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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

鳴門森林観察会 ドングリを拾おう

2011年11月14日
高松
先週末、毎年行われている自然公園財団鳴門支部主催の
森林自然観察会に出席してきました。
この自然観察会は、鳴門市桑島小学校3年生が
鳴門山でドングリを拾い、苗木に育て、そして6年生の卒業前に
また鳴門山に植えに戻ってくるという一連の活動。
講師は、毎年この自然観察会に来ていただいている木下覚先生。

この日はあいにくの雨模様だったので、駐車場のあずまやでレインコートを着て、
開会の後、鳴門山に移動。
みんなビニール袋を用意し、いそいそと遊歩道を登っていきます。
いつもなら登り始めてすぐに児童たちから
「あっ!あったー!」など聞こえてくるのですが。。。
ない!ない!ドングリがない!

今年は天候不良のせいか、はたまた裏年なのか
(昨年も裏年だったはず。。。)ほとんど落ちていません!
ドングリの木・ウバメガシを見てもあまり実が付いていない。。。

そんな状況のまま、鳴門大橋の見える展望地に到着。
今年はほとんど拾えないのかなぁと思いながら、地面をよく見ると、
登ってきた遊歩道よりはドングリが落ちている!


あったよー!!

ドングリを集めないことには、苗木を育てることができません。
なので、みんな一生懸命ドングリを探して拾っていました。
一緒に参加したお母さんや先生も、児童たちに負けず探します。

ひと通りみんな拾い終えたら、集合してここからは観察会のはじまり。
いつもなら講師2人いるのですが、急遽1人来られなくなったため、
国立公園について簡単にお話をさせていただきました。
「国立公園って聞いたことある人?」・・・何人か手が挙がりました!
しかし、鳴門が国立公園の中というのは知らなかったよう。。。
渦のメカニズムについては、まだ3年生には少し難しいので追々。

そして、木下先生による植物のお話です。
ドングリがなぜ毎年いっぱい実を付けないのか?
どんな動物が食べているのだろう?
どこから芽が出るの? ドングリの種類は?などなど
児童達は初めて知ることがいっぱい。


先生のお話に感心しきり。

じゃあ、ドングリってどんな味なんだろう?

・・・にがっっ!! まずっっ!!

ドングリはアクを取らないと、苦みや渋みがあります。
ですが、アク取りすると、コーヒーにしたり、クッキー粉ができますよ。
スダジイだと、アク取りなしで炒っただけでOK。
ただ、虫が出てくるかもしれないので一度熱湯に通すか、
冷凍庫に1ヶ月ほど入れておいた方がいいです。

その後も次々といろんな植物のにおいを嗅いだり、食べたり。


アキグミの試食
すっぱい!しぶい!けどおいしいー。


まだ青いネズミモチの実飛ばし
かなり飛びます!(人に向けないでね)

他にもムベ(トキワアケビ)の由来や、雄松・雌松の違い、
鳴門にいっぱい咲いている「ナルトサワギク」が特定外来生物だということ。
木下先生のお話は、いろんな実践を交えてなのですごく楽しい。
私も今年で参加3回目ですが、毎回勉強になることがいっぱいです。

最後に展望台まで行き、鳴門の景色を眺めて終了。
雨がパラつく中でしたが、児童たちは終始元気いっぱいでした。

自分たちの住んでいる自然環境は、まずは身近な人が中心に行うことで
未来の人たちへと受け継がれていくものだと思います。
ここで拾ったドングリは、6年生の植樹の時まで大切に育て、
また観察会で知ったことに少しでも興味を持ってもらえればいいですね。



最後に、今年3月に植えた卒業生のウバメガシ。
当時より倍に伸びていました!