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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

霧に包まれて ~三瓶山登山道調査(周回線)~

2012年05月10日
松江
天気予報に反して空からは雨が降ってきました。その後雨はやみましたが、我々は雲の中に入ったような濃い霧に包まれました。
今回は自然保護官(レンジャー)と共に三瓶山の登山道調査に行ってきました。

三瓶山は峰々が輪になって繋がっている独特の形をしています。
ですから三瓶山の「縦走」はぐるりと一周して戻ってくる事が出来るのです。
峰の名前はそれぞれ男三瓶山、女三瓶山、子三瓶山、孫三瓶山、と呼ばれていて、三瓶山は2世帯家族らしいです。
これらを周回する登山道を今回は調査してきました。
5月に入り、三瓶山は春を目一杯に感じることができる季節となりました。

【4月20日の日記と見比べてみてください。枯れ木のようだった森は、淡い緑に覆われていました。】

女三瓶山から男三瓶山までの道はアップダウンを繰り返す険しい道です。特に男三瓶山近くの「犬戻し」と呼ばれる所は、足場の悪い馬の背のような尾根です。くれぐれも気を緩めずに注意してください。
また男三瓶山から扇谷に下る登山道も勾配がきつく、岩だらけの険しい道が続きます。今日はぬれているため滑りやすく、何度か足を滑らせました。特に下山では充分に気をつけなければなりません。

【霧、急勾配の道。山は危険をはらんでいます】

男三瓶山には避難小屋があります。昼ご飯はここで取る事にしました。
この日は寒く、外には雨露をしのぐ場所がないので、この小屋に我々は救われました。

今日登られた方々は晴れると思っていたでしょうが、予想外に霧の1日となりました。
晴れた日とは状況が一変します。この日も避難小屋がそばにあるのに気づきませんでした。
当然道に迷いやすくなります。登山をされる場合は正確な地図を手に入れ、事前によく読んでおいてください。
また、登山中にすぐに取り出せるようにし、道標と照らし合わせながら、何度も確認してください。人は思い込みをしてしまう生き物です。地図に書いている情報を正確に読み取っていない事がよくあるものです。

【足下だけを見ていると道を誤る事があります。目をこらし、目印や周辺の様子を見逃さないでください。】

この日雨が降ったのは一時的でした。それでも晴れた日と比べるとかなり寒くなりました。もし風が吹いていたら体感温度はグッと下がっていたでしょう。
備えを万全に、体力と時間に余裕をもった計画を立て行動してください。
余裕がないと気持ちに焦りが出て判断力も鈍らせます。体力も消耗します。それが事故へとつながります。
余裕を持って計画・準備をおこなって春の三瓶を楽しんで見てくださいね。
ちなみに三瓶の峰々を周回するなら、東の原からのリフトを使うと便利です(ズルできます)。

【登山道沿いには小さな花たちがあちらこちらで出迎えてくれます】