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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 蜂蜜絞りと蜜蝋キャンドルづくり

2013年07月31日
高松
今月の体験教室は、昨年大好評だった蜂蜜絞りと蜜蝋キャンドルづくり。
広報を出すと早い内に定員となり、キャンセル待ち続出の大人気教室です。
昨年のようす↓↓(2012年7月30日、31日の記事)
http://chushikoku.env.go.jp/blog/setonaikai/a-takamatsu/index_4.html

講師は同じく五色台麓にある中田養蜂さん。
今年も蜂おじさん、女王蜂、働き蜂のお兄さんの3名に来て頂き、ミツバチの働きや蜂蜜絞りのレクチャーなどいろいろ教えて頂きました。


中田養蜂さんをご紹介

今年も分かりやすいパンフレットや養蜂道具を使って参加者にお話。
さて、ここでミツバチに関する〇☓クイズ!
①女王蜂はその名通りメスですが、働き蜂は主にオス?
②蜂蜜を採る巣板には、蜜だけでなく幼虫も一緒に入っている?
③産卵するのは女王蜂ですが、実はオス・メスの産み分けができる?
    さぁ、どっち? 答えは最後に。

ミツバチのことを知った上で、実際に蜂蜜絞りをLet′s体験!
巣箱から蜜の入った巣板を取り出します。
実際は巣板1枚に約2000匹のミツバチがいるので、先に燻煙器の煙でミツバチを静めてから巣板を取り出します。
巣板には蜜がたっぷり詰まっているのでずっしり重い!気を付けて持って。


巣板両側の蜜蓋をこそぎ取ります

簡単そうに見えて難しいこの作業。
「蓋を取るだけならごっそり取ってしまえば」と思わず刃を入れすぎてしまう参加者もいますが、そうすると一緒に巣を壊してしまい、補修するミツバチ達にとっては一苦労。蜜自体も遠心分離器に入れる前にこぼれてしまい勿体ない。
写真の女の子は初めて蜜蓋を取りましたが、上手に蓋だけ取れていました。
ノコを引くような作業が日曜大工に似ているのか、上手く取るお父さんが多かったです。



上:取れた蜜蓋
下:蜜蓋が取れると溢れる蜜でいっぱい

そして巣板2枚を遠心分離器に入れて・・・


えいっ!蜜よ出てこい!

スピードが上がれば上がるほど遠心力が働くので、最後の仕上げは家族みんなで分離器を押さえて大人が力強く回します。
こちらの作業はなぜかお母さんの方が力強かったです(笑)
今でこそモーターの付いた分離器を使って採蜜していますが、その昔は手動の遠心分離器を使って蜂蜜を取っていました。体験だからこそ楽しいですが、大量の蜂蜜を採取するとなると・・・手動だと大変な作業です。

今回の参加家族は11組。
4家族毎に蜂蜜絞りするので、その待ち時間は何をしていたかというと・・・


今年も働き蜂のお兄さんに聞いてみよう

やはり養蜂の仕事やミツバチをじっくり見ることは少ないようで、女王蜂を探したり、透明ケースに入った巣板を観察したり、またミツバチについて色々質問していました。
透明ケースに入っている程度のミツバチの数だと女王蜂も探しやすいのですが、さずがに何万匹ともなると養蜂家でも探すのは至難の業なので印は付けているのだそう。

蜂蜜を取り終えたら、みんなお待ちかね


取れたての蜂蜜を瓶詰め。もちろんお持ち帰りです♪

蜂蜜の甘~くいい香りが会場に広がります。
そして今回も中田養蜂さんから嬉しいプレゼントが。


4種類の蜂蜜を食べ比べてみました

アカシア、みかん、レンゲ、ビワの4種類を食パンに付けて頂きました。
この中でもビワは冬季に花が咲き、それ以外に咲く花はないため純粋な蜜が取れます。ただ、気温が低いためミツバチの活動も弱まり、蜂蜜自体の粘度も高くなるため手間がかかるのだそう。
みんなで採蜜した蜂蜜は、主にタマネギの花から採られたものになるのだそう。タマネギの蜂蜜なんて初めてです。
種類によってオススメの食べ方があるので、お気に入りの蜂蜜を見つけたら中田養蜂さんに聞いてみるといいでしょう。

蜂蜜絞り体験後は、巣を形成している蜜蝋を使ってキャンドルづくり。
この蜜蝋もミツバチの腹部から出ているものです。



キャンドル芯になる糸に溶けた蜜蝋を付けて乾かすを繰り返します。
この日はいつもより涼しかったこともあり、順調にキャンドルができあがりました。
ハリガネでキャンドル立てを作って、耐熱ガラスの器に固定しキャンドルを挿したら完成です!


今年のキャンドルは大きなものができました!

花の咲く時期によって店頭に並ぶ蜂蜜の種類も変わるため、その時期の旬を味わえるのも特徴のひとつ。
蜂蜜だけでなく、私たちが食べている果物や野菜にもミツバチの受粉の働きがあってこそ美味しいものができているのです。
私たち人間はミツバチからたくさんの恩恵を受けていることを知った体験教室でした。

             【〇☓クイズの答え】
①☓ 働き蜂は全て女王蜂から生まれたメス蜂。
   メス蜂ですが卵は生まずに、若い時は巣箱の中で幼虫の世話や巣作りをし、
   その後、外勤蜂として蜜や花粉を集めます。

②☓ 自然な状態の巣だと幼虫と一緒になっていますが、養蜂の場合は巣板ごとに
   幼虫だけ、蜜だけというふうに人工的に分けているのです。

③〇 働き蜂(メス蜂)の巣部屋はオス蜂より一回り小さく作られています。
   女王蜂はそのサイズを計って卵を生み、働き蜂(メス)には精子をかけ、
   オス蜂には精子をかけないといった風に生み分けができます。
   よって、オス蜂にはお父さんがいないことになります。
   女王蜂はオス蜂と交尾後、体内に精子を蓄えておける袋があります。