ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2012年10月

15件の記事があります。

2012年10月10日気をつけたい動植物

瀬戸内海国立公園 松山 齋藤明光

晴天、秋晴れのある日、国立公園の巡視を行っているときれいな花を発見。

クマツヅラ科ランタナ

庭や街中でも見かけることの出来る常緑低木クマツヅラ科のランタナです。
別名「七変化」。花の色がアカ、ピンク、オレンジ、黄色と色とりどりに変わることから名付けられたそうです。
きれいな花ですが、南アメリカ原産で日本には観賞用として持ち込まれた帰化植物。
そして、「被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物」として要注意外来生物リストの記載種でもあります。
近くの住宅に植栽されている種が飛来したのかここでは1株しか生えていませんでしたが、小笠原や沖縄などで野生化していることから、今後気を付けて観察しようと思います。

そんなランタナを観察していると後方から、「ブ~ン」と何やら嫌な音が・・・
と思うと今度は、「バチバチ」と羽根をならして何かと戦っている様子。
振り返って見てみるとクロマツからなにやら黒いものが落ちてきました。

何か昆虫が絡まっている?

近くで見てみると、クモとハチでした。
クモの巣に絡まっている様子もなく、お互い必死に戦っていました。ハチはおしりの針でクモを襲い、クモは手足を器用に使いハチを押さえ込んでいました。

クモが必死でハチを押さえ込んでいます

するとまもなく、、、


クモが動かなくなってしまいました。
ハチはと言うとその場からまた「ブ~ン」と音をさせ、その場から飛び去ろうとしていました。

クモバチ(ベッコウバチ)科ベッコウバチの仲間
調べてみると、クモバチ(ベッコウバチ)科ベッコウバチ仲間でした。
ベッコウバチはクモを専門に捕らえ、殺さず神経を麻痺させて仮死状態のまま巣穴に持ち帰ります。そしてその中に卵を産み付け、幼虫の餌にするそうです。

昆虫やクモを捕らえる肉食系のハチを総称して狩りバチといい、ベッコウバチのほかドロバチやアシナガバチ、スズメバチなど多くのハチがいます。

冬に備えてこの時期は、狩りバチが昆虫やクモを狙い飛び回っています。
紅葉も見頃となり山へ登られる方も山の近くで作業する方もどうぞ気を付けてください。
ハチが近づいてきたときは怖いですが、暴れずにじっとしているか、その場から静かに立ち去りましょう。
また、ハチは黒色に攻撃をしてくるため、帽子を被り、黒い服は着ないようにしましょう。

ページ先頭へ↑

2012年10月09日【注意】 スズメバチ!!

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

この頃、黄色~オレンジ色の大きなハチを見かけませんか?

高松事務所管内では、この1週間の内に2ヶ所でスズメバチの巣を駆除しました。
それも遊歩道脇に営巣していたため、利用者になにかあってはいけないということで。
営巣場所は2ヶ所とも違ったタイプで、1つは子ども達が取り付けた鳥の巣箱の中という閉鎖的な場所。これはヒメスズメバチでした。
もうひとつは、ヒサカキの枝にくっついており開放的な場所に巣を作るコガタスズメバチ。ただ2つともパッと見ただけでは分かりづらい所で、両方とも利用者さんからの連絡でした。

こちらはヒサカキの枝に作っていた巣↓↓


上;(赤丸部分)巣があるの分かりますか?
下;(赤丸部分)エサを持って帰ってきたコガタスズメバチ

この巣は直径15㎝位でサイズとしてはまだ小さい方。
いくら巣が小さくても相手はスズメバチ。
さすがに自分たちで駆除は無理なので駆除業者にお願いしました。
巣の入り口を探して、そこに殺虫剤スプレーを何回かかけます。
ハチが落ち着いたところで虫取り網に巣を入れて揺さぶってもぎ取ります。
取った巣の中にハチが生き残っていないか確認するため分解。


この大きさの巣は2層からできていました

業者さんによると成虫には殺虫剤が効きますが、サナギや幼虫には効かないそう。なので成虫を駆除しても中のサナギや幼虫まで確認して駆除しないと、それがどんどん成虫になっていくんだそうです。


サナギになっている層

赤丸はほぼ成虫!出てくる寸前でした(汗)
ここまで成長していると殺虫剤も効くのか、何度かスプレーをかけていました。
巣の素材もミツバチとは違って固そう。。。パルプのようです。


ハチノコ

巣の一番内側にいました。
動きは可愛らしいのですが、これがあんな成虫になると考えれば・・・。
ハチノコは長野など内陸部で食べられており、貴重なタンパク源のひとつ。
見た目クリーミーな感じはしますが、どうでしょうか。

