ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

中国四国地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2011年12月

14件の記事があります。

2011年12月08日睦月島、陸上からのスナメリウォッチング

瀬戸内海国立公園 松山 齋藤明光

気がつけば、12月になってしまいました。この1年はどうだったでしょうか?
私はあっという間の1年でしたが、とても充実していたように思います。

11月後半に野忽那諸島の睦月島と中島へ行ってきました。

中島汽船 高速艇
この日は航路上でのスナメリ観察も行いましたが、陸上でのスナメリ観察が出来る場所を探すために睦月島に行き、陸上でのスナメリ観察を行いました。

睦月島は、西と東に山が一つずつあり島の山腹をぐるりと一周する農道が通っています。そこには西側に「島四国八十八カ所めぐり」と東側に「西国三十三カ所めぐり」のミニ巡礼コースがあります。

睦月島の案内板

今回は東側の農道を歩き「西国三十三カ所めぐり」の札所を目印にスナメリ観察を行いました。

睦月島
この日は天気も良く、波も穏やかでスナメリの観察にも向いていました。
島はまだ暖かくて、色々花が咲いていました。
愛媛と言えばみかん!島を歩けば柑橘園が広がります。

左上:ノジギク 右上:ツワブキ
下:柑橘園のミカン

そして「西国三十三カ所めぐり」十九番札所を発見。

「西国三十三カ所めぐり」十九番札所
ちょうど向かいには野忽那島と芋子島を望むことが出来ました。


奥に見えるのが野忽那島 手前にあるのが芋子島

睦月島の東にある野忽那島の間の海域は芋子瀬戸と呼ばれています。2つの島のちょうど真ん中にある島を芋子島といい、このあたりの海域でスナメリの目撃情報が多いことから、ここをポイントに観察を行いました。

囲われたところでよくスナメリを目撃されている


一眼レフの望遠で写すとこんな感じ
ここからの見晴らしはとても良いですが、海面から距離があるため裸眼で探すのはちょっと厳しいかもしれません。スナメリかなと思ったら双眼鏡や望遠鏡を使って探すと良いでしょう。今回は望遠鏡を据えつけて観察を行いました。
30分ほど探すのですが、スナメリらしきものは発見できず。。。

残念ながら次の船の時間がきてしまったので、陸上での観察はここまでで引きかえします。
スナメリを見ることは出来なかったのですが、かわりに農道を歩いているとキジに遭遇!さすが島。キジも驚いたのか走って逃げていきました。

尾っぽをこちらに向けて走って逃げてゆくキジ

睦月からフェリーに乗船しフェリーよりスナメリを観察しつつ、中島へ行きました。
中島と言えば・・・。みかん!!!

山の斜面を利用して柑橘畑が広がっている

中島のかなりの面積が柑橘園となっており、この時期から中島はみかんの出荷で大忙し。島に入るとたちまち、柑橘園が広がっていました。

おいしそう~

瀬戸内海国立公園の園地となっている姫ヶ浜海水浴場へいきました。
当たり前ですが、ビーチには誰もいなくて…。
この日の朝は冷え込んだのですが、午後から一気に気温が上がったせいか、海水浴場から見える島々が浮いて見える蜃気楼の一種浮島現象を見ることが出来ました。

遠くの島が若干浮いて見える(?)

これから寒い寒い冬の到来で家に引きこもりがちになりますが、晴れ間がのぞいた数時間だけでも誰もいないビーチに行ってのんびりするのも良いかもしれません。
瀬戸内ならではですね。

帰りのフェリーでもスナメリを探しますが・・・。結局発見することはでませんでした。
スナメリ観察日和だったのに肝心のスナメリには会えなくて残念。
また次回に期待です!





ページ先頭へ↑

2011年12月08日宮島の紅葉は…

瀬戸内海国立公園 広島 大髙下理恵

今週末からやっと冬らしい気候になりそうですが、
今年は本当に秋が長い!
気温が下がらなかったせいで紅葉谷の紅葉もあまり良くなく、
色づく前に落葉しているモミジも見られました。
寒くないのは有り難いですが、
日本の自然の美しさはやはり四季があってこそだと思います。

さて、最も紅葉が良いとされる先月下旬。
今年度2回目の宮島地区パークボランティア公募観察会が開催されました。
昨年6月にも同じ包ヶ浦~博打尾コースで行いましたが、
季節が変わるとまた見えるものも違ってきます。
まずはやっぱり紅葉です!

最初に今年は紅葉が良くないとお伝えしましたが、
山の樹は園芸種と違ってやはり強い(?)のでしょうか!?
ウリハダカエデやハゼノキはしっかりと紅く色づいていて、
晴天とのコントラストがとてもきれいでした。

[真っ赤に染まったハゼノキ]

[淡い色のウリハダカエデ]

宮島は常緑樹が多く、弥山登山道でも紅葉はちらほら見られる程度です。
ここ包ヶ浦~博打尾が島内では山の紅葉が一番見られる場所かもしれません。

[博打尾~紅葉谷の登山道で見られる紅葉]


そして、見るものだけではなく、
この季節ならではの音も聞こえてきました。
包ヶ浦から登山道に入ると、
カラッカラカラカラッ コロコロコロッ
至る所でドングリの落ちる音が聞こえてくるではないですか。
風の音、鳥の声、そしてドングリの落ちる音。
自然の中で聞こえる音はどの音もとても心地よいです。

紅葉谷もきれいですが、
観光客でにぎわうこの季節は
なかなか落ち着いて紅葉を見ることができません。
来年の紅葉は博打尾を歩いてみてはいかがでしょうか。



[博打尾根から見える対岸と大鳥居]

