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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 柏餅とよもぎ団子づくり

2013年05月14日
高松
過ぎてしましましたが、端午の節句に食べるのは、そう、柏餅!
今月は旬を味わうお菓子づくり。もちろん材料も採りに行きますよー。

材料となるヨモギには、漢字が幾通りかあります。
よく使われる「蓬」の他に四方に生えることから「四方草」、よく萌え出ることから「善萌草」、またお灸に使うとよく燃えることから「善燃草」とも書かれていたようです。
漢字だけでなく用途もさまざま。
食用として天ぷらやお菓子の材料、お茶にしたり、浴槽に入れて薬草風呂。
斜面の土流れ止めの役割として緑化に使われたり、ケガや病気の生薬として使われたりと、昔から人が身近に利用してきた野草のひとつ。

そして今回作る柏餅で使うのは、サルトリイバラ。
「えっ?柏の木の葉じゃないの?」香川では柏の葉が手に入りにくかったため、その代用品としてサルトリイバラの葉を包んで使ってきました。
私の世代では柏の葉が主でしたが、少し年配の方になるとこのサルトリイバラが主流だったそうです。
では、そのサルトリイバラ。その語源は?
「猿」「捕り」「イバラ」その名通り、猿を追いやって捕まえるためのツルなんだそうです。
少しの知識を入れると、今後の作業中に「納得!」と頷ける時があるんです。

さぁ、お餅を入れる竹の器を作ったらヨモギとサルトリイバラ採りへGO!


どれが食べやすいかな~。

なるべく若く柔らかそうなものを選んで採ります。
サルトリイバラはツル状でトゲがあるので注意しながら採取。
参加者からは「サルトリイバラって根元の方がトゲが大きいんですねぇ」と。
「あ!ほんとですね!」普段歩いて見ている私たちの方が返って細かいところまで意識していないんだなぁと気付かされます。

ザルにいっぱいのヨモギ、お餅の数だけ必要なサルトリイバラの葉を持って帰ると、早速調理に取りかかります。



茎や枯れた所は除いて仕分けです。
そしてよーく洗って、サルトリイバラはザルにあげて出番までそのまま。
ヨモギは沸騰した湯の中に重曹と一緒に入れて湯がきます。重曹はアク取りの役割です。
柔らかくなったら水にさらして絞って、細かく切り刻みます。
そして、すり鉢でゴリゴリ。


  徐々にコツをつかんできました

その間に上新粉に湯を入れて練っていきます。
ツルッとモチモチした感触になったところにヨモギ投入し、さらに万遍なく練ります。よく混ざったら丸く成形します。


      茹でる前のよもぎ団子

通常お店で売られているのは全体が緑になっていますが、五色台では白地と緑の2色もようの団子です。あとは茹でたら完成です。
次に柏餅づくり。
餅だから臼と杵でつくの?と思いきや、通常食べられている柏餅もお正月に食べるお餅とは少し違いますよね?
使うのは団子と同じ上新粉。
これをマッシャー(押しつぶす時に使う調理器具)を使って練っていきます。


粘りが強いので結構な力仕事!・・・でも楽しそう☆

ツルツルに練られたら、ラップにサルトリイバラ、その上に餅を拡げて真ん中にあんこをのせて、丸ーく成形。
餅が手にくっついたりと、あんこがはみ出したりとなかなかうまく丸まりません。

悪戦苦闘の末、できたー!蒸す前は葉もまだ緑。

それを蒸していくと、よもぎ団子もそろそろ茹であがり。
こちらはきな粉をかけていただきましょう。


  竹の器に盛ったら完成です!

口いっぱいに頬張りながら「おいし~♪」

よもぎやサルトリイバラは蒸すとい~い香りがします。
一緒にいただくのはヒサカキ茶。独特の香りですが、飲むとスッキリした味わい。
年配の参加者は柏餅を食べて「これが私たちの時代の柏餅よ~」と嬉しくまた懐かしそうでした。
「まだお餅ある~?おかわりしたーい!」
と、子ども達にも大好評。(・・・晩ご飯食べられる?)
残った柏餅やよもぎ団子は、家族へのお土産として持ち帰ってもらいました。
スーパーなどで売られているスナック菓子やチョコレートではなく、旬のものを使った昔ならではのお菓子をいただくことは、その季節を味わうだけでなく、世代間コミュニケーションツールのひとつでもあるんだなと感じました。

***************6月の五色台体験教室***************
        『スーパー竹とんぼづくり』
香川県国際竹とんぼ協会会長さんに教わりながら、ナイフとヤスリを使って
屋根まで届く本格的な竹とんぼづくりに挑戦!
日 時 : 6月9日(日)13:00~16:00
場 所 : 五色台クラフトハウス
    (ビジターセンター前駐車場から木道を下りてきて下さい)
参加費 : 300円/人(保険料込)
持ち物 : 動きやすく汚れてもいい服装、飲み物等