アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【自然情報】 梅雨に見られるのは・・・何?
2013年06月18日
高松
梅雨の時期に見られる生き物って何でしょう?
カタツムリ?アジサイ?カエル?
五色台に行くと、それだけではない生き物達が見られたので少しご紹介。
前回AR日記にも書いたケムシ達。
毛があるだけで「毒がありそう」「かぶれそう」「見た目が・・・」と思われがちですが、今回はその毛無しVerです。
そう『イモムシ』と呼ばれている生き物。
今回はそんな彼らに注目です。
【ウスタビガ】ヤママユガ科
大崎山園地展望台への遊歩道上にいました。黄緑色の体なのでよく目立ちます。
ウスタビガの幼虫は大きくなるにつれ変化する観察にも面白い昆虫のひとつです。
孵化直後は黒いケムシ→1ヶ月後には黄緑で突起のあるイラガのように変身。
そのまた1ヶ月後に写真のようなイモムシ状になります。
見つけた個体の背中には黒い斑点がありますが、これは寄生痕かもしれないのだそう。斑点がない個体もいます。
夏の終わりに緑色の繭をつくりサナギになり、秋に羽化し成虫となって現れます。
「緑の繭って目立たないの?」
秋になると葉が落ち目立ってしまいますが、その頃には羽化した後。
夏の葉の生い茂る間は逆に保護色となって、野鳥からサナギを守っているのです。
この繭が穀物などを入れる袋「カマス」に似ていることから「ヤマカマス」と呼ばれているようです。
冬に比較的見つけやすい緑の繭は抜け殻ですが、中には繭に卵を産み付けている場合があるので持ち帰らずそっとしておきましょう。
歩いていて、目の前に現れたのが・・・
【イボタガ】イボタガ科
枝にしっかり掴まり葉の裏でどーんといました。
サイドにある目のような紋様がきれいです。
写真は終齢幼虫で、これも若齢から終齢にかけて変化する幼虫。
若齢期は黄緑の体に黒いボーダーで頭とおしりがオレンジ。
また触角のような角が何本もあります。
終齢に近づくにつれオレンジがなくなり、黒いボーダーも薄くなり、角は最後の脱皮を期になくなり写真の状態に。
「動かないからそのままサナギになるのかなぁ」
イボタガは土の中で繭も作らずサナギになるんです。
そしてそのまま夏~秋~冬と越冬し、春に羽化しまた産卵します。
イボタガの成虫は羽根を広げると10㎝にもなり、模様もすっごくキレイ!
簡単に言うと、トラ柄とヒョウ柄を混ぜた某地域のおばちゃん達が着ていそうな服と同じような模様です。
またフクロウを擬態した模様では?ということから英名は「Owl moth(フクロウガ)」です。これも野鳥から身を守る手段ですね。
ビジターセンター周辺遊歩道では
【ツマグロヒョウモン】タテハチョウ科
食草はスミレですが園芸種のパンジーやビオラなども食べます。
葉を食べ尽くすと地を這って移動するので、これも餌探しの旅途中でしょうか。
庭の花壇の葉が丸裸になっていたら、それは幼虫がいたのかもしれません。
幼虫はドクドクしい色合いをしていますが、成虫になるとキレイな豹紋を持つチョウになります。
【ツマグロヒョウモン】(成虫メス)
ツマグロヒョウモンのメスとそっくりなのがカバマダラというチョウ。
カバマダラは幼虫の頃、有毒成分を含むトウワタ(ガガイモ科)を食性としており、成虫もそのまま有毒成分を含んでいるため野鳥など外敵から食べられることはありません。
ツマグロヒョウモンのメスはカバマダラに擬態することで身を守っているのですね。
調べて見ると、それぞれが外敵から守る何かしらの手段を持っていることが分かりました。
そして、キレイなチョウも意外と幼虫の頃は「えっ!」と思うような姿だったり、敬遠しがちなケムシ・イモムシも成長過程がコロコロ変わったり、またキレイな繭を残してくれたり。
どうです?観察してみたくなったでしょう。
さて、今回はイモムシをお送りしましたが、如何でしたか?
やっぱりまだ苦手・・・という方のために梅雨の合間に晴れた五色台からの景色をどうぞ。
【大崎の鼻】見づらいですが、瀬戸大橋もくっきり見渡せます
【休暇村讃岐五色台】夕暮れ時
カタツムリ?アジサイ?カエル?
