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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

〔三崎小学校環境学習〕H24-7「行者山の生きもの観察」

2012年11月08日
土佐清水
11月6日、三崎小学校での環境学習で三崎小学校のすぐ近くにある山“行者山”にて山の生きもの学習を行いました。標高355mほどの山ですが、三崎地区と竜串湾が一望できる場所です。
前日に雨が降りましたが次の日の山歩きには特段影響のない程度。当日はきれいな秋晴れでした。
海・川と学習を進め、今回から山の学習に入っていきます。
講師は、当所のアクティブレンジャーである私が行いました。
まずは山腹にあるパラグライダー離陸地を目指します。
山へ入る前に危険事項などの注意と約束事項を伝え、ケガのないようにみんなで準備運動をし、手始めに林道を進んでいきました。
歩いて行くと所々花も咲いています。

ナンバンギゼルとツワブキ
天気も良く暖かかったせいか、両生類も道に出てきていました。

アカハライモリの幼体とシュレーゲルアオガエル

動物のもの、植物のもの、森の中にはあらゆる落とし物があります。
足下にクリのイガが落ちていれば、周りを見て落とし主であるクリの木を探したり、浮き上がった土の山のモグラのトンネルや食痕に糞等々…。

森の落とし物さがし

ゆるゆるの糞を発見し、少しだけ棒で探ってみると、オレンジ色の実のような物が含まれていました。
あたりを見回してみると、近くに柿の木がありました。
この木の柿を食べたのでしょうか。
動物はなかなか日中に目撃できることが少ないので、今日ばかりは動物の気配を大いに感じられる“糞”だってお宝です。
ウオーミングアップはここまでとし、今度は、大きな岩やスオウチク(昔境界線の目印として植えられた)の脇をすり抜け、シダ等で覆われた道を進みます。ケモノ道です。

4つ足でケモノ道を進む。
児童達は、動物の通る道が自分たちの想像を超えた急勾配に驚きつつも、動物のように4本足となりよじ登っていきました。
ケモノ道だけあって、シカやイノシシ、タヌキなど様々な動物の糞がありました。

それらをどんな動物がどんなものを食べているのか考えます。
日中なかなか姿を見ることができなくても、シカ、イノシシ、タヌキ、ネズミ、イタチの仲間など様々な動物が、この場所に暮らしていることが分かります。

山頂のお社参り
今回の学習でお邪魔している行者山の山頂にあるお社へ、安全に下山できるようみんなでご挨拶に行きました。

パラグライダー離陸地として切り拓かれた場所は、やや肌寒い風とススキで秋をより一層感じさせていました。
ここで三崎地区や千尋岬、竜串湾(見残し湾)などを眺め、お弁当を食べてから下山しました。

竜串湾一望

まとめに動物の骨を観察

骨に触れる

今年度の三崎小5年生の環境学習も後半になってきました。
次回は竜串湾流域で行われている針葉樹林の間伐現場の見学と間伐体験です。

※写真の一部を三崎小学校より提供いただきました。