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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

自然公園指導員研修 in 高松

2011年12月15日
高松
残り2週間で2011年も終わりですね。
ほんっと、1年があっという間に過ぎていきます。
さて先週日曜に、中国四国地方の自然公園指導員に
登録されている方向けの研修会を行いました。

1ヶ月ほど前には岡山で開催し、今回は高松での開催。
中国四国地方と幅広い地域の方に、開催案内を出させて頂きましたが、
遠くは、山口県、高知県は足摺宇和海国立公園エリアの方がご参加されました。
遠路はるばる、ありがとうございました!

まずはじめに、高松自然保護官より瀬戸内海国立公園について。
日本の国立公園の特徴や仕組み、また香川県、徳島県地域の主要拠点での施設整備や活動をご紹介させていただきました。

次に、香川県みどり保全課より香川の自然公園についてのご紹介。
香川県にしかいない希少種についてとその保護事業。
また、国立公園内にある文化遺産の紹介など、人と文化、
自然が隣り合わせで暮らしていることが分かります。




そして、今回の講師・井上博夫さんからのお話。
井上さんは、国営讃岐まんのう公園インタープリターであり、環境カウンセラー、プロジェクトWILD、WET、PLT上級指導者(←日本に数人しかいません)と多岐にわたりご活躍されている方です。



今回講義してくださるのは、「里山の命のつながりと暮らしのヒント」
この中で、インタープリテーションって何?
エコ、エコって使ってるけど、エコロジーの実際の意味知ってる?
里山ってどんな所? ビオトープって? など
里山保全活動をしていく中で知っておきたい基礎知識や
里山の自然環境や変貌について教えて頂きました。
また、里山のこと、人がどう関わればいいのか、
自然環境を教える際に頭ごなしに教えていないか、
相手に分かりやすく、またその背景やメッセージも伝え、
興味を刺激し啓発、みんなで一緒に考えていくことの重要さも。

香川は、平地の中にため池や小高い山、田畑、住宅地など
自然があまりにも身近な故、その大切さに気付かないことも。
便利さを優先し、身近な存在の里山を壊すことは、自分達の将来にも
大きく関わることだということを、知識だけでなく
さまざまな体験や活動を通して、知ってもらいたいと感じました。

3.11の大震災によって、「つながり」の大切さを改めて大きく感じましたが、それは里山との関わりにも言えること。
絶滅危惧種や原生林といったものだけが自然保護の対象ではありませんよね。
昔から人は自然の中で自然を利用させてもらい、生かされているのですから。


香川の里山風景(讃岐平野)

この講義の後、参加者が実際どんな活動をしているかや
最近問題になっている登山での事故多発の原因、
今年多く発生したスズメバチの対策など意見交換しました。
やはり、無知なこと、マナーの悪さ、行事前の下見の重要度など
感じていることは同じのようです。

会場の暖房が効かず、参加者のみなさんには大変寒い思いをさせてしまい
申し訳ありませんでしたが、地元で活躍されている指導員の方を始め、
遠方からお越しくださった方にも充実した講義だったのではないでしょうか。

これからも自然公園指導員のみなさまには、現地のリアル情報や
利用者への指導など私たちと協力して、活動をお願いしたいと思います。
これからも宜しくお願いします!