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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

宮島の有毒植物

2013年02月22日
広島
まだまだ寒い日が続きますが、
このごろ虫の羽音が聞こえたり、春の野花が咲き始めたりと春の訪れを感じます。

樹木はまだまだ冬芽にエネルギーを貯めて眠っている木も多いですが、
宮島で春一番に花をつけるのが“アセビ”という低木です。
アセビは馬が食べると苦しむことから「馬酔木」と書き、
その由来からも分かるように有毒植物です。
シカが多い宮島では食べられることがないため、
至る所で目にすることができます。
かわらいらしい白い花をたくさんつけていました。

[アセビの花]

そして、アセビにならんでよく見られるのが“シキミ”(シキビ)です。
地域によっても異なりますが、
墓前仏前にするお供えする木として私たちには馴染みのある木ですね。
古くは密教(真言宗など)の宗教行事に使用されたことから、「樒木」と書きます。
シキミも宮島に多く見られる理由はやはり有毒植物だからです。
特に実の毒性が強いのですが、
この実がスパイスの八角に似ているため、間違える方も…
死に至る場合もあるほどの有毒と言われていますので
宮島で八角らしきものを見つけても絶対に持ち帰らないようご注意ください!

[早くも開花したシキミの花を一輪発見!他はまだつぼみでした]

毒は植物の生きる知恵。
自分たちの種を残していくためなんですね。

紅葉谷公園や要害山など市街地に近い山側では
この2種の樹木がよく見られます。
桜より一足先に花を見たいわという方、
是非足を運んで見てください。