中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

夏から秋へ ~三瓶山の草花~ 

2012年09月21日
松江
中国四国地方のアクティブレンジャーの仕事に、定点観測というものがあります。
これは国立公園の中で地点を決め、決まった季節に写真を撮り続け、経時変化を記録していくものです。
今回私は三瓶山を定点観測してきました。

三瓶山ではナラ枯れという現象が問題になっています。
紅葉の時期にはまだ早いに、緑の森の中に枯れ葉になった木々が点在しています。
これはナラ枯れという病気にかかり枯れてしまったミズナラなどの木々です。
現在森林管理署がナラ枯れになった木々を伐採し、燻蒸処理と言う方法で防除をおこなっていますが、それにもかかわらず被害は増えてきています。
定点観測は現在の三瓶のナラ枯れの状態、年ごとの変化、そして森がどう変貌していくのかと言った経過の記録としておこなっています。

「茶色に見みえるのがナラ枯れになってしまった木々です」

三瓶山では一足早く秋の訪れを感じられました。
涼しくなり山歩きや散策に訪れる方が増えてきました。
草原ではススキの穂が風にゆられ、ススキの海原を作り出しています。

また夏から秋にかけての花々がたくさん咲いています。
ススキ草原には秋の七草の一つ、オミナエシの黄色い花が咲いていました。
東の原の観光リフトに乗ると、マツムシソウ、ツリガネニンジン、シシウド、サワヒヨドリなどの花が点在して目につきました。
麓でも山の上の方でも室ノ内でもそれぞれに違った草花も咲いていて、私たちの目を楽しませてくれます。


「フシグロセンノウはもう少しで終わりでしょうか」


「今年も話題になったこれがそのナデシコです。可憐な花ですね」


「キバナアキギリ」

さて山歩きには良い季節ですが、山の天気は変わりやすいもの。
この日も天気予報は晴れ時々曇りでしたが、男三瓶山頂には雲がかかり、室ノ内でも少し雨が降りました。
まだまだ暑い下界から涼を求めて山に登ってみたら、天候が崩れて寒くて風邪を引いてしまった、なんてこともあるかもしれません。
備えは充分に、初秋の三瓶を楽しんでくださいね。


「山の上のススキ草原でもホソバノヤマハハコなど幾つかの花が見られました」


「イヨフウロ これも同じススキ草原で見られました」