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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

季節のクラフト教室 【ところてんづくり】

2012年08月27日
高松
あと1週間で夏休みも終わり!の土曜日、
晴天の中、夏にピッタリの食べ物、ところてんづくりを行いました。

香川でところてんといえば・・・坂出市にある八十場(やそば)。
名物でもあり美味しいと評判の場所です。
瀬戸内で採れたテングサからところてん、また寒天を作ることに。
最初にインタープリター(以下IP)から八十場の云われ、ところてんについてのお話をし、今回の講師・好井さんから作り方を教わりました。


工作室は暑いので涼しい外で

まずは「ところてん(心太)」ってどんな漢字? テングサってどんな海藻?などクイズを出しましたが、意外とみなさんよく知っていました。
ところてんの名所・八十場のいわれはこうです。
ヤマトタケルノミコトが父である第12代景行天皇に悪魚を退治してこいと命ぜられ、88人の兵士と共に坂出沖に向かい見事やっつけたのですが、タケルと兵士全員が悪魚の毒気にかかってしまい苦しんでいました。村人達が懸命に介抱したのですがなかなか回復せず。しかし1人の子どもが八十場の湧き水を飲ませたところ次々と回復したという云われがあります。そこから『弥蘇場』=『八十場』と呼ばれるようになったそう。
また、崇徳上皇(五色台白峯寺に御陵があります)が亡くなった際、都から葬儀の指示があるまでの20日間、遺体が腐らないようにと八十場の冷たい湧き水を使い冷蔵状態にしたとの云われもあります。

ところてんの豆知識、地元の云われをみなさんに知ってもらった後、
班毎に分かれところてんを作っていきます。
           【ところてん材料】
・テングサ 60g    ・水 3.5~4l    ・酢 大さじ2

まず水を計って、鍋に入れ沸かしていきます。
その間にテングサを洗ってザルに上げておきます。


↑↑これがテングサ

参加者から「テングサってどこで売っていますか?」と聞かれ、
「道の駅などで売っていますよ」と好井さん。
確かにこの辺りのスーパーでは見たことない。離島に住んでいる方や漁師さんは採る機会が多いようで、私がプライベートでよく行く豊島でも自分たちで採って干して、各家庭でところてんを作っていました。



湯が沸騰したらテングサ、その後酢を大さじ2杯入れます。
木べらで焦げ付かないようにゆっくり混ぜながら約30分。
この時、湯気やハネで火傷しないよう気を付けて。


少し時間が経つとドロドロになってきます

これはテングサ自体が溶けるのではなく、テングサの体細胞に含まれる寒天質が溶け出してドロドロになっていくのです。
アクが浮いてきたらおたまで取っておきましょう。
30分程煮て、好井さんのGOサインで鍋を火から下ろし、
木綿でこしながらボウルへ流し込みます。
木綿に残ったところてんは木べらで挟んで十分取れるまで絞ります。



絞りきれたらボウルから四角のバットへ流し入れます。
粗熱が取れたら冷蔵庫へ。


約1時間で冷え固まります

その間にところてんを食べるための器と箸づくり。
器&箸づくりの講師 福西さんに竹の伐り方、道具の使い方など教えてもらいながらマイ食器を作ります。




器は竹を切って口が当たる所はペーパーやすりで滑らかにし、箸はあらかじめ福西さんが用意してくれた竹を小刀で削っていきます。
器の底は竹節部分なのですが、器の中底が凹になる方がところてんが隅に挟まらず取りやすいですよ。
福西さんがやっているのを見ると「あ、できそう」とみんな思うのですが、
なかなか難しい。。。
箸づくりのコツは刃を深く入れず浅く入れて削っていくことなんだそう。

そして、そろそろところてんも出来上がる頃、本日のお楽しみが☆
夏の恒例行事 スイカ割り!
これには子どもも大人も大はしゃぎ。
みんなスイカの正面まではたどり着くのですが、棒を振り下ろすと微妙にずれる。。。
「あーー!おしい!!」「もうちょっと右に体向けて!」「そこそこ!」


割れたーーーーー!!

最後にお父さんが挑戦してやっと割れました。
この後は切り分けてみんなで美味しくいただきました。
あま~いスイカにみんなも自然と笑顔に。
スイカ好きの子はどんどんおかわりしてました。
・・・お腹にところてん入る?


外で食べるスイカは美味い!

冷蔵庫を見ると、ところてんが冷え固まっていました。
ところてんつきの幅に合わせて短冊状に切って入れて押してみようー。



おいし~い♫
酢じょうゆにはレモンと胡麻を添えたら風味アップ

バット1個で約10~15人前のところてんができました。
みんなどんどん突いて2種類の味を楽しんでおかわりしていきました。
その頃、冷蔵庫ではところてんを煮出した後のテングサを集めて2番煎じで寒天を作ったのですが、まだまだ固まらず。。。砂糖が入っているせいなのか、クラフト教室が終わってもまだ緩く残念ながら参加者に提供することができませんでした。ごめんなさい!
その代わり、ところてんを使ってフルーツポンチに。


なかなかの好評でした

食べきれなかったところてんは各自持ってきたタッパーに入れてお土産に。
黒蜜や酢じょうゆ以外にも新しい味付けを発見してください。
ところてん自体のカロリーは0。
食物繊維たっぷりで夏バテしても食べられるあっさりヘルシーな食べ物。
地元名物、郷土料理を知ってもらい、また八十場にまつわる由来や云われ、そこから五色台に繋がる話も知ってもらえるいいきっかけになりました。
地元を知ることは、身近なことに気付くきっかけのひとつ。
来年の自由研究のテーマにも持ってこいですよ。

**************9月 季節のクラフト教室**************
       【段ボールオーブンでピザづくり】
手作りオーブンを使って手作りピザを焼き上げます。
アウトドア料理のバリエーションのひとつに加えてみては?
日 時 : 9月9日(日)9:30~13:30
場 所 : クラフトハウス(五色台ビジターセンター近く)
参加費 : 3,500円/1セット(5人前)
持ち物 : エプロン、飲み物、暑さ対策、汚れてもいい服装
※安全管理や進行上、遅刻された方は参加をお断する場合があります。