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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

国立公園管理のお仕事-枯損木伐採-

2013年01月31日
高松
大寒波が来たかと思ったら、日中暖かい日が続いたりとコロコロ変わる
最近のお天気。
瀬戸内も先週末は特に強風で、高速艇は終日欠航、フェリーも客室ガラスに波が打ち付けるという大荒れのお天気でした。

そんな寒波が続く今週初めに屋島北嶺の枯損木の伐採を行いました。
屋島の植生はウバメガシやヒサカキなど常緑樹が多く、冬でも緑が見られます。
その中にヤマザクラやコナラ、ヤマハゼなどもあります。
そんな木々もずーっと丈夫に育ってくれればいいのですが、やはり寿命はあるもの。
樹木は枯れてくると樹皮が大きく剥がれたり、枝が簡単に折れやすくなったりと遊歩道を利用する人にも危険が伴います。
そこで毎年1回行っているのが、利用者に影響があると思われる枯損木を伐採するという業務。
細い枝や高枝切りハサミが届く範囲なら私たちにもできるのですが、チェーンソーやクレーンがないとどうにもできない大きさの樹木は業者さんにお願いしています。

主に伐採対象となるのは、倒木や折れ枝があると遊歩道の利用に支障をきたす樹木です。
保護官と遊歩道をキョロキョロしながら、
「これはまだ生きている」「雨風の強い日が続くと危ないかも・・・」など相談しながら決めていきます。


樹木を選定し、幹周、樹高、樹木名などを記録(初秋頃)

キノコが生えて樹木が腐っているもの、マツクイムシ※1(正式名:マツノザイセンチュウ)によって茶色く枯れてしまったマツなどを伐採します。
伐採方法も根元から切る場合、枯れた枝は切り、生きた枝は残す方法など樹木の状態によって決めます。
利用者の安全確保は大前提ですが、やはり生きている樹木はそのまま残して、また花や実を付ける様子をみんなに見てもらいたいのです。

伐採時期は台風襲来が収まる晩秋~冬。
樹高の高いマツなどはこんなふうに伐採していました。
(もちろん業者さんです)


クレーンに吊られた作業員さんが上から枝を切り落としてから

幹を2~3mずつに切り、クレーンに取り付けて下ろしていきます。

木をそのまま倒すには場所が狭く安全確保ができないような場所では、このようにして伐採が行われています。
今回初めて間近でクレーンを使っての伐採を見て、林業従事者の技術や作業の早さに感心しきりでした。

作業は2日間で終了し、利用者の方にはご不便お掛けしましたが、
少しリフレッシュした屋島をまた楽しんでいただければと思います。

(※1)マツノザイセンチュウ
マツノマダラカミキリに媒介する体長1㎜にも満たない線虫。
         詳しくは林野庁HPに
http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/matukui.html