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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

ゴミは消えない ~第34回クリーン三瓶~

2013年06月03日
松江
三瓶山では毎年ゴミ拾い活動のイベント「クリーン三瓶」がおこなわれています。今年で34回目を迎えたこのイベントに、今年も参加してきました。
この日はあいにくの雨降り、それにもかかわらず沢山の方達が参加されました。三瓶を愛する皆さんの思いを感じます。

【西の原で開会式がおこなわれました】

各所に分かれてゴミ拾い開始です。
私たちは三瓶山の麓を走る周回道路沿をおこなう事にしました。
ゴミはほとんど見当たりませんでした。三瓶を訪れる皆さんのマナーのお陰でしょう。

【雨に煙る三瓶山です。雨あしが強くなってきました。風にあおられうねるようにして降ってきます。】

ところがある道路脇の一段低くなった所をのぞき込んだ時です。そこには幾つかゴミが落ちていました。
下りてそのゴミを拾うと、他にもあるのが目につきました。そのゴミを拾っていると、草やツルに隠れて更にゴミが散らかっているのに気づきました。そして後から後からゴミが出てきて、一帯はゴミ捨て場のように沢山のゴミが散乱しているのでした。
缶や瓶,プラスチックなどのポイ捨てゴミから、行楽とは関係のない廃棄ゴミまでありました。
ゴミはみな古い物のようでした。「懐かしい~」思わず言ってしまうようなパッケージの空き缶が転がっています。ですが案外錆び付きもせず残っている物が多かったのに驚かされました。思った以上に朽ち果てないものなのですね。  

【ゴミは草やツルに絡まり地面に埋もれ見つけづらかったですし、回収するのは更に大変でした。】
軽い気持ちで捨てられたであろうこれらのゴミ。その多くはいつまでも残り続けるのです。

【この日西の原周辺は、嵐のような様相となりました。皆様お疲れ様でした!】

以前海岸の漂着ゴミ清掃をおこなった時の事を思い出します。
国立公園の美しい海岸は、冬の荒波に打ち上げられた物凄いゴミにより、見るも無惨な光景でした。
そのゴミを撤去し、海岸は見違えるほど綺麗になりました。

【目を覆いたくなるような光景ですが、けして特別な光景ではありません。】

【見違えるように綺麗になりました】
ところがです。地面には小さなゴミがびっしりと詰まっていました。地面に入り込み堆積物のひとつと化していたのです。それを目の当たりにした時、私達にやれる事の小ささと問題の深刻さを実感しました。
過去に私達が捨ててきたゴミは消えてなくなってはいません。ちゃんと地球に残って積み重なっています。
最近は昔に比べると人々のマナーが良くなりゴミのポイ捨ては少なくなってきたように思われます。それでも弁当の空,空き缶やペットボトル,吸い殻など、ゴミのポイ捨ては後を絶ちません。不法投棄といった悪質なものもあります。
今捨てられているゴミは、拾われない限りこれまでのゴミに積み重なっていきます。そして後世に受け継がれていくのです。
子供たちがこの光景を見たらどう思うでしょう。「大人達はこんなひどい事をしてきたのか・・・。」そう思われても反論できるでしょうか。
そしてこれが私達から子供たちへ受け渡す遺産なのでしょうか。

【全て取り除く事はできません。写真ではわかりづらいですが、砂を掘ってもゴミが詰まっていました。】