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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
はじめまして!
2012年05月18日
松江
はじめまして!
松江保護官事務所隠岐分室のアクティブレンジャー前川です。
出身は熊本県の八代市です。昭和63年生まれの若輩者ですが一生懸命頑張ります。
学生の頃、地域の活性化を学んでいた時に教授と共に初めて隠岐を訪れました。
その時に隠岐の方々の地域を想う情熱に感銘を受けそのまま隠岐に飛び込んで来ました。
大山隠岐国立公園の隠岐島地区を担当しております。隠岐は4つの有人島と180の無人島からなり、公園の大部分が海に面しています。そこには日本海がつくりだした壮大な景観や、離島での独自の進化を遂げようとしている植物や生き物たち、そこに住む人々の4万年前から続く独自の文化と魅力満載です。未来を担う子供たちや、地域に住む人々、島を訪れた人々に隠岐島地区の素晴らしさを伝えられるよう業務に励みます。よろしくお願いいたします。
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通天橋
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小津久海岸
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外浜海水浴場
今日は隠岐の魅力を簡単にご紹介したいと思います。
まずは隠岐固有の植物から!
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[オキタンポポ]
オキタンポポは隠岐固有のタンポポです。
外来のセイヨウタンポポも隠岐にはありますが、場所によってはオキタンポポの群落が保たれている場所もあります。近年、オキタンポポとセイヨウタンポポの交配種も見受けられることから、正確な実態把握のため隠岐では調査が行われているところです。
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[オキノアザミ]
隠岐固有のアザミです。
オキノアザミは刺が鋭いのが特徴になっています。
隠岐では牛や馬の放牧と畑作とを年ごとにローテーションさせながら行う「牧畑」が長く行われてきたので「牛や馬に食べられないように刺が鋭くなった」という人もいますが、牧畑が行われた数百年の間に急激に形質が変わることは考えにくいのでなぜ鋭くなっているのかわかりません。
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[オキシャクナゲ]
隠岐固有のシャクナゲで、花も美しく一時は乱獲の被害にあっていました。今は栽培が盛んに行われ島内で簡単に見ることが可能ですが、オキシャクナゲの自生地は島後の大満寺山系の一部のみとなっています。
隠岐固有の植物はこの他にも「オキノアブラギク」や「タクヒデンダ」があります。
離島地域は固有種が多いイメージがありますが、隠岐は植物についてこの5種しかありません。
なぜ5種しかないかというと、隠岐は最終氷期の時(2万年前)に島根半島と陸続きでした。その後、離島となってまだ1万年しか経過していません。通説では生物が進化してしまうまでに3万年かかると言われています。したがって、隠岐の植物や動物たちはまだ進化の途中にあるから固有種が少ないと言われています。
その進化の過程を見せてくれるのがこの生物です!!
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[オキサンショウウオ]
成体でも体長13㎝くらいしかないオキサンショウウオですが、進化の過程がわかる貴重な生き物です。
サンショウウオは、渓流などの水が流れるところに住む「流水系」と、池や沼などに住む「止水系」の2つに大きく分けられます。オキサンショウウオはこの2つの中間的な特徴をしており、幼生の生息地は渓流ですが手足にイボがないため岩の下などに隠れて流されないようにしています。(※通常の流水系サンショウウオには手足にイボがあり流されにくくなっている。だたし、止水系は流れがないためイボがない)
これは、オキサンショウウオが止水系から流水系に進化している途中であることがわかります。さらに、DNAを調べた結果オキサンショウウオは、もともと流水系のサンショウウオであることがわかっています。つまり、はじめは渓流に住むタイプのサンショウウオが池に住むタイプに進化してもう一度、渓流に住むタイプに進化している(一度失った形質を取り戻す)「逆戻りの進化」をしていると言われています。いわゆる先祖返りですね。
一代に限り先祖返りする生物は稀にいますが、オキサンショウウオは変化が一代限りではないため、進化の定説である「ドローの法則」に反する進化をしています。このような生物は世界的にも大変貴重だと言われ、米科学アカデミーに取り上げられ2005年のCOP10にも話題に挙がった生物です。
さて
このように不思議いっぱい、自然いっぱいの隠岐ですが初回なのでこのあたりで切り上げたいと思います。この調子で行くと今後ネタ切れになってしまいそうなので・・・・
隠岐固有の植物「オキノアブラギク」や「タクヒデンダ」の写真については乞うご期待!
