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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

〔自然観察会〕秋の風物詩“鳴く虫”の音色を聞く

2012年10月15日
土佐清水
10月13日(土)に土佐清水市教育委員会と当事務所の共催プログラム「鳴くのはだれだ?!耳で探す秋の音色虫観察」と題し自然観察会を実施しました。

ここのところ、毎回といっても良いほど観察会を計画実施する度に天候不順に悩まされました。
朝から天気の心配をしなくて良いということが何よりも嬉しい限りでした。
朝晩はだいぶ冷え込みが進み長袖は欠かせませんが、観察会当日は青空一面の快晴で日中は半袖でも大丈夫なほどの陽気でした。

9月、10月と陽が暮れるのも日に日にはやくなり秋が深まりつつある今日では、日中も夕方も盛んにどこからともなく様々な虫の音が聞こえてきます。

普段何気なく耳にしている秋の美しい音色の正体がなんなのか、どんな姿をしているのかなどを見聞きし、海岸線にいる身近な生きものを目で耳で観察していこうというもの。
今回は、高知昆虫研究会の別府隆守氏を講師にお招きしました。

14:30から日の暮れる18:30までのこの観察会に参加してくださったのは、大人子どもあわせて15名。
まずは、鳴く虫についてのレクチャ-です。

鳴く虫の奏でる音色をパソコンで流し、それぞれの耳で聞こえたように書き記す“聞きなし”をしていきました。
そして、事前に採取していただいた竜串の虫を見せていただいたり、

顕微鏡で表面の模様など細部を観察したりし、

姿を目に焼き付け、外でも各自が見つけられるようにと“虫目”を養いました。

目を養った後は出発準備を整え、早速明るいうちに竜串の海岸線を歩いて行きました。
樹上にいるもの、

草原にいるもの、

砂浜にいるものなど、

それぞれの環境にいる様々な虫を網で捕まえ観察していきました。

逃げられないように虫網に頭を突っ込んで捕らえるのがポイントだとか。

ぐるりと浜辺を一周した後は休憩も兼ねて、少しずつ暮れゆく空を見ながら持ってきた懐中電灯に赤セロハンを貼りつける作業をしました。

暗闇の中、鳴く虫を驚かせずに観察できるようにするためです。

赤いライトの準備を整え、あたりが薄暗くなる(日没)頃、再度散策へ。


赤い妖しげな光と共に浜辺で聞こえてくる虫の音色に耳を傾けながら進みましたが、5mmほどの小さなサイズの虫たちの鳴き姿を見るというのは、やはり難しく今回は音色だけ楽しみました。


子ども達は、暗闇散策にやや興奮気味でしたが、だれもケガすることなくはぐれることなく無事終了しました。

自宅の庭先でもきっと鳴いているはず。
温かい飲み物を片手に家族で秋の夜に響く音色虫観賞会を自宅で開くのもなかなか乙かもしれませんね。