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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

〔三崎小学校環境学習〕H23-9「竜串湾流域の間伐見学と体験」

2011年12月19日
土佐清水
2011年も残すところわずかになりました。
6月から始まった環境学習は海学習から始まり川を経て、回を重ね、今回で第9回目です。
先月の山学習に引き続き、「間伐現場見学と間伐体験」として今年最後の学習が12月13日に実施されました。
講師は、山のスペシャリストである土佐清水市森林組合に所属する約50名の山師を率いる組合長の山下林栄さんです。

西ノ川中流域の林内

例年行われているこの間伐体験ですが、児童が無理なく作業できるような現場に限られています。
体験場所を探し確保していただけるのは本当にありがたいことです。

三崎小学校の脇には、竜串湾に注ぐ三崎川が流れていますが、その支流“西ノ川”の中流域のヒノキ林が今回の間伐体験場所です。

この日は2名の欠席があり、児童11名と担任教諭が車に乗り合わせ、現在も間伐や道作りが行われている現場に向かいました。

実際に作業が進められている間伐現場を見学

まずは、山師たちが重機等を使って間伐作業を行っている現場へ。
架線集材やチェンソーによる玉切りなどを間近で見学しました。
初めて見る作業現場、児童らにはその仕組みを理解するのは少し難しいかもしれません。

そして、お弁当を食べてエネルギーをつけたら、午後からは実践です。
5年児童たちが生まれた頃に間伐されたところが今回の間伐体験の場。
間伐の説明を受けた後、班ごとに分かれノコギリでヒノキの立木に立ち向かいました。
中にはかかり木になってしまったものもありましたが、専用の道具(フェリングレバーやくさび)を使って、全員が1人1本以上自力で伐りました。

間伐についての説明

手ノコで挑む間伐体験

その後、チェンソーで玉切りしてもらった丸太を使ってイスを作ることに・・・。
小枝などを使って丸太の皮剥ぎをして仕上げ、今回のお土産となりました。
学校にも丸太が運び込まれ、それを使って学校用ベンチが作成されているようです。






児童にとっての間伐体験は、ただ「楽しかった」ということだけで、この山作業の意味合いまで理解するのは難しいかもしれません。
それでも、こういった体験が幼少期にあるかないかでは、成長していく中で“自然”に対する考え方に大きく影響がでてくるものです。
これらの体験が今すぐには芽吹かずとも、後々に光を浴びて育つ“埋土種子”になってくれることを期待したいですね。