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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

〔三崎小学校環境学習〕H24-3「グラスボートで竜串湾と見残し海岸

2012年07月17日
土佐清水
明けそうで明けない梅雨の最中、第3回目の三崎小5年生の環境学習「グラスボートで見残しへ!海中と奇岩観察」を7月13日(金)に実施しました。

今回の講師は竹葉 秀三さん。グラスボートを運航されており、竜串自然再生などの活動も積極的に行っておられる方です。

さっそくグラスボートへ!と行きたいところですが、まずはこれからのぞきに行く竜串湾の海中がどのように変化していったかをお話しいただきました。

保全活動10年間の歩みの話

様々な要因でサンゴが衰退しつつあった竜串湾の生態系は、平成13年に起きた西南豪雨災害により、さらに危機的な状況に陥ってしまいました。
それらを救うべく立ち上がり、サンゴ再生活動に関わってきた多くの方々。
その当時から関わってきた1人である竹葉さん自身の想いを言葉に乗せて、湾内のサンゴの衰退から海中公園指定当時(約40年前)ほどまでに再生されつつあるこの10年間余りの保全活動などを写真を見せながらお話しいただきました。

グラスボートに乗船し、話を聞きながらサンゴ観察をする予定でしたが、この日はやや波のある日だったため何名かが船酔いしてしまい下を見ることがままならない状態に…。

海中観察
また、前夜の雨で海の表層に真水の層ができてしまい、クラスボートの底面はうねうねと海水と真水の混じり合うモヤモヤがでてしまっていました。
それでもサンゴ群集の場所まで来れば、サンゴやその周りを遊泳するソラスズメダイやニシキベラなどの小魚類、その隙間に見え隠れするウツボやミノカサゴ・ウニなどを見ることができ、児童も先生も興奮でした。

見残し海岸に上陸し、奇岩の上を歩いていきます。
早々に児童の1人が海に傘を落とすというハプニングが発生。

竹葉船長にとっては、“おらんくの海”である見残し海岸です。
ひょひょいと難なく素早い広い上げに成功!さすがの一言でした。
※「おらんく」とは土佐弁で「私の家」という意味です。

その後は何事もなかったように、

見残し奇岩観察
船が着岸する場所がなかった頃の跡や生痕化石、砂質による奇岩形成、不思議な模様の岩や化石を観察していきました。



化石漣痕観察
また、漣(さざなみ)の化石である化石漣痕や貝の化石探しをしました。
両端に寄った児童の間に小さな化石が隠れており、足下を探して見るけれど…

見つからず、竹葉船長に教えていただきました。
これ以外にもまだまだ隠れた化石がたくさんあるとか…

帰りの船中では、土佐湾に定住するクジラなど土佐湾について、よさこい節を題材にしたお話がありました。


様々なハプニングがありバタバタとしましたが、天気もなんとか持ちこたえ無事終了することができました。