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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

極楽寺山 秋のきのこ観察会開催!

2011年11月08日
広島
立冬となりましたが、
アブラゼミが羽化したり、ツクシが出たり、サクラが咲いたりと
植物や昆虫も季節を勘違いしてしまうほど暖かいですね。
こんな年は冬が非常に寒くなるとか。
冬の野外行事は特に寒さ対策が必要になりそうです。

さて、広島事務所では、瀬戸内海国立公園の生き物をテーマに
自然観察会を行っています。
生き物といえば、動物や昆虫、鳥や魚を思い浮かべますよね?
実は自然界の生き物は大きく3つに分類され、
獣・虫・鳥・魚など動きのある生き物を「動物」
草・木・花など光合成を行う生き物を「植物」
に分けられます。
もう一つは何でしょうか??

それはカビなどの「菌類」です!
今回は自然界で一番小さな生き物「菌類」の仲間・きのこをクローズアップして、廿日市市極楽寺山で観察会を開催しました。
※5界説、6界説など様々な分類があります。
講師にはきのこアドバイザーの川上嘉章先生をお招きし、
31名の方にご参加いただきました。

観察会の1週間前と前日にしっかり雨が降ってくれたので
たくさん出ているのでは!と期待して観察会前に下調べしたところ、
不作・・・
きのこが見つかるか心配したまま、開会式開始。

[開会式の様子]

まず最初は講師の方と歩いてきのこ観察を行った後、
3班に分かれ、蛇の池周辺のきのこ採集をしました。

[川上先生と歩いてきのこ観察]

[きのこ一斉捜査!]

さすが31人分の目があると違いますね!
不作だと思っていたきのこもシートいっぱい見つかりました。

[解説風景:皆さん勉強熱心です!]

きのこも他の生き物同様、味や姿形に名前の由来があり、
ワサビの味がするからワサビタケ、
乳のような白い汁が出るのでチチタケなど
名前を知るだけでもおもしろい!

[スッポンタケ(食):きのこの女王キヌガサダケの仲間]
[ドクツルタケ(毒):見た目はシンプルですが死に至るほど猛毒!]

[ツチグリ(幼菌は食):湿度によって開いたり閉じたりして胞子を飛ばします]
[キチチタケ:破ると黄色い乳が出るのでキチチタケ]

名前がわかっただけでも46種!
半分近くが食用とされるものでしたが、
食用に適さないものや食毒不明のものもかなり多いようです。

きのこといえば食毒が気になるところ。
食用は美味しくいただけますが、
毒きのこは私たちには必要ないのでしょうか??

いえいえ、そんなことはありません。
落ち葉や倒木、動物のフンや死体はどこへ消えているのか。
きのこたち菌類がそれらを土や養分に分解し、
草木が育ち、獣が植物や昆虫を食べ、
自然界のサイクルが保たれています。
まさに森の立役者!

[自然界のサイクル]

そんな話をして、今回の観察会も無事終えることができました。
山に行った時はきのこの役割も思い出していただけるとうれしいですね。