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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
子どもパークレンジャーが実施されました。(前編)
2013年08月13日
松江
先日、隠岐地域での子どもパークレンジャーを実施しました。
今年は隠岐の島町立北小学校の5・6年生17名が、国立公園を管理する自然保護官(パークレンジャー)の仕事を2日間にわたって体験しました。
まずは北小学校で子どもパークレンジャーの任命式です。自然保護官から全員に任命状が渡されます。
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任命式の様子
子どもパークレンジャーは、自然保護官から国立公園についての話を聞いたあと、講師の先生から隠岐のジオパークについて学習します。
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講師の先生からジオパークの話を聞きます
隠岐ジオパークは隠岐の魅力を「大地の成り立ち」「独自の生態系」「人の営み」の3つのテーマで紹介しています。子どもパークレンジャーはこのテーマに沿って「大地班」「生き物班」「人の生活班」に別れて国立公園の自然や文化を調査します。
まず始めに海岸沿いの植生観察をしました。
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隠岐には北、南、高山、大陸、固有の植物があると解説を聞きます
ここは海抜50mほどですが亜高山帯に植生を持つ「オオイワカガミ」「クロベ」や「シロウマアサツキ」「ミズナラ」などを見ることができます。
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オオイワカガミ
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シロウマアサツキ(6月撮影)
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ミズナラ
その他にも北方系の「イタヤカエデ」「エゾオオバコ」や南方系の「スダジイ」「ヤブツバキ」大陸性の「ダルマギク」「ケグワ」隠岐固有種の「オキノアブラギク」など様々な植物が混在する隠岐の植生の不思議を講師の先生から教えてもらいました。
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イタヤカエデ
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ヤブツバキ
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ダルマギク(6月撮影)
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オキノアブラギク(11月撮影)
公園区域外で見つけた植物について、形や大きさを観察するために葉を1~2枚切り取り、拓本にして記録を取りました。
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拓本作業の様子
次に海藻を使った藻塩づくり体験をしました。
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素焼きの土器に濃縮海水を注ぎます
周りを海で囲まれた隠岐では、たくさん取れる海藻を食用以外にも畑の肥料に使うなど人の生活に欠かせないものとして利用しています。また海藻は、サザエやアワビ、魚類など海の生き物にとっても餌場や繁殖場所になっているので、これらを捕獲する漁業者にとっても必要なものです。今回はこの海藻を使って古代人と同じ方法で藻塩の製塩に挑戦します。十分に熱した素焼きの土器にアラメの煮汁と10倍に濃縮した海水を注いでいきます。やけどしないように気をつけながら、30分かけて藻塩づくりを行いました。味見した子どもパークレンジャーからは「おいしい!」「にがい!」「しょっぱい!」など様々な感想が聞かれ、市販の塩との違いを感じたようです。
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塩は上手にできたのでしょうか?
最後はシーカヤックに乗って海から地形や地質を調査する予定でしたが、波が高かったため、隠岐で産出する黒曜石を使った矢尻づくり体験を行いました。
黒曜石は溶岩が急冷されて溶岩内のガラス質が結晶化したもので、割れた断面はガラスと同じように大変鋭く、古代人達は石器に利用していた岩石です。
隠岐の黒曜石は、中四国地方で唯一、石器に使用できる良質の黒曜石で、古代人たちもこの黒曜石を矢尻に使用していた歴史があります。研究では4万年前の四国の遺跡から隠岐産黒曜石の石器が発掘されており、当時の古代人たちの交流の広さを教えてくれる岩石でもあります。子どもたちは復元弓の試射を目の当たりにし黒曜石の鋭さに改めて感激したようです。
