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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

積善山と島の生き物たち

2012年04月23日
松山
積善山のある越智郡上島町岩城島は、瀬戸内海の中央に位置し、広島県尾道市生口島からフェリーで島へ渡るように広島県と愛媛県の県境にあります。
この積善山はなんといっても桜が有名です。

4月の中旬、葉桜になりつつある積善山へ行きました。

瀬戸内海国立公園に指定されている積善山

積善山には約3000本もの桜が登山道沿いに植栽されており、積善山展望地からは360度しまなみの多島海景観を眺望でき、春には登山道沿いに植えてある桜が景色をより彩ります。

積善山展望台からの眺め

葉桜になりかけていたものの尾根上に連なる桜が、みごとでした。
少しかすんでいましたが、桜とともに奥の伯方島、大三島も眺望することが出来ました。

さらに桜に変わって山の斜面にはツツジもきれいに咲いていました。ちょうど今頃はツツジが見頃でしょうか。

ヤマツツジ


同じく岩城島の西岸にはアマモ場があり、漁協さんが保全活動をしています。
海岸は大きめの石がごろごろしていますが、道路沿いにはヨシが生える塩性湿地があり、潮が引くと小規模ですが干潟もできあがり、多様な地形が見られます。

潮が引き徐々に広がり始めた干潟

生き物を探そうと岩をひっくり返してみると・・・
さっそくヒライソガニを見つけました。
下の写真のヒライソガニは同じ海岸で見つけたものですが色が全然違います。
砂地や岩場など生息地によって体色を変化させているのでしょうか。

ヒライソガニ

そのほかにも・・・


イシダタミやイボニシは岩礁域に生息し、フトヘナタリは干潟の潮間帯よりも上の冠水しないところに生息し、環境省のレッドリストの準絶滅危惧種にも指定されています。スジホシムシモドキは砂泥質の干潟に生息し、海岸では海浜植物のハマダイコンの花も咲いていました。
多様な地形が今もなお残っているから、たくさんの生き物が生息し、生態系に富んだ海岸といえるでしょう。
豊かな自然に触れ、改めて島は生き物の宝庫だと実感した一日でした。