アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
日本ジオパークネットワーク隠岐大会
2013年10月24日
松江
10月15日~10月18日に隠岐で日本ジオパークネットワークの全国大会が開催されました。台風の影響により本土と隠岐を結ぶ高速船・フェリーともに欠航する中、全国のジオパーク関係者約500人が集り開催されました。
日本ジオパークネットワークの全国大会は隠岐大会で4回目となりますが、毎回ジオパークの質を高めるため分科会でテーマを設定して活発な意見交換が行われています。今回は「首長セッション」「無形文化財を取り入れたジオパーク活動」「ジオパークガイドの交流意見交換会」が行われ、関連イベントとして環境省中国四国地方環境事務所主催の「自然公園とジオパーク」イベントが実施されました。
環境省のイベントでは、約150名にご参加いただきました。イベントでは日本ジオパーク委員会の委員でもある自然公園財団の阿部宗広氏をお迎えし「自然公園とジオパーク」と題して自然公園とジオパークは自然環境の保全・保護と利用・活用という点で共通しており共存共栄に向けて連携を進めていくことが大切という趣旨の基調講演をしていただきました。その後、全国各地のジオパークと国立公園の連携した事例について最初にえびの自然保護官事務所より「霧島ジオパークの魅力を高める」と題しノカイドウの保護・保全に向けた環境省の取り組みがジオパークの魅力アップに貢献している事例を紹介していただきました。次に島原半島ジオパーク推進連絡協議会より環境省の遊歩道整備とジオパークの事務局が遊歩道の管理で協力している事例を紹介していただきました。最後は隠岐ジオパーク戦略会議より環境省のソフト事業を活用したジオパークガイドの育成や国立公園内を活用したツアーや学習会などの事例を紹介していただきました。
つづいて、全国のジオパークとジオパークの候補地を対象として、自然公園との連携状況をアンケート調査した結果が発表されました。ここではジオパークの対象区域内の90%以上のジオパークが自然公園の区域と重複していることや、多くのジオパークが自然公園の管理者と保全・保護に関して連携を強化していきたいと思っていることなどが紹介されました。
最後に、講演をしていただいた4名と会場参加者全員で意見交換が行われ、アンケート結果や講演内容、今後の連携の進め方について活発な発言がありました。
イベントのまとめとしては、ジオパークと自然公園の連携は始まったばかりであり、様々な課題はあるものの連携強化に向けてジオパークと自然公園は今後も協力していくということで参加者の合意が得られました。
大会期間中、別会場で各ジオパークのポスターセッションが行われておりそちらも大盛況でした。
なかにはジオパーク対象地域内の地質をモチーフとしたアイデア菓子などのグッズも紹介されていました。
各分科会・関連イベント等が終了した後の全体会合では、隠岐の島町立北小学校の5・6年生が、今年の夏に隠岐世界ジオパークをテーマとして活動した子どもパークレンジャー事業について発表がありました。
やや緊張の面持ちでしたが、たくさんの聴衆が見守る中で立派に発表できました。
子供たちの発表が終わると、各分科会と関連イベントについて、まとめの報告がありました。大会の最後に隠岐の島町松田和久町長が発表した『隠岐宣言』にもしっかり「ジオパークと自然公園との関係はその内容や進捗度合に違いはあるもののより良い連携を目指してそれぞれの地域に応じた活動を進めていく」と明記されていました。
次回の日本ジオパーク全国大会開催地は南アルプスジオパークです。