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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

島根半島の夏

2013年08月22日
松江
松江は7月下旬に豪雨が襲いましたが、その後ずっと雨がなく連日暑い日が続いています。なんとも極端な天気です。
そんな暑い夏にはやはり「海」ですよね。海と言えば「島根半島」ですよね。
「何それ・・・」とおっしゃられた方。島根半島をご存じない?それはもったいない。それでは島根半島の夏の魅力をご紹介しましょう。

島根半島は宍道湖と中海の北岸に位置する半島で、大山隠岐国立公園に指定されています。
松江、出雲、米子、境港の各市内から近いのに、国立公園に選ばれるほどの自然が残されています。
【下記インターネットホームページのURLから、国立公園の地図が見られます。】(2.6MBありますのでご注意ください)
http://www.env.go.jp/park/daisen/intro/files/area_3.pdf

島根半島は出入りの多い複雑な海岸線に日本海の荒波によって浸食された断崖、洞門、洞窟等が続く優れた景観を持っています。
そのような自然豊かな岩場(磯)は生き物たちの宝庫です。島根半島はそんな所だらけです。夏はぜひ磯遊びで海の自然に包まれてみてください。
日御碕などではスキューバダイビングもおこなわれています。
ただし自然は危険をはらんでいるもの。水の事故にはくれぐれも注意してください。

【海藻の森には魚たちが住んでいます】

そして夏、海、と言えばなんと言っても海水浴ですが、今年は暑いのでもう少し楽しめそうです。
島根半島は大きな砂浜はありませんが、入り江の白砂の浜にエメラルドブルーの海と言った美しい浜が点在します。
涼しくなっても浜でのんびり過ごすのもいいかもしれません。



島根半島には世界灯台100選に選ばれている灯台(国内に5つ)が2つ建っています。(国の文化財でもあります。) 
半島東端の美保関は地蔵崎にある「美保関灯台」と、西端の日御碕にある「日御碕灯台」です。
どちらも100年以上前に建てられた石造りの白亜の灯台で、美保関は灯台守の宿舎があり、今は観光ビュッフェとして使われています。
青い海と木々の緑と白い灯台が晴れた空に相性抜群!澄んだ日には隠岐島や大山が大きく見えます。ただ晴れていても霞んで見えない事も多いのですが。

【美保関灯台:ビュッフェは、8月限定で週末の夜、漁り火の海を眺めながら食事ができるとの事。】
日御碕は柱状節理により独特の景観を創り出しています。
灯台は今も日本一の高さを誇り、そのてっぺんには登る事ができます。
またグラスボートに乗って、海からの景色や海中の世界を観察する事ができます。

【日御碕灯台:8月末までは夜のライトアップをおこなっています。】

島根半島の中で北に向かってひときわ突き出した岬があります。「多古」です。気になる名前ですが、「タコが多いから」と言う人がいましたが定かではありません。
ここは海に囲まれたロケーションの中にコテージとキャンプ場があります。

【ここも隠岐島が望め、夜には星空と漁り火の灯りが広がります。】

多古から少し西に行きますと「加賀の潜戸(かかのくげど)」と言う岬があります。新旧2つあるのですが、新潜戸は3つの入り口があり、中がトンネルのように連結された全長200メートルの海中洞窟です。この新潜戸は出雲国風土記によると佐太大神の誕生の地とされ、名勝と天然記念物に指定されています。
ここへは観光遊覧船で巡る事ができます。

最後に紹介するのは皆さんご存じの「出雲大社」です。
出雲大社は島根半島の西部に位置しています。
今年は60年に一度の大遷宮の年で、綺麗になった本殿にお参りしようと全国から沢山の方が訪れています。
ご存じでしょうか、出雲大社の本殿周辺は国立公園に入っています。
太い松並木の長い参道の奥に建つ荘厳な神殿。神々しさを感じます。
先にお話しした「日御碕」へは、大社から美しい岩礁の海岸線を車で15~20分ほどです。

【この日は特に沢山の方が参拝に訪れていました。】

島根半島は古事記や出雲国風土記に書かれた神話の舞台として各地が登場します。例えば有名な「国引き神話」は島根半島誕生の物語です。
神話に登場する岩や洞窟が今もそのままの姿で私達が目にする事ができるのも醍醐味でしょう。
また出雲大社や日御碕神社など神話に繋がる歴史ある神社も多く、更には日御碕の海には古代の聖地らしき海底遺跡が眠っていると言ったロマンあふれる話もあります。
神話や歴史を知って巡ると更におもむきを持って楽しめるかもしれませんね。
夏の終わり、そして秋の初め、島根半島に出かけられてはいかがでしょう。


【御盆の頃、どの集落でも盆踊りのやぐらが組まれていました。】