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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

幼鳥を見かけたら

2013年06月11日
広島
事務所で仕事を行っていたある日。
朝からハシボソガラスが2羽合同庁舎の中庭を飛び交い、
「がぁ~がぁ~」「あ゙ぁ~あ゙ぁ~」とひっきりなしに鳴いていました。
エアコンが入っていないこの時期、
窓を開けている事務所ではかなりの騒音でした。
そして、その鳴き声は夕方まで続き、翌日まで…

最初はケンカかな?と思っていましたが、
飛んでる2羽はケンカをしている様子はなく、
同じ所をひたすら飛んでいました。
外を見ると、事務所前に子ガラスがいるではありませんか。

[1階事務所前に座り込む子ガラス]
巣から落ちたのか、巣立ちが早すぎたのかは分かりませんが、
飛べずに立ち往生しているようでした。

どうやら親ガラスは「こうやって飛びなさい」と
飛び方を見せながら声援を送っているようで、
子ガラスもそれに応えながら飛ぼうとはしているのですが、低空飛行止まり。
頑張って1メートルの樹上というところでした。

[何とか留まったものの、樹上でもよろよろ…]

[屋上から見守る親ガラス]
2~3日のうちに飛べないと衰弱死してしまうか、
野良猫などに襲われる可能性もありますが
人が保護してしまうと一時的に命は助かっても
生きていく術を親から学べず
結局自然界で生きていくことはできません。
これもまた厳しい自然界の掟です。

鳥たちの子育ての多いこの時期、
スズメやツバメなど幼鳥が落ちていることを見かけることがあります。
天敵に襲われ命を落とすこともありますが、
近くに親がいてエサを与えながら巣立ちを迎える幼鳥もいます。
もし幼鳥を見かけたら、
どうかそっと見守ってあげてください。

週明け出勤してみると、
ハシボソガラスの親子の姿はありませんでした。
きっと今頃飛び方やエサの獲り方を親ガラスから教わりながら
元気に空を飛んでいることでしょう!