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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 竹の一輪挿し&植物ウォッチング

2013年10月22日
高松
朝晩の冷え込みがぐっと増しましたね。
体調を崩しやすい時期なので、体温調整できる服装でお過ごし下さい。

さて、10月の体験教室は五色台にあるマダケを使って壁掛けできる一輪挿しを作ります。
昨年までの『雑草生け花』で作っていた花器は竹を横か縦に切るだけでしたが、今回はバージョンアップします。
講師は、讃岐の凧工房主宰している林保雄さん。
林さんは大きく立派な和凧や竹で作った精巧なストラップや置物など作られており、和凧ワークショップも開いています。
今年1月にビジターセンターで和凧を展示させて頂いたのも、林さんの和凧なのです。
今年も展示をお願いする予定なので、ビジターセンターHPを随時チェック★

その一輪挿しを作るにも生けるものが必要ですね。
アイスブレイクを兼ねた植物探しに出かけます。
この日の天気は生憎の雨模様でしたが、皆さんのやる気が伝わったのか、植物探しに出かける時間だけは雨が止みました。


「あっ、ノブドウ見つけた!」

ツル状の茎に青~紫色をした実を見つけました。これだけでも見映えのする素材です。
これとよく似たのに「ヤマブドウ」があり、ビジターセンター周辺でも見られます。
ヤマブドウは食べられますが、見つけたノブドウは食べられませんのでご注意を。
概ねの見分け方は、葉の切れ込みが浅いのが「ヤマブドウ」で、葉の切れ込みが深いのが「ノブドウ」ですが、ノブドウの葉は変異して切れ込みがやや浅いものもあるので見分けに迷うようなら止めておきましょう。

さて、こちらは何をしているのでしょう・・・?


「なんだか嗅いだことのある匂いがする」

これは「フユザンショウ」。
大人達が「何の匂いだろう」と嗅いでいると、小さな女の子が「ミカンの匂いー」
そう。サンショウはミカン科の植物なのでミカンの香りがするのです。
実を潰して嗅ぐと辺り一杯に香りが広がります。
他にも匂いを嗅ぐと面白いのが「ヘクソカズラ」や草木染めで使う「クサギ」の葉。
さぁ、どんな匂いがするのか是非試してみて下さいね。


左上:クサギ       右上:ヘクソカズラ(別名ヤイトバナ)
左下:フユザンショウ   右下:ノブドウ

色付きのいい葉や実を見つけると思わず触って見たくなりますが、ウルシ、ハゼ、ヌルデには触らないよう気を付けて下さい!被れてしまいますよ。

クラフトハウスに戻って、本日の体験教室のメイン:一輪挿しづくりです。
まずは竹を選び、飾るスペースに合った長さに切り出します。
みなさん大抵2~3節分+上下の節から10㎝位余部を残して切っていました。


竹を回しながら切ると切りやすいのだそう。

そのままの切り口は手など切りやすいので、小刀かサンドペーパーで滑らかにします。
下側の節の上方にインシュロックという結束バンドのようなものでがっちり固定し、不要な部分は切り取ります。
上方からナタで竹を割るのですが、竹には正面があるの知っていますか?
まず手のひらに竹を立てかけて、少し転がしてみましょう。
すると竹が止まり、こちらに向いている面が正面ということなんだそう。


正面に切れ目が入るようにナタでスパンっと割ります

中の節はカナヅチなどで割りましょう。
ここの切り口もサンドペーパーなどで滑らかにした後、割れ目を広げるための支え竹を切り出して挟み込みます。竹の戻る力は強いので手を挟めないよう要注意です。
割れ目の下方には草花を挿す竹を入れ込みます。
最初にインシュロックで固定したのは、この割れ目を止める役割なのです。




竹の左右に穴を開けて、挟み込んだ支え竹の中にシュロ縄を通したら壁掛け紐が出来上がり。
下方はインシュロックだけでは風情もないので、そこにもシュロ縄をくくります。また割れ目に入れた竹の挿し具合が緩いようなら、そこもシュロ縄で固定しましょう。
括り方はひと味違う「垣根結び」と呼ばれる庭師さんが使う結び方。
結び目がきれいな上にきっちり固定される結び方ですが、見ているだけでは覚えられませんでした。。。
今日の補助スタッフはこの日までに必至で覚えたのだそうです。



花器が完成したら、採取した草花を使って生けましょう。
こちらの方々はさすが!といった感じでこだわりをもって生けていました。
そして、完成です!



シンプルな生け方から大振りまでさまざま

講師の林さんは花器の作り方を教えて頂いただけでなく、こんなステキなものをプレゼントしてくださいました。



なんと竹細工のストラップ!

こちらの馬は5㎝四方弱と小さいながらも細部まで馬の特徴が伝わる逸品!
竹細工は糸ノコギリとノミを使って作るのですが、サイズが小さく、しかも細かい作業なので手傷が絶えないのだとか。
竹はササクレや切り口で傷を作りやすいので、今日の教室でもたくさんの絆創膏を持ってきて下さいました。
本当にありがとうございました!

竹を使った花器も少し手を加えるだけで、こんなにもおうちの中を華やかにさせるものに大変身。
ススキやエノコログサなど野原に生えている草木だけでも、十分に映える花器づくりにチャレンジしてみてください。
竹の色も青竹から黄色と移り変わるので、それに合わせた一輪挿し、そして秋の風情を感じてみてはいかがでしょうか。

******************11月の体験教室******************
           【どんぐり三昧】
いろんなドングリをじっくり観察して、置物づくりをします。
他にも味わう??体験もできるドングリ尽くしの時間を満喫します。
日 時:11月4日(月・祝)9:00~12:00
場 所:五色台クラフトハウス
    (ビジターセンター前駐車場から木道を下りて徒歩3分)
参加費:参加100円/人 別途置物作り50円/セット
持ち物:汚れてもいい服装(体温調整できるもの)
    履き慣れた靴(スニーカーなどがいいです)、飲み物など