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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

今年のミヤジマトンボは

2013年06月28日
広島
AR日記でも何度かご紹介したことのあるミヤジマトンボ。
環境省や広島県の絶滅のおそれのある野生種では絶滅危惧Ⅰ類に指定され、
国内の生息地は宮島のみに生息しています。
昨年は希少生物であるミヤジマトンボ(以下、トンボ)の重要な生息地として、
宮島西部沿岸域が広島県で初のラムサール条約湿地にも登録されました。

彼らの生息地は気象条件などの影響を受けやすい自然海岸です。
一時は台風などの影響により数を減らしていましたが、
ここ数年は比較的個体数は安定しています。

今年の発生状況はというと…
4月の気温が高かかったせいか?
例年より発生が早く、
例年の同時期に比べると倍近いトンボがすでに発生しています。

[成熟したミヤジマトンボ♂(6/20撮影)]

4年前にミヤジマトンボ保護管理連絡協議会で整備した新たな生息地では、
10頭程度のトンボが飛んでいました。
新生息地はミヤジマトンボの生息条件に欠かせない湿地を拡げ、
ヒトモトススキを一部植栽するなど整備を行いましたが、
トンボは放流はせず自然飛来を待った場所です。
翌年には数頭の飛来が確認され、
その後は新生息地での繁殖も確認されました。
昨年は一昨年よりもやや少ない数しか確認されなかったため、
今年はどの程度トンボが発生するか心配されましたが、
生息地の様子も安定しており、トンボの発生も上々のようです。

今年も被害がなく、
新生息地にミヤジマトンボが根付いてくれることを祈ります。

[雨だったのでススキで休んでいるトンボが殆どでした]