近くに増えて八百羽ほどいました。
吹雪といいマガンやコハクチョウたちといい、いよいよ山陰の冬到来です。

【この日のごちそうは田んぼの二番穂。黄金色の穂からピョコピョコと白い首が動いています。】

さて来年のことを言うと鬼が笑うと言いますが、もうそんな時期になってきました。
来年2月8日(土)に松江の街で冬鳥を見て回ろうという催しをおこないます。
これはNPO法人「まつえ・まちづくり塾」さんと共同で開催する企画です。
下記URLアドレスから開催概要のホームページを御覧いただけます。
http://www.mmjuku.or.jp/machikore/autumn2013/wataridori

マガンやコハクチョウは見られないと思いますが、松江の街でも色々な渡り鳥が見られます。ラムサール条約登録地である、宍道湖の畔にある松江ならではの光景ではないでしょうか。
鳥など全くわからないといった方大歓迎。皆様ふるってご参加ください。お待ちしております。_(._.)_