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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

宍道湖の渡り鳥調査開始です

2012年09月07日
松江
9月に入り朝晩は少し涼しくなってきました。
それでも日中はまだまだ暑い日が続いています。
そんな中、毎年恒例の宍道湖に訪れる冬の渡り鳥の調査が始まりました。
(先週は夏の海中の話題でしたが、今回は一転冬に向けての話題です。)

一昨年の冬は鳥インフルエンザが各地で発生し、養鶏にも大きな打撃を与えました。
鳥インフルエンザは渡り鳥たちが外国で病気にかかり、日本に持ち込んでいるとされています。
国の鳥獣保護区でラムサール条約登録地である宍道湖は、冬期にたくさんの渡り鳥たちがやって来ます。
そこで野鳥たちの数や種類を把握し異常を早く検知するため、9月から冬の渡り鳥がいなくなる5月ごろまでの間、月3回、宍道湖の鳥ヶ崎と言う場所から野鳥をカウントしています。


「冬にはたくさんの渡り鳥が訪れ、厳しい北西風が吹く観測点も今はまだ静かです」

今シーズン初めての調査は、望遠鏡をのぞいていると汗がたらりと体を流れ落ちる、残暑の厳さを感じるものでした。
この暑さでは、冬の渡り鳥たちはまだほとんど見受けられませんでした。
ですがあと一月もすれば、北からどんどんと渡り鳥たちがやって来ます。
そして何万羽というカモたちの群れ、カモメ、マガン、コハクチョウたちが冬の宍道湖を彩る事になります。

※宍道湖をはじめ、全国各地の調査結果は環境省のホームページから見る事が出来ます。
「◆渡り鳥に関する情報」
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/migratory/index.html

ところで宍道湖では近年、夏の後半よりアオコと呼ばれる細かい藻が大量発生しています。
流れが溜まる所などでは、アオコによって湖面が抹茶のように緑に染まる時もあります。
この日も湖面全体が何となく少し緑がかったように見えました。
近年の夏の暑さが一因だとも言われています。
このアオコがもたらす自然界への影響はまだはっきりとはわかっていません。
ただ今の宍道湖の環境を表している事は間違いないのでしょう。