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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

「みつけてみよう!植物の不思議 森の役割」in似島

2012年11月30日
広島
広島湾に浮かぶ似島(にのしま)は広島市にある唯一の有人島。
そして、似島の安芸小富士(あきのこふじ、標高278m)は瀬戸内海国立公園に指定されています。
今回は安芸小富士を登りながら、瀬戸内の植物について知ってもらおうと
七塚原自然体験活動研究センターの西村先生を講師としてお招きし、
植物観察会を開催しました!
当初、11日開催予定でしたが、生憎の雨。
18日は順延にも係わらず、たくさんの方が参加してくださいました。

広島港から目と鼻の先に見える安芸小富士。
形が“富士山に似ている”ことから「似島」「安芸小富士」という名がつきました。
中区富士見町もこの安芸小富士がよく見える町だったことからその名前がついています。
(今はビルで見えませんが…)

[広島港から見える安芸小富士]


この時期森でよく目にするものといえば、
やっぱりドングリです!
ドングリと一言で言っても、日本には20種類もあります。
毎年花を咲かせて実になるのかと思いきや、
11種は2年かけてドングリになるんだよ、と西村先生。
そして、食べられるドングリはマテバシイ、スダジイ、ツブラジイ、シリブカガシの4種。
皆で早速拾い集めてかじってみました。
渋いイメージのあるどんぐりですが、味はどうだったでしょうか?

[ドングリ拾い]

[左上から時計回りにマテバシイ、シラカシ、アベマキ、スダジイ]


登山道を上がると、
ヤマハゼが真っ赤に紅葉していました。
普段はかぶれの木として植物観察には注意が必要ですが、
紅葉した木はかぶれないようで、
近種のヤマウルシやヌルデなど手にとって観察することができました。

[左からヤマウルシ、ヌルデ、ヤマハゼ]

[ハゼの実はロウソクの原料として使われていました]
ヌルデは公園などでもよく見かけますが、
枝先に実のようなものを発見!
と思いきや、ヌルデシロアブラムシによって膨らんだ葉でした。

[この中にアブラムシが…]

そのほか、樹液を男性の整髪剤として使用されていたビナンカズラや
牛の鼻輪に使用されたいたカマツカなど約50種の植物を観察しながら、
お昼過ぎには山頂に到着!
山頂からは広島市内と多島海が見渡せました。

[北側:中四国一の街もこうしてみると意外とコンパクト]

[南側:右に見えるのが宮島]

山頂では、西村先生から保水力など森の役割の話があり、
植物だけがたくさんあっても“森”とは言わない。
植物や動物などの集合体が森なんだという話が印象的でした。

近すぎて意外と知られていない似島。
市街地からわずか20分で自然いっぱいの島です。
なかなか山登りするチャンスがない方や車がない方でも
気軽に広島の自然を楽しめると思いますよ!

[絶景ポイント!急斜面もあるので運動靴でお越しください]

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★参加者募集★
第18回瀬戸内エコツアー
~しまなみクルージング&太平山登山in佐木島~
日時:12月9日(日) 9~17時
集合:竹原市忠海港
申込:大久野島ビジターセンター 0846-26-0100
三原市に浮かぶ佐木島をご存じですか?
サイクリングや登山で今人気の島です!
急勾配の山を登れば、360℃のパノラマが見渡せます。
先着順ですので参加希望の方はお早めに☆
詳細→http://chushikoku.env.go.jp/to_2012/1113a.html