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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

海上パトロールに参加しました

2012年06月05日
高松
       5月30日
皆さんは、この日が何の日か知っていますか?

正解は、「5 (ご) 3 (み) 0 (ゼロ) の日」
環境省では、5月30日「ごみゼロの日」~6月5日「環境の日」までの1週間を「全国ごみ不法投棄監視ウィーク」とし、不法投棄を撲滅するための集中監視期間としています。
この不法投棄監視ウィークに併せて、各地方毎に行政機関等と連携、協力して様々な環境関連の取組が行われています。
今回わたしたちは、6月4日に行われた、
「高松市海岸線および島嶼部監視パトロール」に参加してきました。
このパトロールには、主体である高松市環境指導課をはじめ、
香川県警、高松海上保安部、香川県高松港湾管理事務所、環境省高松事務所の
各関係部署が参加し、日頃見ることのできない海上から、
海岸線や島嶼部において不法投棄や不適正処理が行われていないかの
監視を行いました。


巡視艇は、高松海上保安部の「ひなぎく」
垂れ幕を取り付けて、出発。

瀬戸内海は島嶼部が多く、その数、大小1000あるとも言われています。
もちろん、それら島嶼部には瀬戸内海国立公園に指定されている場所もあり、
高松管内の海域に至っては、播磨灘(はりまなだ)、燧灘(ひうちなだ)の一部を除く全てが瀬戸内海国立公園普通地域に指定されています。
日頃、巡視を行っていても、陸地から見えない海岸線や、
フェリー航路以外の場所からしか見えない所は把握しづらいもの。
そんな目の届かない場所では、廃棄物の不適正処理や不法投棄が跡を絶たず、
最近では手口が悪質かつ巧妙になっているのが実情のようです。


双眼鏡やカメラを使って監視

また、不法投棄以外で問題になっているのが漂着ごみ。
よく見かけるのは、発泡スチロールや空き缶、ペットボトル、ビニール袋など私たちの生活に中にあるものばかり。
これらは風や潮流によって流れ着き、入り江や浜に溜まっていきます。
パトロール時は風もなく、海も穏やかで海上に浮かんでいるゴミはあまり見かけませんでした。
しかし・・・


白いものが・・・

この島は風が島に向かって強く吹くため、その分ゴミが漂着しやすい場所。
これら漂着ゴミは、海に直接捨てたものだけではなく、陸地で捨てたモノが風に乗って海に落ちたり、川の流れに乗ってそのまま海にたどり着いたりとさまざま。
漂着ゴミは流れ着くだけでなく、魚などがエサと間違えて食べてしまうこともあります。
実際、魚市場やスーパーの鮮魚部門で働いている知人に聞くと、
魚の腹からビニールなどが出てくることがあるそうです。
・・・そんな魚、あまり食べたいとは思いませんよね?

自分だけなら・・・と考えず、1人1人がゴミをきちんと分別して
捨てるべき場所に捨てることで、漂着ゴミや魚たちのエサにならずにすみます。
また島に持ち込んでゴミになったものは、必ず自宅まで持ち帰りましょう。
ほとんどの島には処分場がなく、船で本土の処分場まで運んでいます。
ゴミをきちんと捨てることはもちろん、ゴミにならないようにすることも大切なこと。

瀬戸内海は多島美景観として有名ですが、昔から漁業も盛んな地。
カタクチイワシやキビナゴの小型魚介類~ブリやハマチなど、
また大型海棲哺乳類スナメリの生息する瀬戸内海。
ゴミのない美しい海と豊かな漁場をずっと残していきたいものですね。


家島諸島を望む


※6月は「環境月間」です!
 この月間中、全国でさまざまな環境関連のイベント等が行われます。
 詳しくはコチラ↓↓を検索してください。

 http://www.env.go.jp/guide/envdm/index.html