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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

東予で見つけた昆虫

2013年09月10日
松山
朝晩はすっかり気温が下がり、日中も風が気持ちよく過ごしやすくなってきました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

先月、夏の定点撮影のため桜井海岸へ行ってきました。お盆時期で、桜井海岸・キャンプ場には100人近い利用者がいて、大変賑わっていました。

【定点撮影:桜井海岸 パノラマ撮影】
パノラマ撮影の定点写真からも、小さくですが左側の砂浜に海水浴客がいるのがわかります。

少し遅くなりましたが、この7,8月に桜井海岸一帯で見られた生物を紹介します。

桜井園地を歩いていると、数匹で飛び回るトンボが…

【左:シオカラトンボ♀ 右:シオカラトンボ♂】
1匹のメスのシオカラトンボに2匹のオスのシオカラトンボがメスをめぐって争うように飛んでいました。

【シオカラトンボ♂】
枝に留まっていたシオカラトンボに近づいて撮影。水色の目がじっとこちらを見ていました。

定点撮影のために、桜井海岸の大崎ヶ鼻側の遊歩道を歩いていると大小様々な穴があいていました。

【遊歩道】
セミの穴かなと思ったのですが、表面の土のすぐ下には硬い岩があり、穴も深くなかったのでセミではなさそうです。

少しの間、その場でじっとしていると…



【アカテガニ】
穴の中からアカテガニが出てきました。写真左は、私が近づいたため立ち上がってはさみをこちらに向け威嚇のポーズをしています。
よく見ると岩の隙間に何匹もアカテガニが身を潜めていました(写真右)。

山林内の遊歩道になぜカニがいるの?と驚かれるかもしれませんが、アカテガニは海岸や河川から近い山林内に生息しています。海岸のすぐ近くに森林があることは、アカテガニにとって重要な生息環境になっています。

同じ場所では、山林からの水が岩を伝って流れ出ているところにモンキアゲハが留まっていました。

【モンキアゲハ】
少し分かりづらいのですが、羽根を広げると白い模様が見えました(写真右下)。

他にも森林内の遊歩道を歩いているとアゲハチョウが数種類飛んでいました。

【左:カラスアゲハ 右:アオスジアゲハ】
モンキアゲハやカラスアゲハはミカン科を食草とするため、柑橘類の自生や栽培が多い瀬戸内海では、よく見かけられます。
アオスジアゲハも、食草はクスノキやタブノキですが、照葉樹の多いこのあたりではよく見かけられます。

蛇池では、ひらひらと飛ぶ姿が蝶のように見えるチョウトンボがいました。

【チョウトンボ】
人だけじゃなく、昆虫も賑わいを見せる桜井海岸一帯。
次は秋の昆虫が桜井海岸を賑わせてくれることでしょう。