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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

宮島一周クリーン作戦

2012年07月06日
広島
毎日梅雨らしい天気が続きますね。
この季節は雨が降っていなくても
足場がぬかるんでいることがありますので、
山歩きには十分お気をつけください。

広島といえば、カキ!
全国的にも有名な産地ですが、
どのように育っているかご存じでしょうか?
最初は干潟でホタテの貝殻に幼生を付着させ、
その後筏に吊して沖で育てます。
筏は発泡スチロールで出来たフロート(浮き)で浮いていますが、
台風などの強風や高潮でフロートが外れてしまうことがあります。

[カキ筏の下にあるのがフロート]

さて、このフロートはどこに行ってしまうのでしょうか?

外洋に流れ出るものもありますが、
多くは瀬戸内の自然海岸です。
有人島の中でも自然海岸が多く残る宮島は多くのフロートが漂着しており、
その数なんと1000個以上!
サイズが約1.5mと大きく、また南部海岸には道路がないため、
運び出すのは容易ではありません。

[海岸に漂着したフロートの山]

そこで先月、NPO団体が中心となり、
行政や漁協、宮島PVなど宮島の関係者総勢115名で“宮島一周クリーン作戦”が実施されました。
場所は南部に位置する大砂利浦、焼山浦、藤ヶ浦の3ヶ所です。
船で海岸に移動し、早速作業開始!

風で樹林の中に積み上がったもの、
粉々になって土の中で根と絡まっているもの、
それらのフロートと一緒にペットボトルなどの生活ゴミもたくさん流れ着いていました。

[全部岩に見えますが、矢印先はフロート]

[みんな担いで運び出します]

[水溜まりに浮かんだフロートの粉:粉々になっても石油製品は長い間分解されずに残ります]

回収されたフロートは原型・半分程度のもので200個以上。
破片を含めるとフロートだけで1トン以上、
一般ゴミは約400キロにもなりました!
暑い中の作業ではありましたが、
多くの方のご協力で2時間程度できれいな海岸に戻りました。
また、集められたフロートは後日漁協の皆さんによって
船で島外に運び出され、燃料として再利用されました。

[当日集めたフロートの一部]


宮島は周囲30㎞。
一周するにはまだまだ時間がかかりますが、
こういった取り組みがきれいな瀬戸内海を後世に残していけるのだと思います。