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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

鹿島

2012年05月28日
松山
鹿島は、松山市北条の西方約400mと北条側からすぐ近くに位置し、周囲1.5km、標高114mの小さな島です。
毎年5月には「北条鹿島まつり」が行われ、鹿島神社にまつわる伝統芸能や鹿島沖に浮かぶ夫婦岩の大しめ縄の張り替えなど、古くから地元住民らに馴染みが深いこの島も、瀬戸内海国立公園に指定されています。

渡船乗り場から見た鹿島

現在、減少している鹿島への観光客を取り戻そうと渡船料を値下げする新社会実験が行われています。島へ渡り現地調査を行ってきました。

港で渡船を待っていると見えてきたのは・・・鹿??

鹿島への渡船

なんと、船の上には鹿のレプリカが乗っています。それも結構大きい!
これも観光客へのアピールなのでしょうか?

その名の通り、鹿島には昔から野生の鹿が生存して、愛媛県指定天然記念物として文化財に指定されています。ホンシュウシカより小さく、臆病で警戒心が強く人になれにくいという特徴があります。
展望台への登山道を歩いていると野生のシカを数頭見かけました。

野生のシカ
登山道で出会ったシカは立ち止まりずっとこちらを見ていました。
シカの被害により鹿島も、下層植生はシダが目立ち、樹皮剥ぎも一部見られました。
若い木などには、木の周りにネットを張って樹木保護をしていました。

左:樹皮剥ぎ 右:樹木保護のためのネット


島の樹木の保護、繁殖育成などの見地から保護飼育されているシカ

野生のシカ以外にも樹上に営巣するアオサギやヤマガラ、イソヒヨドリなどを数種類の鳥を見かけました。キャンプ場など施設は整備されていますが、人が住んでいないため野良猫や犬などの外敵がすくないからでしょうか。

樹上に営巣するアオサギ

ヤマガラ
小さな島でも、野生動物にとっては重要なすみかになっています。これからもこの環境が続くように賢く利用して守っていきたいですね。