ページ先頭へ↑

2011年12月07日野鳥たちを見つめる眼差し

大山隠岐国立公園 松江 太田嘉和

師走です。師走は師(お坊さんなど)が走り回る忙しい月だから、などと言いますが、ヘアスタイルではお坊さんに負けていない私も忙しく走り回っています。

さて宍道湖と中海はラムサール条約に登録されている野鳥の楽園ですが、国指定の鳥獣保護区にもなっています。また大山も国指定の鳥獣保護区です。
この保護区を巡視していただいている「国指定鳥獣保護区管理員」と言う方々がいらっしゃいます。(舌を噛みそうな名前ですが)
これは環境省職員だけでは管理の目が薄いため、野鳥などに詳しい一般の方を任命して、巡視をおこなっていただいている方々です。
本格的な冬の渡り鳥のシーズンをうけて、この方々と環境省職員による打ち合わせ会議がおこなわれました。


昨年度の冬は鳥インフルエンザ発生により、例年以上に管理員の巡視の役割が重要となりました。
今回の会議も、おのずと鳥インフルエンザにかかわる内容が主になりました。
この冬は鳥インフルエンザが発生しないことを願いたいものです。
ですが去年あれだけ発生したことを考えると、今後冬季はいつ発生してもおかしくないでしょう。

〈私の出番!死亡野鳥回収の実演をやりました これは鳥インフルエンザ発見のための重要な仕事です〉

自然界の事は人間がどうすることもできません。私たちにできることは、鳥インフルエンザの発生に気付き皆さんにお伝えする事です。


〈宍道湖の調査にて スズガモの大群が一斉に飛び立ちました〉

【鳥インフルエンザウイルスの人への感染について】
鳥インフルエンザウイルスは、感染した鳥との濃密な接触等の特殊な場合を除いて、通常では人に感染しないと考えられています。日常生活においては、過度に心配する必要はありません。
 
*下記HPもご覧ください
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/leaflet/leaflet-a.pdf


*******************************
三瓶山地区子どもパークレンジャー 第2回 参加者募集!
2月18日(土)~19日(日) 1泊2日

参加お問い合わせは、子どもパークレンジャー三瓶山地区事務局(島根県立三瓶自然館サヒメル内)電話0854-86-0500まで
小学4年生から中学3年生までの君、冬の自然を楽しもう!
ぜひご応募ください。

*下記HPもご覧ください
http://c-chushikoku.env.go.jp/to_2011/1117a.html


ページ先頭へ↑

2011年12月05日屋島の冬、始まります と、もうひとつ

瀬戸内海国立公園 高松 大林めぐみ

12月に入った途端、寒さがまた増してきましたね。
どんどん冬が深まっていく中、屋島の今をご紹介。

屋島寺や水族館など観光施設のある南嶺では、サザンカが満開中。
11月初旬はまだチラホラ咲いていただけでしたが、
今や待ってました!とばかりに色鮮やかに花を咲かせています。
サザンカは南嶺全体で見られますが、
特にオススメなのは・・・
駐車場から血の池に向かい、展望地・談古嶺へ向かう遊歩道。
樹高3m以上あり、色も濃い・淡いピンク、白とさまざま。


場所はコチラを参考に。

また北嶺に進むと、南嶺と違った風景が見られます。
南嶺から北嶺へと進む遊歩道は、ウバメガシのトンネル。
強い日差しで葉の緑が力強く光る夏とは違い、
冬はわずかな太陽の光を葉に受け、静かにたたずんでいるようでした。


北嶺はコチラを参考に。

オススメの展望地・遊鶴亭でいると、ガサガサと誰かが来ました。
いつも来ている人かな?と顔を上げると・・・


猿!?(カメラ向けるのが遅かった。。。)

前からいるとは聞いていた猿にAR3年目にして
やっとお目に掛かることができました。
顔を上げると目が合ったので、「おいっ」と声をかけるとダーっと走って
降りて行こうとしたので、また「おいっ」と声かけすると
また一瞬振り向いてくれました。
そんなに人には馴れていないようだったので、餌付けはされていなさそう。
鳥ではなさそうなアケビの食痕を秋に見つけましたが、
やっとその本人に出会えました。

北嶺遊歩道をぐるりと一回りして広場へ着くと、
ここのモミジも色づきがバラバラ。
ですが、やはりお花見や紅葉狩りを楽しむなら、やはりここですね。
子供も走り回れますし。

そんな中、、、

ゴミが散乱。。。
広場を使う人にとっても、気持ちいいものではないですよね。

この辺りはイノシシの掘り返しも多い場所。
ということはイノシシがいます。さっきの猿もいます。
彼らがこの食べ散らかしたものの匂いを覚えてしまうと、どうなるでしょうか?
木の実などのエサがなくなると、食べ物の匂いで人に寄って来て、
エサをもらおうとするかもしれません。
ひどくなると、人を襲ってしまうこともあるかもしれません。
また、食べ散らかしたプラスチック容器も、動物たちは食べていいのか
いけないものなのかも区別が付きません。
誤飲してしまうと、プラスチック類はずっと体内に残されたままです。

小豆島・寒霞渓の猿にしても、この屋島にいる動物にしてもそう。
人間の食べ物を覚えない、簡単にもらえると思わせないよう餌付けはしない。
誤飲しないためにもゴミはきちんと持ち帰ること。

これらのマナーは国立公園内だけに限らず、どんな場所でも共通です。
離島だろうと都市公園だろうと、最低限のマナーは守りましょう。
みんなが気持ちよく利用できる空間をつくるには、
1人1人の心がけ、思いやり次第です。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