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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

宍道湖の旅鳥 セイタカシギ

2013年04月17日
松江
すっかり春めいてきました。
黄色の菜の花が地元一畑電車の線路沿いを彩っています。
松江の街では青いイソヒヨドリが美しい声を響かせています。
ツバメの姿も見かけるようになりました。

この日の宍道湖渡り鳥調査は少し風が強かったのですが、もう冷たいほどではありません。

[宍道湖に注ぐ斐伊川の土手には野大根が花を咲かせていました]
周辺の田んぼはぼちぼち代かきが始まり、トラクターの周りをカモメ達が集まっていました。はい出してきた虫などを狙っているようです。


北へと向かう春の旅鳥を見つけました。
セイタカシギです。
白と黒の姿に長いくちばし。そしてなんと言ってもとっても長くて赤い脚が印象的です。
この鳥は日本での絶滅の危険性が高く、日本のレッドリストでは絶滅危惧種Ⅰ類に入れられています。

[なんと長い足でしょう。フラミンゴみたいに1本脚の立ち姿もサービスしてくれました。]
眠っているのか頭を体にうずめ動きません。
カメラを構えてファインダーをのぞいてみましたがシャッターチャンスは訪れそうにありません。
あきらめかけていると、ふいに起きて頭を上ました。
シャッターチャンス到来。カメラを構え直しました。ところがそうこうしているうちにまたすぐに眠りの姿勢に入ってしまいました。
ああ、残念・・・と思っていると、少ししてまた不意に頭を上げて歩き出しました。ですがまたすぐに眠りの体勢です。
ところがです。その眠ったポーズから今度はフッと頭を上げたかと思うと走り出しました。その素早い事。とても寝起きとは思えません。
そしてその長いくちばしでなにやら地面を突きだしました。餌となる虫などをついばんでいるようです。




ですがそれが終わるとまた眠りのポーズになってしまいました。
でもどうも“まじめに”眠っているとは思えません。これはまさにポーズだけのような気がします。なぜこんな行動をするのでしょうか。
餌となる周りの虫たちを油断させるために眠っているふりをしていたのでしょうか?
もしそうだとすると、狸寝入りならぬ“セイタカシギ寝入り”ですね。

他にも宍道湖グリーンパーク(野鳥観察施設)の調査では、珍しいクロツラヘラサギが見られたそうです。
この季節は普段見る事が出来ない、北に向かう旅鳥をひととき見る事ができるチャンスかもしれません。

[こちらも春と秋の渡りの季節に見られる旅鳥のシマアジです]