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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

初夏の海を感じながら~美保関の遊歩道~

2012年05月25日
松江
先日日記で三瓶山は姫逃池のカキツバタをちょっと紹介しましたが、その続報です。
順調に花を咲かせ、ただいま見頃をむかえています。お出かけになってはいかがですか。

【5月24日現在の様子です】

さてそんな前振りをしておきながらですが、島根県の国立公園はその三瓶山だけではありません。
出雲国風土記の国引き神話で有名な島根半島もその1つです。
三瓶山とはガラリと雰囲気が変わり、入り組んだ海岸線が美しい公園です。
今回は半島の東端「美保関」の遊歩道を紹介します。美保関の街から半島の先端「地蔵崎」にいたる山の尾根を歩く道です。
まずは美保関の街から登る事15分、丘の上の五本松公園(美保の五本松で知られる)に向かいましょう。
上り坂ですが全面舗装されています。ここはツツジの名所で大山や境港の街が望める景色の良い所です。

【だいぶ散っていましたがそれでもこの通り。最盛期のツツジの眺めはどれほどのものでしょう】

これより先は土の道となり、アップダウンがありますが整備された道です。
今日は日差しが暑くて今年初めてセミの鳴き声を聞きました。春を通り越して初夏を思わせる陽気です。ですが照葉樹と落葉樹が作る木陰が暑い日差しを心地良くしてくれます。
昔は山の上は松が中心だったと地元の方が教えてくれました。変わらぬと思いがちな山の緑の変遷を感じます。

「ボー」隠岐へ向かうフェリーでしょうか、船の汽笛が聞こえてきます。「カタカタカタ・・・」小型船のエンジン音も聞こえてきます。山を歩いているようですが、ここは細い半島の尾根伝いを歩く道です。
両側に真っ青な海の色が木々の間から透けて見えます。
こんな遊歩道はそうそう無いでしょう。

【心地良い木陰、そして両側に感じる海 雰囲気の良い遊歩道です】

途中東屋があり、五本松公園そのむこうに境港市を望みながら、握り飯(に限りませんが)を食べる事も出来ます。
その後道は緩やかな下り坂が続きます。
終点地蔵崎には背の低い白亜の灯台があり、海を見ながらお茶や食事を楽しむ事が出来ます。

【明治31年に造られた石造りの灯台で、隣接した白い石壁と赤い屋根の建物は灯台守の宿舎です。現在はレストランになっています。】

ここからの帰り道ですが、海岸線を公道で美保関の街に戻れます。ですが、路線バスがないため歩く事になります。
広い歩道がないのでくれぐれも車に気をつけて歩いてください。
車で通る方も、見通しの悪いカーブの向こうに歩行者がいるかもしれません。ゆっくりと走ってくださいね。
余裕があれば美保関の街で石畳の道を歩くのも風情がありますよ。