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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
夏休み、ラストスパート!
2012年08月17日
高松
早くも夏休み終了まで残り2週間!
楽しいことはあっという間です。
夏休みをさらに満喫するために、もうひとお出かけしませんか?
今回は小豆島をご紹介。
小豆島は、瀬戸内海で淡路島に次ぐ2番目に大きな島。
島内には岡山(宇野港、岡山新港、日生港)、神戸、姫路、高松を結ぶ7ヶ所の港があり、高速艇やフェリーの便数が多く行きやすい離島のひとつ。
最近だと「八日目の蝉」の舞台となったのもここ小豆島。
印象的な場面の「虫送り」は、寒霞渓の麓、肥土山(ひとやま)と中山で行われ、火手(ほて)と呼ばれる竹に火を灯し、「とーもーせー、とーもーせ」と言いながら水田の周りを歩き、稲に付く害虫を追い払い五穀豊穣を願う風習。
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今年7月7日に行われた中山の虫送り
昼過ぎにはアマチュアカメラマン達が撮影ベストポイントで場所取り。
このほかにも農村歌舞伎舞台や、四国八十八ヶ所ならぬ島八十八ヶ所、醤油づくり、オリーブの産地など見所は盛りだくさん。
その小豆島の真ん中に位置するのが銚子渓と寒霞渓。
この2つは香川県でも有名な観光地として知られ、年間約10万人が訪れています。
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小豆島はここ↑↑
小豆島スカイラインに沿って向かい、土庄港から約20分で銚子渓に到着。
ここには銚子渓自然動物公園お猿の国があり、ニホンザルとふれ合える場所。この園内にAグループとBグループ2つの群れが生息します。
それ以外にも野生のニホンザルが現れますが、元々園内に生息する群れがいるため肩身が狭く(追い出され?)長時間滞在はしないようです。
その園内の奥に、小豆島を360°見渡せるビューポイントが!
観光客は暑さのせいもあってか、また遊歩道があることを知らないのか行く人を見かけませんでしたが、なんと勿体ない!
そのビューポイントまでの道のりは・・・
園内奥にある赤い鳥居を目指していくと
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右に折れる遊歩道が現れます。
道なりに進むと、岩場になってきます。
滑らないよう気を付けながら登っていくと・・・
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山頂はこのように岩場が露出。
顔を上げて周りを見てみると・・・
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岡山県側(北西方向)が見えます。
瀬戸内はよくガスがかったようになるのですが、この日は数日前に降った雨があがったばかりだったおかげでよく晴れ渡り、遠くまで見渡すことができました。
ウバメガシなど常緑樹の緑と切り立った岩場、海の青が映え、
これこそ瀬戸内の風景!
また別の方向には山間の集落が見え、その間に瀬戸内を望めます。
そして県内で最もメジャーな観光地・寒霞渓。
桜の開花、紅葉シーズンには多くの観光客が訪れるため、ゆっくりとまわりたい方には他のシーズンをオススメします。
冬は、山頂の標高が612mと高いため雪が降ると辺り一面雪化粧に覆われ、また違った雰囲気が味わえます。
夏は、山頂駐車場付近でも風が吹いたり、木陰となる遊歩道の中はヒンヤリと涼が取れる場所でもあります。
遊歩道は2本あり、普段あまり歩かない方は奇岩12景が見られる表神懸遊歩道を、より山歩きをしたい!という方には奇岩8景を眺められる裏神懸遊歩道をぜひオススメします。
ここでは山頂~表神懸遊歩道で今見られる植物を少しご紹介。
山頂より少し西側にある四望頂展望地では、薄紅紫の花が見られます。
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【カワラナデシコ】ナデシコ科ナデシコ属
別名:ナデシコ、ヤマトナデシコ(大和撫子)とも呼ばれ、秋の七草のひとつ。
花は7~10月頃まで山野で見られ、私はこの花を見ると「秋が来るんだなぁ」と感じます。
すぐ近くには、鮮やかな青紫色の花を付けた草花の群落が。
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【ウツボグサ】シソ科ウツボグサ属
唇形状の花(ホトケノザやサルビアの花もこんな形)が落ちると、右写真のように花穂(かすい)が褐色になり、このことから「夏枯草(かこそう)」と呼ばれています。この花穂は利尿剤として使われるそうです。
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【オオキツネノカミソリ】ヒガンバナ科ヒガンバナ属
オレンジの花は、薄暗い遊歩道の中を鮮やかにしてくれます。
よく似た草花で「キツネノカミソリ」がありますが、オオキツネノカミソリの方が花が大形で雄しべが花被片より飛び出ているのが特徴です。
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【ツチアケビ】ラン科ツチアケビ属
(国立・国定公園指定植物)
色も見た目もパンチがあるのがこのツチアケビ。
大抵の植物には光合成を行う葉緑素があるのですが、ツチアケビは葉緑素を持たないため自分で養分を作れません。その代わり生物の死体や排泄物から菌根(ツチアケビの場合は根の中にナラタケの菌糸を取り込んで共生)を通して養分を吸い取り生育する腐生植物。
このような植物の生活様式は、寄生の一形態(死物寄生)といえます。
四季を通してさまざまな植物や景色が見られる小豆島。
本土とは違い離島にはまた違った独特の生物や文化が見られます。
せっかくの夏休み。
船に揺られて瀬戸内を眺めながら離島への旅をしてみてはいかがでしょうか。
楽しいことはあっという間です。
夏休みをさらに満喫するために、もうひとお出かけしませんか?
