アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
鴨池海岸の自然
2012年10月18日
松山
10月に入ると愛媛県は一気に祭りモード。
先週は松山で、今週は西条や新居浜で立派なお御輿を担ぐ人達のかけ声とともに、それを観覧する人々は大いに盛り上がりました。
さて、9月末に予定していた「鴨池海岸ビーチコーミング&海辺の生き物観察会」ですが、台風17号の接近に伴い中止になりました。応募者のみなさんごめんなさい。
下見の時の日記でも書きましたが、観察会でお見せしたかった鴨池海岸の自然について改めて紹介したいと思います。
本当は、みなさんに直接見て触れて魅力を感じてもらいたかったのですが、それはまた次の機会で。
鴨池海岸は、海水浴場としても整備されており駐車場、トイレ・シャワー室の他にも、園地・展望台があります。
ハマナスの実と花
海岸へ向かう途中の園地に植栽していたハマナス。実はプチトマトそっくりなのですが、じつはナス科の植物。紫色の花が鮮やかに咲いていました。
続いてこちらも園地にあったアオイ科フヨウ属のムクゲ。夏の象徴とも言えるハイビスカスと同じフヨウ属で、花は生薬としても使われます。韓国の国花にもなっています。
花:ムクゲ 昆虫:コアオハナムグリ
ムクゲの花をよくよく見ると中には生き物が・・・。
コガネムシ科のコアオハナムグリです。
私がムクゲの花を触っていることに気にもせず体毛にいっぱい花粉つけながら花粉を食べていました。
園地を通り海岸へ出ると潮が引き始めていて、色の違いから砂浜(潮上帯)と潮が引いて出来た潮下帯が一目瞭然。
潮が引いていくと潮下帯が広がっていきます
写真の右奥に見える砂浜は、潮上帯で、砂が黒っぽく見えるのが潮下帯ですね。
近づいてみると海水に漂う金色のピカピカ光るものが・・・。
海水を漂う金色の物質(クリックして拡大して見てみてください。)
もしかして砂金…? ではありません。
このあたりの地質「花崗せん緑岩」の構成鉱物である黒雲母が風化によって変質し、薄片となり海水に漂っています。それが光に反射されて金色にピカピカと光っているのです。
そのまま、奥にある磯を目指し砂浜を歩いていると、海浜植物を発見。
左:マツナ 右上:ハマゴウ
右下:ホコガタアカザ
マツナとハマゴウはたくさんの実をつけていました。ハマゴウの実は、果皮がコルク質で軽いため海水に浮き、海流によって散布されます。子孫繁栄のためいろいろな工夫をしていますね。
ホコガタアカザは名の通り、葉が矛のような形をしているヨーロッパ原産の帰化植物です。
磯へと到着。岩の表面を見るとフナムシと岩にへばりついているカキや貝しか見えませんが、石をひっくりかえしてみると、色々と生き物を発見!
左:イシマテ 右:ムラサキウニ
左のイシマテは貝殻ごと石にすっぽりと挟まっているのが分かりますか。
イシマテは、主に石灰岩の中に自らが出す酸によりに穴を開け生息します。自分から出す酸は自分の貝殻も溶かすそうで・・・。
たまたまひっくり返した石が割れて、イシマテが出てきました。写真には、石の中にいるイシマテが5匹ほど見えます。
右は石を返すと出てきたムラサキウニです。
まだまだいました。みなさんは囲ってある生き物のなんだか分かりますか?
赤丸:アカニシ 緑丸:イボニシ ピンク丸:スガイ
青丸:ミミズハゼ 橙丸:ヒライソガニ
このように、鴨池海岸では磯の生き物だけでなく、植物も地質もおもしろかったりします。
シーズンは終わってしまいましたが、また来年もたくさんの生き物に出会えるように私たちの身の回りの自然を大切にしていきましょう。
次のふれあい行事も現在企画中なので、みなさん是非お楽しみに。
先週は松山で、今週は西条や新居浜で立派なお御輿を担ぐ人達のかけ声とともに、それを観覧する人々は大いに盛り上がりました。
さて、9月末に予定していた「鴨池海岸ビーチコーミング&海辺の生き物観察会」ですが、台風17号の接近に伴い中止になりました。応募者のみなさんごめんなさい。
下見の時の日記でも書きましたが、観察会でお見せしたかった鴨池海岸の自然について改めて紹介したいと思います。
本当は、みなさんに直接見て触れて魅力を感じてもらいたかったのですが、それはまた次の機会で。
鴨池海岸は、海水浴場としても整備されており駐車場、トイレ・シャワー室の他にも、園地・展望台があります。
ハマナスの実と花
海岸へ向かう途中の園地に植栽していたハマナス。実はプチトマトそっくりなのですが、じつはナス科の植物。紫色の花が鮮やかに咲いていました。
続いてこちらも園地にあったアオイ科フヨウ属のムクゲ。夏の象徴とも言えるハイビスカスと同じフヨウ属で、花は生薬としても使われます。韓国の国花にもなっています。
花:ムクゲ 昆虫:コアオハナムグリ
ムクゲの花をよくよく見ると中には生き物が・・・。
コガネムシ科のコアオハナムグリです。
私がムクゲの花を触っていることに気にもせず体毛にいっぱい花粉つけながら花粉を食べていました。
園地を通り海岸へ出ると潮が引き始めていて、色の違いから砂浜(潮上帯)と潮が引いて出来た潮下帯が一目瞭然。
潮が引いていくと潮下帯が広がっていきます
写真の右奥に見える砂浜は、潮上帯で、砂が黒っぽく見えるのが潮下帯ですね。
近づいてみると海水に漂う金色のピカピカ光るものが・・・。
海水を漂う金色の物質(クリックして拡大して見てみてください。)
もしかして砂金…? ではありません。
このあたりの地質「花崗せん緑岩」の構成鉱物である黒雲母が風化によって変質し、薄片となり海水に漂っています。それが光に反射されて金色にピカピカと光っているのです。
そのまま、奥にある磯を目指し砂浜を歩いていると、海浜植物を発見。
左:マツナ 右上:ハマゴウ
右下:ホコガタアカザ
マツナとハマゴウはたくさんの実をつけていました。ハマゴウの実は、果皮がコルク質で軽いため海水に浮き、海流によって散布されます。子孫繁栄のためいろいろな工夫をしていますね。
ホコガタアカザは名の通り、葉が矛のような形をしているヨーロッパ原産の帰化植物です。
磯へと到着。岩の表面を見るとフナムシと岩にへばりついているカキや貝しか見えませんが、石をひっくりかえしてみると、色々と生き物を発見!
左:イシマテ 右:ムラサキウニ
左のイシマテは貝殻ごと石にすっぽりと挟まっているのが分かりますか。
イシマテは、主に石灰岩の中に自らが出す酸によりに穴を開け生息します。自分から出す酸は自分の貝殻も溶かすそうで・・・。
たまたまひっくり返した石が割れて、イシマテが出てきました。写真には、石の中にいるイシマテが5匹ほど見えます。
右は石を返すと出てきたムラサキウニです。
まだまだいました。みなさんは囲ってある生き物のなんだか分かりますか?
赤丸:アカニシ 緑丸:イボニシ ピンク丸:スガイ
青丸:ミミズハゼ 橙丸:ヒライソガニ
このように、鴨池海岸では磯の生き物だけでなく、植物も地質もおもしろかったりします。
シーズンは終わってしまいましたが、また来年もたくさんの生き物に出会えるように私たちの身の回りの自然を大切にしていきましょう。
次のふれあい行事も現在企画中なので、みなさん是非お楽しみに。