五色台に行くと、それだけではない生き物達が見られたので少しご紹介。
前回AR日記にも書いたケムシ達。
毛があるだけで「毒がありそう」「かぶれそう」「見た目が・・・」と思われがちですが、今回はその毛無しVerです。
そう『イモムシ』と呼ばれている生き物。
今回はそんな彼らに注目です。
【ウスタビガ】ヤママユガ科
大崎山園地展望台への遊歩道上にいました。黄緑色の体なのでよく目立ちます。
ウスタビガの幼虫は大きくなるにつれ変化する観察にも面白い昆虫のひとつです。
孵化直後は黒いケムシ→1ヶ月後には黄緑で突起のあるイラガのように変身。
そのまた1ヶ月後に写真のようなイモムシ状になります。
見つけた個体の背中には黒い斑点がありますが、これは寄生痕かもしれないのだそう。斑点がない個体もいます。
夏の終わりに緑色の繭をつくりサナギになり、秋に羽化し成虫となって現れます。
「緑の繭って目立たないの?」
秋になると葉が落ち目立ってしまいますが、その頃には羽化した後。
夏の葉の生い茂る間は逆に保護色となって、野鳥からサナギを守っているのです。
この繭が穀物などを入れる袋「カマス」に似ていることから「ヤマカマス」と呼ばれているようです。
冬に比較的見つけやすい緑の繭は抜け殻ですが、中には繭に卵を産み付けている場合があるので持ち帰らずそっとしておきましょう。
歩いていて、目の前に現れたのが・・・
【イボタガ】イボタガ科
枝にしっかり掴まり葉の裏でどーんといました。
サイドにある目のような紋様がきれいです。
写真は終齢幼虫で、これも若齢から終齢にかけて変化する幼虫。
若齢期は黄緑の体に黒いボーダーで頭とおしりがオレンジ。
また触角のような角が何本もあります。
終齢に近づくにつれオレンジがなくなり、黒いボーダーも薄くなり、角は最後の脱皮を期になくなり写真の状態に。
「動かないからそのままサナギになるのかなぁ」
イボタガは土の中で繭も作らずサナギになるんです。
そしてそのまま夏~秋~冬と越冬し、春に羽化しまた産卵します。
イボタガの成虫は羽根を広げると10㎝にもなり、模様もすっごくキレイ!
簡単に言うと、トラ柄とヒョウ柄を混ぜた某地域のおばちゃん達が着ていそうな服と同じような模様です。
またフクロウを擬態した模様では?ということから英名は「Owl moth(フクロウガ)」です。これも野鳥から身を守る手段ですね。
ビジターセンター周辺遊歩道では
【ツマグロヒョウモン】タテハチョウ科
食草はスミレですが園芸種のパンジーやビオラなども食べます。
葉を食べ尽くすと地を這って移動するので、これも餌探しの旅途中でしょうか。
庭の花壇の葉が丸裸になっていたら、それは幼虫がいたのかもしれません。
幼虫はドクドクしい色合いをしていますが、成虫になるとキレイな豹紋を持つチョウになります。
【ツマグロヒョウモン】(成虫メス)
ツマグロヒョウモンのメスとそっくりなのがカバマダラというチョウ。
カバマダラは幼虫の頃、有毒成分を含むトウワタ(ガガイモ科)を食性としており、成虫もそのまま有毒成分を含んでいるため野鳥など外敵から食べられることはありません。
ツマグロヒョウモンのメスはカバマダラに擬態することで身を守っているのですね。
調べて見ると、それぞれが外敵から守る何かしらの手段を持っていることが分かりました。
そして、キレイなチョウも意外と幼虫の頃は「えっ!」と思うような姿だったり、敬遠しがちなケムシ・イモムシも成長過程がコロコロ変わったり、またキレイな繭を残してくれたり。
どうです?観察してみたくなったでしょう。
さて、今回はイモムシをお送りしましたが、如何でしたか?
やっぱりまだ苦手・・・という方のために梅雨の合間に晴れた五色台からの景色をどうぞ。
【大崎の鼻】見づらいですが、瀬戸大橋もくっきり見渡せます
【休暇村讃岐五色台】夕暮れ時