スズメバチは夏~10月いっぱいまで活発に活動しており、今の時期が一番刺される被害が多く発生しています。
その中でも特にオオスズメバチは世界最強とも言われる位毒性が強く、どう猛なスズメバチです。行動範囲は数百㎞とも言われ広範囲に動きますが、エサ探し中は人間が余程興奮させるような行動をしない限り襲ってくることはなく、また巣の近くに行ってもハチの機嫌?によっては威嚇してこない場合もあるそうです。
そしてオオスズメバチは他のスズメバチのように枝や軒先に営巣するのではなく、地中に営巣するのだそう。腐った切り株の近くや掘りやすい土がお好みのようで、近くにきれいに掘った穴(粗い土から細かい粒子の土までが掘り出されていたら確率高し!)があれば危険信号は増します。

別の場所で大型のスズメバチにまとわりつかれたと業者さんに相談すると、危ないからと一緒に見に行ってくれました。
すると怪しい場所があったようで私に
「100mを12秒で走れますか?」と。もちろん「無理!」と答えましたが、
それほどスズメバチの飛ぶスピードが速いということ。
その日は結局スズメバチも巣も確認することができませんでした。

今の時期少し涼しくなり、山歩きや里山歩きにはぴったり。
楽しいレクリエーションにするためにも危険情報を
きちんと把握することは大切なことです。
スズメバチに刺されないためにも以下のことを守ってください。

・まとわりつくハチを手で払わない。
 (巣が近くにあって威嚇しているのかも。カチカチ音がしたら警告音です!
  はらったりせず静かにゆっくりとその場から離れて下さい。)

・甘い匂いの飲食物にはきちんと蓋をしましょう。
 また食べた後は口や手を拭き取り、香水は付けない。
 (ハチは甘い匂いに寄ってきます。
  またビールも大好物です。一度生ビールにダイブされたことがあります。)

・できるだけ黒い服装でハチのいそうな山歩きなどに行かない。
 (ハチは黒いものに襲ってきます。もし目の前にハチが現れたら下を向いて
  目を守りましょう。帽子で髪を隠すのも有効です)

※スズメバチ以外にも足の長い「アシナガバチ」も毒を持っています。
 もし!ハチに刺されたらすぐに病院に行って下さい。

ページ先頭へ↑

2012年10月04日秋の蛇池の草花たち

瀬戸内海国立公園 松山 齋藤明光

日中はまだまだ暑い日が続きますが、風は心地よく、町中ではお祭り飾りが見られるようになりました。すっかり秋ですね。
東予の蛇池湿地でも秋に咲く草花がたくさん見られたのでご紹介します。

蛇越湿地(9月下旬の定点撮影より)

湿地の中に整備された木道を歩いていると、見えてきたのは一面に広がる真っ白で小さなコンペイトウ?

シロイヌノヒゲ
その正体は、ホシクサ科のシロイヌノヒゲです。
ホシクサ科には別名コンペイトウグサ(シラタマホシクサ)とよばれる種もいてコンペイトウそっくり。
また群生して開花する光景が星空のように見えることがホシクサ科の由来になったとか。
いわれてみると写真一面、星空のようにも見えますね。

近くで見ると、こんな感じ。

シロイヌノヒゲ 手前:サギソウ
手前にはシロイヌノヒゲと一緒にサギソウもきれいに咲いていました。

そのほかにも、今見頃の草花がたくさん咲いていました。

左上:ゴマクサ         右上:キセルアザミ  
左下:ナガボノアカワレモコウ  右下:コバナノワレモコウ

年4回ほど実施している蛇池湿地での定点観測ですが、今回一番多くの草花を見ることが出来ました。

また、花がいっぱい咲くとそれに集まる昆虫もたくさん。

サワヒヨドリに集まる昆虫たち

こちらもサワヒヨドリに留まる代表的なアゲハチョウが2羽。

ナミアゲハ

キアゲハ

ナミアゲハとキアゲハの見分け方は、ナミアゲハは前翅の付け根がしま模様となっているのに対し、キアゲハ黒っぽく塗りつぶされたようになっています。

赤色で囲んである部分の翅に注目 左:ナミアゲハ 右:キアゲハ

どちらも色んな場所で見ることが出来ます。花に留まったところにそっと近づいて観察してみてはいかがでしょう。

県内の湿地環境が減少する中、蛇池湿地には数多くの湿地植物が自生しています。
今回紹介した、サギソウ、ゴマクサ、キセルアザミは愛媛県の絶滅危惧種に指定されています。
草花があることによって蝶などの昆虫が集まり、生態系が成り立ちます。
美しい花や昆虫を見て心癒やされる私たちも生態系からの恩恵を受けています。
ここでしか生育できない草花を、これからも見られるように、これ以上環境を悪化させないように私たちに出来ることは何か考えて行動しなければいけませんね。