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黒曜石の矢尻を使った復元弓の試射
矢尻づくりは古代と同じ方法で黒曜石の原石とシカの角と皮を使用してつくります。隠岐にはシカは生息していないので、古代の隠岐の人々が黒曜石とシカの角や皮を物々交換していた様子をうかがうことができます。矢尻づくりはシカの皮で手を保護しつつシカの角を押し当て黒曜石の表面を剥離(はくり)させていきますが、なかなかコツがつかめず四苦八苦します。
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黒曜石の剥離(はくり)にはコツが必要です
古代人の技術力の高さを体験しました。古代体験として2mの火おこし器を使い火おこし体験も行いました。
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声をあわせて力を合わせて火起こしです
子どもパークレンジャー1日目はこのように体験を中心に行い終了しました。
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子どもパークレンジャーおつかれさまでした
今年は隠岐の島町立北小学校の5・6年生17名が、国立公園を管理する自然保護官(パークレンジャー)の仕事を2日間にわたって体験しました。
まずは北小学校で子どもパークレンジャーの任命式です。自然保護官から全員に任命状が渡されます。
任命式の様子
子どもパークレンジャーは、自然保護官から国立公園についての話を聞いたあと、講師の先生から隠岐のジオパークについて学習します。
講師の先生からジオパークの話を聞きます
隠岐ジオパークは隠岐の魅力を「大地の成り立ち」「独自の生態系」「人の営み」の3つのテーマで紹介しています。子どもパークレンジャーはこのテーマに沿って「大地班」「生き物班」「人の生活班」に別れて国立公園の自然や文化を調査します。
まず始めに海岸沿いの植生観察をしました。
隠岐には北、南、高山、大陸、固有の植物があると解説を聞きます
ここは海抜50mほどですが亜高山帯に植生を持つ「オオイワカガミ」「クロベ」や「シロウマアサツキ」「ミズナラ」などを見ることができます。
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オオイワカガミ
シロウマアサツキ(6月撮影)
ミズナラ
その他にも北方系の「イタヤカエデ」「エゾオオバコ」や南方系の「スダジイ」「ヤブツバキ」大陸性の「ダルマギク」「ケグワ」隠岐固有種の「オキノアブラギク」など様々な植物が混在する隠岐の植生の不思議を講師の先生から教えてもらいました。
イタヤカエデ
ヤブツバキ
ダルマギク(6月撮影)
オキノアブラギク(11月撮影)
公園区域外で見つけた植物について、形や大きさを観察するために葉を1~2枚切り取り、拓本にして記録を取りました。
拓本作業の様子
次に海藻を使った藻塩づくり体験をしました。
素焼きの土器に濃縮海水を注ぎます
周りを海で囲まれた隠岐では、たくさん取れる海藻を食用以外にも畑の肥料に使うなど人の生活に欠かせないものとして利用しています。また海藻は、サザエやアワビ、魚類など海の生き物にとっても餌場や繁殖場所になっているので、これらを捕獲する漁業者にとっても必要なものです。今回はこの海藻を使って古代人と同じ方法で藻塩の製塩に挑戦します。十分に熱した素焼きの土器にアラメの煮汁と10倍に濃縮した海水を注いでいきます。やけどしないように気をつけながら、30分かけて藻塩づくりを行いました。味見した子どもパークレンジャーからは「おいしい!」「にがい!」「しょっぱい!」など様々な感想が聞かれ、市販の塩との違いを感じたようです。
塩は上手にできたのでしょうか?
最後はシーカヤックに乗って海から地形や地質を調査する予定でしたが、波が高かったため、隠岐で産出する黒曜石を使った矢尻づくり体験を行いました。
黒曜石は溶岩が急冷されて溶岩内のガラス質が結晶化したもので、割れた断面はガラスと同じように大変鋭く、古代人達は石器に利用していた岩石です。
隠岐の黒曜石は、中四国地方で唯一、石器に使用できる良質の黒曜石で、古代人たちもこの黒曜石を矢尻に使用していた歴史があります。研究では4万年前の四国の遺跡から隠岐産黒曜石の石器が発掘されており、当時の古代人たちの交流の広さを教えてくれる岩石でもあります。子どもたちは復元弓の試射を目の当たりにし黒曜石の鋭さに改めて感激したようです。
黒曜石の矢尻を使った復元弓の試射
矢尻づくりは古代と同じ方法で黒曜石の原石とシカの角と皮を使用してつくります。隠岐にはシカは生息していないので、古代の隠岐の人々が黒曜石とシカの角や皮を物々交換していた様子をうかがうことができます。矢尻づくりはシカの皮で手を保護しつつシカの角を押し当て黒曜石の表面を剥離(はくり)させていきますが、なかなかコツがつかめず四苦八苦します。
黒曜石の剥離(はくり)にはコツが必要です
古代人の技術力の高さを体験しました。古代体験として2mの火おこし器を使い火おこし体験も行いました。
声をあわせて力を合わせて火起こしです
子どもパークレンジャー1日目はこのように体験を中心に行い終了しました。
子どもパークレンジャーおつかれさまでした