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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

ふれあい行事『新川河口干潟の自然観察会』を実施しました!

2012年03月15日
松山
3月10日土曜日に西条市高田の高須海岸にて『新川河口干潟の自然観察会』を行いました。

予報では週末は冷え込み、天気も下り坂とのことで心配しましたが当日は晴れのち曇り、少し肌寒かったですが風も少なく無事に実施することが出来ました。

 当日の潮汐は大潮で最干潮が18時12分で14㎝だったため、イベント前半はビーチコーミング、後半に干潟の生き物観察会と潮干狩りを行いました。

講師藤原さんよりビーチコーミングでの注意事項、高須海岸、河口干潟の説明を聞き、さっそくビーチコーミングスタート!
それぞれが海岸を歩き、気になった漂着物を拾いました。




流木をひっくり返して下にいる生き物を探したり…




お気に入りの貝殻を拾ったり…

拾い集めた後は全員で漂着物を自然物なのか人工物なのかに分けて、さらに陸上由来なのか海から来たものなのかに分類しました。




カワハギや様々な種類貝殻、ウニの仲間ブンブクチャガマは海からきた自然のもの。
木の枝や松ぼっくり、亀の甲羅などは陸上からきた自然のもの。
漁具やゴルフボールや電球は陸上からきた人工のもの。

おもしろい物を拾ったという子はなんと、犬の頭蓋骨をひろっていました・・・。


青枠  :海上由来 緑、橙枠:陸上由来
青、緑枠:自然物  橙枠  :人工物
赤枠:犬の頭蓋骨

何気なく砂浜にたどり着く漂着物ですが、集めて色々と分類するとおもしろいことに気づきます。
貝殻や木の枝などはこのまま自然の中にあってもいずれは生き物たちが分解してくれます。
しかし、菓子のプラスチックゴミやゴルフボールや電球は私たちが捨てた物で分解することは出来ません。
実はこのような人工のゴミは海岸よりも海底にたくさん沈んでいるのだとか。
目の前に広がる海の底には、海岸見かけるよりもたくさんのゴミがあると想像するとぞっとします。
たくさんの生き物の住み家を汚さないように、自分が持ってきたゴミは責任もって持って帰ることや家から出るゴミを出来るだけ減らすなど日々の心がけが大切なんだと教えていただいきました。

ビーチコーミング終了後、徐々に潮が引いてできた干潟にて生き物観察をしました。


穴を掘って生き物を探す様子

穴を掘ってみるとカニやシオフキやアサリなどの二枚貝やゴカイなど生き物を観察できました。


左上:ヨゴエビ、ハゼの仲間 右上:シオフキ、アサリ、マテガイ
左下:オサガニ       右上:スゴカイイソメ


特に潮干狩りの時にみんなに大人気だったのが、マテガイ。
マテガイの巣穴に塩を入れて、少し待つとひょこっと頭を出す様子にみんな大興奮!!!


マテガイを採っている様子


 生き物が動き出す早春の干潟を観察したのですが、今年は冬が長かったせいか生き物の数はぼちぼちでした。
しかし、私たちの生活の中での干潟とのつながりや、川から海への境に出来る河口干潟の役割などを学べ、さらにマテガイの頭を出す姿、アサリなどのお土産も出来て皆さんとても満足されていました。

もう少し暖かくなると新川河口の干潟ももっと賑やかになってくるでしょう。
ご協力いただいた皆様、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

最後に、当日観察できた生き物リストです!