まずは、みなさんも蛇池湿地で咲いている美しく力強い草花を見てはいかがでしょうか。

ページ先頭へ↑

2012年10月03日出前講座「守ろう!広島の貴重な生きもの」

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

毘沙門台小学校の3年生を対象に、
出前講座「守ろう!広島の貴重な生きもの」を実施しました。
最初は題材とする生きものを秘密にして、
こちらが出す8つのヒントを元に子どもたちに当ててもらいました。
ヒントその1「世界に6000種、日本に200種の仲間がいます」
子どもたちからは「ええ~~~~!!」
ヒントその2「大きな仲間は10㎝、小さな仲間は2㎝程度です」
「わからんよー!」
そう言ってた子どもたちも
「肉食で昆虫などを食べます」
「子どもの頃は水の中で生活し、大人になったら空を飛びます」
など8つのヒントを言い終わった頃には全員がにんまり。
せーっので「トンボ!!」と答えてくれました。
今日は“ミヤジマトンボ”についてのお話です。

[出前講座のようす]

“ミヤジマトンボ”の名前を知ってる子どもたちは多かったのですが、
その生態についてはほとんど知られていません。
まずは幼虫から成虫になり、
黄色から青色に変色し成熟までのスライドとオスメスの違いなどを説明。
どっちがオスかわかるでしょうか?

[体のある部分の形がオスメスで違います]

そして、その後いろんな種類のトンボを実際に観察してもらいました。
班に配布されたトンボがオスかメスかを聞いてみると、
みごと全員正解!
よく観察できてますね。
川・海・湿地が全てそろった特殊な場所をすみかとするミヤジマトンボですが、
そもそも瀬戸内海で自然海岸ってどのくらいあるか知ってますか?
答えは約3割。
広島の本土側は人工海岸ばかり。
そのことを知ってか、ほとんどの子どもたちが半分以下だと答えてくれました。
自然海岸が多く残る宮島でさえ、
人が住むと埋め立てられたり、道ができたりと
川と海がつながった湿地は西側にしか残っていません。

[川と海がつながった湿地はわずか]

そして、ミヤジマトンボがずっと生きていくには私たちに何ができるのか。
トンボのすみかは皆に教えた方がいいのか、教えない方がいいのか、考えてもらいました。
皆で守っていった方がよいという意見もあったものの、
ほとんど全員が悪い人が捕りに行くかもしれないから、
誰にも教えない方が守っていけるという結論になりました。

ただし、ミヤジマトンボがどんな生きもので
どんな所にすんでいるのか知らないと
知らずにすみかを壊してしまうかもしれません。
また、広島の自然海岸には他にもたくさんの貴重な生きものがすんでいます。
彼らがこれからも今の場所で変わらず生きていけるよう、
私たちに出来ることは次の3つ!
「自然と遊ぼう!」
「自然を知ろう!」
「自然について話そう!」
今日学習したミヤジマトンボや広島の貴重な生きものについても、
帰ったらお父さんお母さんにも話してあげてくださいね。

ページ先頭へ↑

2012年10月01日マガン飛来

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

10月に入りました。お住まいの地域では中秋の名月を見れましたか?

さて宍道湖西岸の稲刈り田んぼに、6羽のマガンが舞い降りました。
9月24日、これが今年のマガン初飛来日です。
例年1週間程度の誤差範囲で初飛来日が観測されています。
今年は暑かったので遅めになるかと思いきや、少し早めでした。
マガンたちは何を基準にほぼ同じ頃にやってくるのでしょう。
この頃から日ごとに秋が深まっているような気がします。


「まだ暑いくらいの日もあったのですが、マガンたちは何で秋の訪れを感じていたのでしょう」

私が調査に出かけた2日後の26日には更に別の集団も来ており、合計41羽が見られました。
これからは堰を切ったようにたくさんのマガンがやって来ます。
宍道湖グリーンパークの調査によると、昨年度は最大で4000羽を数えました。

これからハクチョウも飛来を仕始めます。他の水鳥たちもどっと宍道湖に押しよせます。
渡り鳥たちは、一足早く宍道湖の冬の訪れを告げているようです。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