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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

季節のクラフト教室 【雑草生け花に挑戦】

2012年10月26日
高松

朝晩の冷え込みもグッと強まり、最低気温も15℃を下回り始めました。
しかし、まだまだ日中は少し暑いくらい。
日中の暑さに油断して体調を崩さないよう気を付けましょうね。

今月の季節のクラフト教室は、身近な植物を使っての生け花。
【生け花】と聞くと「少し難しそう」「敷居が高そう」と思われるかもしれませんが、そんなことありません。剣山もきちんとした花器も使わない自分の思い付くままに飾るといった感じです。

最初にみんなで葉について遊んでみました。
さぁ、どんなことで分けているのでしょう?



下;なんの並びでしょう?

単純に考えるとすぐ分かるのですが、大人は結構凝って考えてしまいます。
答えは・・・
上写真:分かりづらいですが、葉に鋸歯(葉のフチのギザギザ)の有無
下写真:紅葉の色づき順
答えが分かると「あ。それだったの」と少し拍子抜けした声が返ってきます。
参加者の中でただ1人の小学生は答えが合っていてうれしそう。
大人ももっと簡単に物事を捉えたり、自分の思ったことを声に出してみると、そこから違ったものの見方もできるようになるかもしれませんね。

そうして、お待ちかねの花材を取りに散策しに行きます。
昨年は30分の散策時間でしたが、好評だったため今回は1時間程度歩くことに。
あらかじめ配布した植物一覧表を持って、どんな風に生けようか、お目当ての植物を探しながら遊歩道や広場を歩きます。ただ花材を探すだけでは味気ないので、五色台で活動しているスタッフから植物の名前や特徴、豆知識を教わりながらの散策。


   何が見えるの?

広場脇にあるスダジイとマテバシイ。
まだドングリが殻斗に隠れて見えないものもあれば、大きくなっているものもあり、どんなふうに成長しているかが見られます。もう少し遅い時期になると地面に落ちてしまうので、過程を見るにはちょうど良かったかもしれません。


          【スダジイ】
殻斗にスッポリ隠れているもの、3つに裂け始めたもの

スダジイは小ぶりのドングリ、マテバシイは細長い少し大きめのドングリ。
他にもコナラやウバメガシ、クヌギのドングリも見られるので違いを比べてみると全部同じ形ではないんだなって分かります。
遊歩道に入ると、ススキやカルカヤ、セイタカアワダチソウ、センダングサなどあぜ道でも見られるものから、ノブドウやイヌホオズキ、エビヅルなど山野で見られるものなどさまざまです。


あっちにもあるよ!

みんなよーく探して使えそうな花材を探しました。
普段は目に付かない小さな花に気付いたり、くっつき虫(センダングサなど)を久しぶりに見つけた大人は「懐かしいわね。」と昔を思い出したり。
植物以外にもジョロウグモやハラビロカマキリの観察、花材にはしないですがイヌビワやムカゴ、ゴヨウアケビなど食べられる実なども一緒に見て、参加者はいろいろ知ることができたようです。
そして予定していた散策時間をややオーバーしつつ、花材を持ってクラフトハウスへ戻ってきました。
実際歩いて採れたもの、スタッフがあらかじめ用意していた草花とで、
こんなに集めることができました。





    イヌタデ        ヤクシソウ
    クサギ          ガマズミ
  アオツヅラフジ         ウツギ
   ヘクソカズラ        シロダモ

これらを生けるためには器も必要。もちろん花器は五色台でおなじみの竹。
節間に穴を開けたもの、切り口を斜めにしたもの、縦使い横使いと
自分たちの好きなように、時間が許す限り数も作れます。
ノコギリやナタを初めて使う方もいましたが、危ないこともなく
「こんなふうに作りたい」などスタッフに聞きながら作業を進めていきました。


リピーター親子はノコギリ使いも慣れたもの

今回は竹が太く大きなものばかりだったので、できた花器も大きめ。
中には足を付けた背の高い花器もできあがりました。

いよいよ竹の花器ができた人から順次生け始めていきます。
剣山は使わず、散策前に水に浸したオアシスを竹の大きさに合わせて切って節に置いていきます。


     みんな集中!

生けては遠くから見て色や高さのバランスを考えたり、花器周りに置くものを見つけたりとイメージしたものに近づけていきます。
今回は花器を縦に使う方が多かったのですが、子どもは横・縦両方で生けていました。
縦に生けるとダイナミックに、横使いだと可愛らしい印象の生け花になりました。


   できた作品は力作揃い

普段雑草と呼ばれている植物にも名前がきちんとあること、よく見ると小さな花が咲いていることなどに気づく事ができた教室でした。
ただ、いくら雑草だからといっても下記のことには注意してください。
 ・根こそぎ採らない
   根から幹からではなく、必要な分だけ頂きましょう。
   ずっとその場所でその植物が見られるのも採る方次第です。
   また山も誰かの所有地ということも忘れずに。

***************11月の季節のクラフト教室***************
           【花びら・草木染めに挑戦】
  今回はサザンカやフリージアの花、ヒサカキの実を使って染料を作り、
  ストールやハンカチを染め上げていきます。
日 時 : 11月18日(日)10:00~14:30
場 所 : 五色台クラフトハウス(ビジターセンター駐車場から木道を下りる)
参加費 : 200円/人+別途布代(1枚500円~)
持ち物 : 汚れても良い服装、昼食、飲み物、ビニール袋
 ※安全管理上、遅刻された方は参加をお断りする場合がございます。
  9:50までに受付を済ませられるよう余裕を持ってお越し下さい。