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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

近くで見られる野鳥たち

2013年02月27日
高松
今年の冬は例年より寒く、早朝の気温が氷点下になる日も多々。
そして例年に比べ、今年は多いなぁと感じるのが野鳥たち。
今回は身近に見られ、特徴も分かりやすい野鳥をご紹介。

まずは冬になるとよく見られるのがコチラ。


【ジョウビタキ(雄)】ツグミ科

額~後頸までが灰白色もしくは見え方によっては銀色にも見えます。
この写真では少し青味がかったようにも見えますね。
腹部は橙色で羽根と顔~前首元が黒く、白斑があります。
鳴き声は自転車のブレーキ音を短くしたような「ヒッ」「キッ」や「カッ」という打撃音のような声がします。この甲高い鳴き声と打撃音のような鳴き声から火打ち石を叩く音が連想され「火焚き(ヒタキ)」、そして「尉(ジョウ)」は銀髪を意味し、後頸部の銀色に例えられたようです。
人間も男女で見た目が違うように、鳥にも雄と雌とで違うものもいます。
クジャクもそうですね。大きく派手な羽根を持つ雄と違い、雌は結構地味。
このジョウビタキも雄と雌とで色合いが変わります。


【ジョウビタキ(雌)】

雌は、腹部が薄い橙色、頭部、羽根は暗褐色で羽根には白班があります。
見た目は雄より控えめですが、その可愛らしい姿が好きという方も多いです。
ジョウビタキは繁殖期は中国東北部辺りで過ごし、それ以外の秋季~春季には日本~インドシナ半島北部辺りで越冬する冬鳥です。
市街地~農地~低山など開けた場所で見られ、警戒心が薄いのか意外と近くまで寄ってくる身近な野鳥のひとつです。

屋島だと山頂南端・冠ヶ嶽へ向かう途中や北嶺遊歩道を歩いていると
何やら音が聞こえてきます。
その音が聞こえてくる場所を探すと・・・


【コゲラ】キツツキ科

「タラララッ」と木を突く音が聞こえたら、それはコゲラかもしれません。
翼の黒褐色と白の縞模様と「ギィーッ」という鳴き声が特徴。
留鳥で平地や山林、最近では都市公園でも見られる場所もあるようです。
枯れた木や枝に穴を開けて巣を作ったり、樹木の表面から餌をついばんだりしています。
雌雄の識別は頭頂部に赤斑点があるのが雄ですが、なかなか頭頂部を見せてはくれません。
またコゲラは日本に9種類もの亜種がおり、羽根の黒褐色の濃淡で識別するそうですがよーく見ないと区別がつきません。

そして、もうひとつ分かりやすい野鳥を。


【メジロ】メジロ科

喉~上胸が黄色、胸~腹部は白色であとは暗黄緑色をしており、その名前とおり目の周りに白くアイラインが入っている野鳥です。
色がウグイス色ですが、実はウグイスはそんな色じゃないんですよ。
また写真があればご紹介しますね。
メジロは「チー、チー」と鳴き交わす声がよく聞こえ、比較的警戒心が薄く近くまで寄ってきてくれるのでよく観察できます。
江戸時代より鳴き声を競わせる「鳴き合わせ」という道楽が流行り、最近まで一世帯一羽まで飼養できる野鳥でしたが、2011年より禁止となりました。
これは、囀りを習わせるために巣立つ直前のヒナを網で違法に捕獲したり、囀る雄のみ残し雌は処分してしまうなどの問題が多く発生したことが大きな要因のようです。また国外から輸入した亜種と日本産を掛け合わし、国外産と偽っている良からぬ業者などもいるようです。

【環境省HP 野生鳥獣の保護管理】
http://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort3/index.html

野鳥は少し離れた所から邪魔しないようこっそりと観察しましょう。
そうすると次第に鳥たちから寄ってくることもあるかも!?
またその季節にしか見られない野鳥はまさに旬のもの。
そして五色台ビジターセンターでは来月、季節のクラフト教室で野鳥観察会を行います!
詳細は以下の通りです。興味のある方はぜひ申込ください。

*************3月の季節のクラフト教室*************
        『野鳥観察&巣箱づくり』
初めてさんでも大丈夫!みんなでバードウォッチングをしましょう。
その後は巣箱を手作りし、自宅の庭にかけて小鳥を呼ぼう!
日 時 : 3月24日(日)9:00~12:00
場 所 : 五色台クラフトハウス
     (ビジターセンター前駐車場から木道を通ってきて下さい)
参加費 : 500円/セット(保険料込)
持ち物 : 汚れてもいい服装、温かい飲み物やカイロなど防寒対策
※安全管理上、遅刻された方は参加をお断りする場合があります。