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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

出前講座「守ろう!広島の貴重な生きもの」

2012年10月03日
広島
毘沙門台小学校の3年生を対象に、
出前講座「守ろう!広島の貴重な生きもの」を実施しました。
最初は題材とする生きものを秘密にして、
こちらが出す8つのヒントを元に子どもたちに当ててもらいました。
ヒントその1「世界に6000種、日本に200種の仲間がいます」
子どもたちからは「ええ~~~~!!」
ヒントその2「大きな仲間は10㎝、小さな仲間は2㎝程度です」
「わからんよー!」
そう言ってた子どもたちも
「肉食で昆虫などを食べます」
「子どもの頃は水の中で生活し、大人になったら空を飛びます」
など8つのヒントを言い終わった頃には全員がにんまり。
せーっので「トンボ!!」と答えてくれました。
今日は“ミヤジマトンボ”についてのお話です。

[出前講座のようす]

“ミヤジマトンボ”の名前を知ってる子どもたちは多かったのですが、
その生態についてはほとんど知られていません。
まずは幼虫から成虫になり、
黄色から青色に変色し成熟までのスライドとオスメスの違いなどを説明。
どっちがオスかわかるでしょうか?

[体のある部分の形がオスメスで違います]

そして、その後いろんな種類のトンボを実際に観察してもらいました。
班に配布されたトンボがオスかメスかを聞いてみると、
みごと全員正解!
よく観察できてますね。
川・海・湿地が全てそろった特殊な場所をすみかとするミヤジマトンボですが、
そもそも瀬戸内海で自然海岸ってどのくらいあるか知ってますか?
答えは約3割。
広島の本土側は人工海岸ばかり。
そのことを知ってか、ほとんどの子どもたちが半分以下だと答えてくれました。
自然海岸が多く残る宮島でさえ、
人が住むと埋め立てられたり、道ができたりと
川と海がつながった湿地は西側にしか残っていません。

[川と海がつながった湿地はわずか]

そして、ミヤジマトンボがずっと生きていくには私たちに何ができるのか。
トンボのすみかは皆に教えた方がいいのか、教えない方がいいのか、考えてもらいました。
皆で守っていった方がよいという意見もあったものの、
ほとんど全員が悪い人が捕りに行くかもしれないから、
誰にも教えない方が守っていけるという結論になりました。

ただし、ミヤジマトンボがどんな生きもので
どんな所にすんでいるのか知らないと
知らずにすみかを壊してしまうかもしれません。
また、広島の自然海岸には他にもたくさんの貴重な生きものがすんでいます。
彼らがこれからも今の場所で変わらず生きていけるよう、
私たちに出来ることは次の3つ!
「自然と遊ぼう!」
「自然を知ろう!」
「自然について話そう!」
今日学習したミヤジマトンボや広島の貴重な生きものについても、
帰ったらお父さんお母さんにも話してあげてくださいね。