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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

屋島を歩こう!知ろう!きれいにしよう!

2013年03月26日
高松
「3月16日」何の日かご存知ですか?
これは昭和9年に阿蘇、霧島、瀬戸内海が日本で最初に国立公園に指定された日です。
この日を記念して、香川県と高松市主催で屋島ウォークイベントが開催されました。
この日の一般参加者はなんと100名以上!
また土曜日とあって親子連れも見られました。

まずは集合場所にて念入りに準備体操して、班ごとに出発です!
今回も浦生(うろ)と呼ばれる地区から山上へと続く登山道を登ります。
この登山道は麓の住宅地を抜けて登山口が現れるので、あまり知られていないようです。この日、初めて知った方も多かったのではないでしょうか。


   舗装道とは違った感覚で新鮮です

少し急だったり、石を伝って登ったりと子供達にとっては少し冒険のよう。
そんな登山道ですが、その昔、ここは山上とつなぐ生活道だったそうです。
ここを登り下りして、必要生活品など運んでいたんだと想像すると・・・
毎日の苦労の様子が想像できます。
また脇には屋嶋城城壁跡がみられるので、歴史好きにも興味深い登山道です。

南嶺山上に出ると、桃太郎茶屋前の展望広場で少し休憩。
少し霞みがかっていましたが、女木島~男木島、そして高松市街地を一望できます。
ここからケーブルカー山上駅への途中に、古代山城「屋嶋城(やしまのき)」城門修復地があります。
ここは普段、一般の人の立入を禁止していますが、今回は屋島の歴史を知ってもらおうということで担当者に解説してもらいながら見ることができました。


高松市文化財課:渡邊さんによる解説

修復された城門跡をよーく見ると・・・



茶色の石と青っぽい黒石が見えますよね?
茶色の石が屋島から出土した石で、青っぽい黒石は坂出などから新しく運んできた石なのだそう。
これらを使って出土した石を元の位置(番号が振られています)へ、足りない部分や割れて使えない部分には新しい石を当て込んでいきます。出土したけど小さくて使用できなかった石は、城門上に積み上げているそうです。
また構造から朝鮮半島の様式が入っていることが分かったのだそうです。

ここを出て南嶺山上最南端・冠ヶ嶽~三角点~北嶺へと進みます。
歩道脇にはヤブツバキが咲き、目も楽しませてくれます。
お昼休憩後は香川県里山ボランティアガイド組合顧問・林さんによる屋島の成り立ちについて解説いただきました。
学校では教えてくれない屋島の深いお話を聞くことができました。


固くなく、笑いのあるお話は人気です

林内の遊歩道を抜け、北嶺山上最北端・遊鶴亭で瀬戸内海を眺めます。
国立公園に指定された備讃瀬戸の多島美景観を望む、ARも一押しの展望地です。
そしてここから長崎の鼻へと下りる遊歩道が難所。
急勾配あり、岩場あり、滑りやすい場所ありです。



長崎の鼻までの道中には、凝灰岩石切場跡の洞窟や鯨が流れ着いたとされる鯨大明神などの遺跡も見られます。
香川には石切場が多くあり、そこの石は今どこで使われているのだろうといろいろ想像させてくれます。

そして、長崎の鼻に到着。受付でもらった軍手を手にしビーチクリーン。


ここは潮の流れと海風の影響でゴミが流れ着きやすい場所。
可燃・不燃に分け、大きな発泡スチロールから小さな吸い殻まで拾います。
小さな女の子はゴミ拾いに夢中になったのか、いつまでたっても見つけては拾い上げてくれました。

そして、地元・元気YASHIMAを創ろう会の温かい飴湯のお接待。
ショウガとちょうどいい甘さが疲れを吹き飛ばしてくれます。
地元の協力があってこそこの行事が成り立っているのだなと、つくづく感じました。
参加者の方も「屋島を十分満喫できる日!」と満足して頂けたようです。
舗装されたコースではなく、しっかり屋島を感じ取れる歩道を歩き、また史跡探訪、清掃と盛りだくさんの行事でした!


2週間前にもクリーン作戦をしましたが、まだこんなにも残っていました。
みなさん、ありがとうございました!