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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

花の形も色とりどり

2013年04月25日
松山
春になり、海浜植物もたくさん花を咲かせています。
先日、松山市忽那諸島にある中島へ現地調査に行ってきました。

【フェリーからの忽那諸島を望む】

中島へは、松山高浜港からフェリーに乗って向かいます。
フェリー航路からは、運が良ければスナメリを見ることが出来るのですが、この日は風が強く波が立っていたため観察には向かず、スナメリを発見することは出来ませんでした…。残念。

【姫ヶ浜海水浴場】

現地調査を行った姫ヶ浜海水浴場ではたくさんの海浜植物を見ることが出来ました。

砂浜に生えていたカヤツリグサ科のコウボウムギ。この植物は、雄株と雌株が分かれている雌雄異化で存在する植物です。

【コウボウムギ】
上の写真からどちらが、雄株か雌株かわかりますか?答えは最後に。。。

薄紫色や黄色の花、色とりどりの海浜植物を観察していると、花の形も様々であることに気がつきます。

【コマツヨイグサ】
石の隙間に咲いていたのはコマツヨイグサ。花は、夜を待って、夕方に開花して、翌朝しぼむため、マツヨイグサと名付けられたそうです。この写真はお昼過ぎだったので、開花途中だったのでしょうか。
コマツヨイグサは、一般的に花びらと言っている『花弁』が4枚あり、1つの花弁が両隣の花弁と重なり合っています。


【ハマダイコン】
海岸付近の空き地にたくさん咲いていたハマダイコン。ダイコンが野生化したもので、砂浜に咲くことでこの名前がついたとか。ハマダイコンの花弁は4枚あり、2つの花弁が対になり十字型をしています。


【ハマエンドウ】
砂浜に咲いていたハマエンドウ。こちらは、特徴的な花の形で、花弁は5枚あります。マメ科の植物に多く蝶型花とよばれています。ちょうど今が旬で山で見かけるフジも同じ花の形をしています。

【フジ】

コマツヨイグサと同様、石の隙間に生えていたツルナ。葉は多肉質で柔らかく食用になるとか。
こちらのツルナ、葉っぱに隠れていますが、赤色で囲った部分に黄色い小さな花があるのが分かるでしょうか?

【ツルナ】
こちらの花弁は、と言いたいところですが、実はこれ、花弁ではなく『萼(がく)』と呼ばれる部分です。
ツルナは、花弁を持たない不完全花で、萼が開いたものが、花弁(花びら)に見えているのです。
萼は、花弁や雄しべ、雌しべなどを保護する役割をしています。

花の形も色々ありますね。
花びらかと思っていたのは、実は花びらではなかったとか、普段は意識していなかったけど、よくよく観察して見るとおもしろいですね。
今回紹介した海浜植物は、比較的どこの海岸でも見られ、また区別もしやすいので、海へ行った際は、探してみて下さい。

さて、始めに問題を出した、コウボウムギの雌雄、正解は…


茶色をした穂が雄株で、淡黄緑色のものが雌株でした。正解していたでしょうか?