(花期が秋ですので)
松江保護官事務所隠岐分室のアクティブレンジャー前川です。
出身は熊本県の八代市です。昭和63年生まれの若輩者ですが一生懸命頑張ります。
学生の頃、地域の活性化を学んでいた時に教授と共に初めて隠岐を訪れました。
その時に隠岐の方々の地域を想う情熱に感銘を受けそのまま隠岐に飛び込んで来ました。
大山隠岐国立公園の隠岐島地区を担当しております。隠岐は4つの有人島と180の無人島からなり、公園の大部分が海に面しています。そこには日本海がつくりだした壮大な景観や、離島での独自の進化を遂げようとしている植物や生き物たち、そこに住む人々の4万年前から続く独自の文化と魅力満載です。未来を担う子供たちや、地域に住む人々、島を訪れた人々に隠岐島地区の素晴らしさを伝えられるよう業務に励みます。よろしくお願いいたします。
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通天橋
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小津久海岸
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外浜海水浴場
今日は隠岐の魅力を簡単にご紹介したいと思います。
まずは隠岐固有の植物から!
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[オキタンポポ]
オキタンポポは隠岐固有のタンポポです。
外来のセイヨウタンポポも隠岐にはありますが、場所によってはオキタンポポの群落が保たれている場所もあります。近年、オキタンポポとセイヨウタンポポの交配種も見受けられることから、正確な実態把握のため隠岐では調査が行われているところです。
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[オキノアザミ]
隠岐固有のアザミです。
オキノアザミは刺が鋭いのが特徴になっています。
隠岐では牛や馬の放牧と畑作とを年ごとにローテーションさせながら行う「牧畑」が長く行われてきたので「牛や馬に食べられないように刺が鋭くなった」という人もいますが、牧畑が行われた数百年の間に急激に形質が変わることは考えにくいのでなぜ鋭くなっているのかわかりません。
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[オキシャクナゲ]
隠岐固有のシャクナゲで、花も美しく一時は乱獲の被害にあっていました。今は栽培が盛んに行われ島内で簡単に見ることが可能ですが、オキシャクナゲの自生地は島後の大満寺山系の一部のみとなっています。
隠岐固有の植物はこの他にも「オキノアブラギク」や「タクヒデンダ」があります。
離島地域は固有種が多いイメージがありますが、隠岐は植物についてこの5種しかありません。
なぜ5種しかないかというと、隠岐は最終氷期の時(2万年前)に島根半島と陸続きでした。その後、離島となってまだ1万年しか経過していません。通説では生物が進化してしまうまでに3万年かかると言われています。したがって、隠岐の植物や動物たちはまだ進化の途中にあるから固有種が少ないと言われています。
その進化の過程を見せてくれるのがこの生物です!!
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[オキサンショウウオ]
成体でも体長13㎝くらいしかないオキサンショウウオですが、進化の過程がわかる貴重な生き物です。
サンショウウオは、渓流などの水が流れるところに住む「流水系」と、池や沼などに住む「止水系」の2つに大きく分けられます。オキサンショウウオはこの2つの中間的な特徴をしており、幼生の生息地は渓流ですが手足にイボがないため岩の下などに隠れて流されないようにしています。(※通常の流水系サンショウウオには手足にイボがあり流されにくくなっている。だたし、止水系は流れがないためイボがない)
これは、オキサンショウウオが止水系から流水系に進化している途中であることがわかります。さらに、DNAを調べた結果オキサンショウウオは、もともと流水系のサンショウウオであることがわかっています。つまり、はじめは渓流に住むタイプのサンショウウオが池に住むタイプに進化してもう一度、渓流に住むタイプに進化している(一度失った形質を取り戻す)「逆戻りの進化」をしていると言われています。いわゆる先祖返りですね。
一代に限り先祖返りする生物は稀にいますが、オキサンショウウオは変化が一代限りではないため、進化の定説である「ドローの法則」に反する進化をしています。このような生物は世界的にも大変貴重だと言われ、米科学アカデミーに取り上げられ2005年のCOP10にも話題に挙がった生物です。
さて
このように不思議いっぱい、自然いっぱいの隠岐ですが初回なのでこのあたりで切り上げたいと思います。この調子で行くと今後ネタ切れになってしまいそうなので・・・・
隠岐固有の植物「オキノアブラギク」や「タクヒデンダ」の写真については乞うご期待!
(花期が秋ですので)