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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

自然観察会「みんなで作ろう!磯の水族館」開催!

2013年08月02日
広島
夏になると無性に海に行きたくなりますよね。
そのご期待にお応えして、
夏休み最初の週末に広島市南区元宇品で
磯の自然観察会を開催しました。

元宇品は市街地から南へわずか5キロ。
バスや市内電車でも行けて手軽に自然を楽しめる数少ない国立公園の1つです。
原生林が残っており、植物やキノコの観察も楽しめますが、
磯にも多様な生き物が生息しています。
今回はどんな生き物がいるのか皆で採集し、
小さな水族館を作ることにしました。

[生き物探し開始!]

磯は波に流されないように岩に付着した生き物がたくさんいます。
まずは岩場で見られる生き物を探しました。
磯の付着生物といえば!?
やっぱりイソギンチャクではないでしょうか。
元宇品では3種類のイソギンチャクが生息していますが、
潮間帯の上・中・下とそれぞれすみ分けをしています。

[タテジマイソギンチャク(潮間帯上)…美しい縦縞模様]
[ヨロイイソギンチャク(潮間帯中)…カモフラージュに小石を体に付着させます]
[ミドリイソギンチャク(潮間帯下)…鮮やかな緑が特徴。大潮の干潮時しか見られません]

続いて、岩場のくぼみに海水が溜まったタイドプールを探しました。
こちらには子どもたちに人気なカニやヤドカリをはじめ、
ナマコやヒトデ、小魚などが見つかりました。

[左上からウミウシの仲間、ギンポ、マナマコ、クモヒトデ]

水槽にはたくさんの生き物が集まり、
子どもたちだけでなくお父さんお母さんも普段見れない生き物をじっくり観察する良い機会になったようです。

[集まった生き物を解説]

最後に磯の生き物たちの赤ちゃんやエサとなるプランクトンを観察してもらいました。
採り方は簡単。
小魚ネットを海藻にあてて揺するだけで採集できます。
これをシャーレに入れてファーブル(顕微鏡)で観察!
初めて見るプランクトンの形や動きに興味津々だったようです。

[プランクトンの観察]

日差しが強く蒸し暑い一日でしたが、
楽しい夏休みの思い出になったのではないでしょうか。


潮のよく引く日は磯観察にもってこいです。
夏は始まったばかり!
潮見表をチェックして是非元宇品へ出かけてみてください。
ただし、磯は生き物たちの住みかです。
ひっくり返した石は必ず元通りにし、
生き物たちも持ち帰らないようお願いしますね。

※今回、観察した生き物たちも海へ帰しました。