今回は小豆島をご紹介。
小豆島は、瀬戸内海で淡路島に次ぐ2番目に大きな島。
島内には岡山(宇野港、岡山新港、日生港)、神戸、姫路、高松を結ぶ7ヶ所の港があり、高速艇やフェリーの便数が多く行きやすい離島のひとつ。
最近だと「八日目の蝉」の舞台となったのもここ小豆島。
印象的な場面の「虫送り」は、寒霞渓の麓、肥土山(ひとやま)と中山で行われ、火手(ほて)と呼ばれる竹に火を灯し、「とーもーせー、とーもーせ」と言いながら水田の周りを歩き、稲に付く害虫を追い払い五穀豊穣を願う風習。
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今年7月7日に行われた中山の虫送り
昼過ぎにはアマチュアカメラマン達が撮影ベストポイントで場所取り。
このほかにも農村歌舞伎舞台や、四国八十八ヶ所ならぬ島八十八ヶ所、醤油づくり、オリーブの産地など見所は盛りだくさん。
その小豆島の真ん中に位置するのが銚子渓と寒霞渓。
この2つは香川県でも有名な観光地として知られ、年間約10万人が訪れています。
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小豆島はここ↑↑
小豆島スカイラインに沿って向かい、土庄港から約20分で銚子渓に到着。
ここには銚子渓自然動物公園お猿の国があり、ニホンザルとふれ合える場所。この園内にAグループとBグループ2つの群れが生息します。
それ以外にも野生のニホンザルが現れますが、元々園内に生息する群れがいるため肩身が狭く(追い出され?)長時間滞在はしないようです。
その園内の奥に、小豆島を360°見渡せるビューポイントが!
観光客は暑さのせいもあってか、また遊歩道があることを知らないのか行く人を見かけませんでしたが、なんと勿体ない!
そのビューポイントまでの道のりは・・・
園内奥にある赤い鳥居を目指していくと
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右に折れる遊歩道が現れます。
道なりに進むと、岩場になってきます。
滑らないよう気を付けながら登っていくと・・・
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山頂はこのように岩場が露出。
顔を上げて周りを見てみると・・・
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岡山県側(北西方向)が見えます。
瀬戸内はよくガスがかったようになるのですが、この日は数日前に降った雨があがったばかりだったおかげでよく晴れ渡り、遠くまで見渡すことができました。
ウバメガシなど常緑樹の緑と切り立った岩場、海の青が映え、
これこそ瀬戸内の風景!
また別の方向には山間の集落が見え、その間に瀬戸内を望めます。
そして県内で最もメジャーな観光地・寒霞渓。
桜の開花、紅葉シーズンには多くの観光客が訪れるため、ゆっくりとまわりたい方には他のシーズンをオススメします。
冬は、山頂の標高が612mと高いため雪が降ると辺り一面雪化粧に覆われ、また違った雰囲気が味わえます。
夏は、山頂駐車場付近でも風が吹いたり、木陰となる遊歩道の中はヒンヤリと涼が取れる場所でもあります。
遊歩道は2本あり、普段あまり歩かない方は奇岩12景が見られる表神懸遊歩道を、より山歩きをしたい!という方には奇岩8景を眺められる裏神懸遊歩道をぜひオススメします。
ここでは山頂~表神懸遊歩道で今見られる植物を少しご紹介。
山頂より少し西側にある四望頂展望地では、薄紅紫の花が見られます。
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【カワラナデシコ】ナデシコ科ナデシコ属
別名:ナデシコ、ヤマトナデシコ(大和撫子)とも呼ばれ、秋の七草のひとつ。
花は7~10月頃まで山野で見られ、私はこの花を見ると「秋が来るんだなぁ」と感じます。
すぐ近くには、鮮やかな青紫色の花を付けた草花の群落が。
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【ウツボグサ】シソ科ウツボグサ属
唇形状の花(ホトケノザやサルビアの花もこんな形)が落ちると、右写真のように花穂(かすい)が褐色になり、このことから「夏枯草(かこそう)」と呼ばれています。この花穂は利尿剤として使われるそうです。
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【オオキツネノカミソリ】ヒガンバナ科ヒガンバナ属
オレンジの花は、薄暗い遊歩道の中を鮮やかにしてくれます。
よく似た草花で「キツネノカミソリ」がありますが、オオキツネノカミソリの方が花が大形で雄しべが花被片より飛び出ているのが特徴です。
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【ツチアケビ】ラン科ツチアケビ属
(国立・国定公園指定植物)
色も見た目もパンチがあるのがこのツチアケビ。
大抵の植物には光合成を行う葉緑素があるのですが、ツチアケビは葉緑素を持たないため自分で養分を作れません。その代わり生物の死体や排泄物から菌根(ツチアケビの場合は根の中にナラタケの菌糸を取り込んで共生)を通して養分を吸い取り生育する腐生植物。
このような植物の生活様式は、寄生の一形態(死物寄生)といえます。
四季を通してさまざまな植物や景色が見られる小豆島。
本土とは違い離島にはまた違った独特の生物や文化が見られます。
せっかくの夏休み。
船に揺られて瀬戸内を眺めながら離島への旅をしてみてはいかがでしょうか。