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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

ミヤジマトンボ観察会を開催しました

2013年09月04日
広島
国内では広島県の宮島にしか生息しないミヤジマトンボについて、
AR日記では何度かご紹介してきましたが、
生息地が限定的で乱獲などの恐れもあることから
生息地は非公開となっています。
環境省、県、専門家等で構成するミヤジマトンボ保護管理連絡協議会では、
長年生息地の保全をしながらも
このままでは幻となってしまいかねないことも危惧していました。
そこで協議会の呼びかけに応じて
事前学習を行ってきた宮園小4~6年生を対象に
ミヤジマトンボを観てもらおうと初めて現地観察会を企画しました。

まずは「宮島の歴史・文化」、
「ミヤジマトンボが宮島で生き残った理由」や「見分け方」などを
事前に宮園市民センターで学習しました。



そして、午後からはいよいよ船でミヤジマトンボの生息地へ向かいます。
滅多に乗ることのない小型船だっただけに子どもたちのテンションも上々です。

現地に入ると早速ミヤジマトンボが子どもたちの前に飛来してきました。

[到着早々目の前に飛来したミヤジマトンボを観る子どもたち]
初めて見るミヤジマトンボに
「思ったより小さかった」
「眼が青くてキレイだった」
など1人1人違った印象を持ったようです。


[ミヤジマトンボを観察する子ども]
そして2班に分かれ、
1班は生息地に溜まっている漂着ゴミを拾い、
もう1班はミヤジマトンボの生息に欠かせない海への流路を
シャベルで補修する作業を行いました。

[流路の補修作業]

非公開であるミヤジマトンボの生息地に
一般の方を招待するのは今回が初めての試みです。
多少のリスクや課題はあったものの、
地元で絶滅に瀕している野生動物を目の当たりにすることは
子どもたちにとってとても意義のある経験になったのではないかと思います。
今後もこういった取り組みがミヤジマトンボの保護意識につながることを期待します。

[成熟したミヤジマトンボ♂]