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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中海の漁名人!? ミサゴ

2012年12月17日
米子
ラムサール条約にも登録されている中海は、
西日本でも有数の渡り鳥の飛来地です。
米子自然環境事務所では、その渡りの時期に合わせて
野鳥の生息状況調査を行っています。
これは、近年問題となっている鳥インフルエンザに備えるため、野鳥の飛来状況の把握や異常が発生していないか監視することを主な目的としているものです。

本格的な渡り鳥のシーズンを迎えた中海では、
カモ類やその他の野鳥など、
たくさんの鳥たちを見ることができます。

今回は中海でも随一の漁の腕前を持つミサゴについて、
ご紹介したいと思います。

ミサゴはタカ目タカ科に属する猛禽類の鳥で、
トビよりも少し小さいくらいの大きさです。
頭頂部を含め全体的に白い顔立ちですが、
目の周りから後ろにかけて、茶褐色の模様が入っているのが特徴です。
昨日も、水面の杭の上に留まっている姿を確認することができました。
しかも、漁の直後だったようで、鋭い爪でしっかり獲物を捕らえていました。
その後も周りの様子を伺いながら、杭の上で食事をしていました。


爪でしっかり魚を掴み、鋭いくちばしでついばんでいました。


食事中も周辺の監視に余念がありません。
スコープ越しに目が合うと、迫力があります。

ミサゴは魚を主な餌としていて、
水面を低く飛びながら、鋭い爪で魚を捕まえます。
広く全国で繁殖する鳥なのだそうですが、
近年その生息が危ぶまれており、
環境省レッドリストでは、準絶滅危惧種に選定され、
島根県レッドデータブックでは、絶滅危惧Ⅱ類に選定されている鳥でもあります。
営巣場所となる、餌場を取り巻く海岸端の高い崖や、高木などが少なくなり、
鉄塔などの人工物に巣を作る姿も確認されているようです。

水面に仲良く浮かぶカモたちより少し高い場所から
水中の魚を狙う孤高のハンター、ミサゴにも是非注目してみて下さい。



コハクチョウも定点ポイントから確認できました。


◎野鳥との接し方についてのお願い◎
1.死亡した野鳥には素手で触らない。
2.野鳥などの野生動物の排泄物に触ったら、手洗い・うがいをする。
3.野鳥に近づきすぎないように心がけ、楽しく観察してください。